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積んでおいたら6年生の長女に先を越されてしまったが、ぐいぐい読了していたのでおもしろいのだろうとすぐに後を追う。そして、おもしろかった。百人一首やことわざがおもしろい形でとりこまれているのが、娘も楽しかったのかもしれない。
父親の遺産である古いアパートの大家をうっかりひきうけたアラフォーシングルの主人公がそこの住人たちとの交流を通し、人生の折り返し地点にあたってあれこれ考える。一つの部屋の住人とのエピソードで一章ずつまとまっていて連作短編風にも楽しめる。若い世代とのギャップや外国人とのもどかしい交流、父親の愛人的女性とのぎこちない交流などのエピソードがつぎつぎ起こる中でゆっくりゆっくり進むもう一つのエピソードはセ・ラ・ヴィな展開で、もう若くはないけれど老けこむにはまだまだ早い、酸いも甘いも噛み分けた大人の入り口に立った40代をひっそり励ましてくれているように感じた。
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久々に本を読んで笑った気がします^ ^大家をしている主人公とその店子の話はそう目新しいお話ではない気がするのですが、なんというか癒やされました…作中で主人公が妙な解釈を繰り返す百人一首を、おさらいしてみたくなりました。
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華やかな都会ではなく、かといって地方都市でもなく、私鉄沿線で、細い路地の奥にあり、隣が墓地というなんとも微妙な場所にたつ古アパートの「花桃館」、主人公は40代独身女子、先行きが見えず、将来をあきらめもできず、中途半端に揺れ動く。
「花桃館」の住人はなかなかの変わったひとばかり。
よくもまあこんなにくせのある人ばかり集まったというか、主人公の父の桃蔵が集めたのかもしれない。桃蔵は住人たちとどんな交流をしていたのか、幽霊として出てきて語ってくれないかなぁ。
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連作短編集。
親近感ありまくりの彼女。
ドンマイ、あなた。
ドンマイ、わたし。
地味に頑張る。ありがとう。
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幽霊が登場する?!など、現実にはたぶんあり得ないことも織り込まれているのに、ファンタジーというふうには思えない。日常にあまりにも自然に溶け込んでいるから。中島さんの紡ぎ出す世界は、いつもしっとりしている気がする。近くに花桃館があったら住人になってみたいな。
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中島京子さん”花桃実桃” 読了‥★5つ!‥ワシは中島さんに甘いかなぁ‥いえいえ‥名作だと思います‥43才の独身女子の物語‥ええよ‥読んでみやぁせ‥
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読了感が今一番好きな作家さん。
軽快にサクサク進む。登場人物たちのことをどんどん好きになっていく。
最近偶然なのかなんなのか、アラサーの話を読むことが多かったが、アラフォーも悪くないと思った。14/11/09
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アラフォーの人生を考える主人公に共感し、幸せになって欲しいと思いながら読みました。
アパートの個性的キャラクターのお話に途中飽きてしまいましたが…ほっこりするお話に癒されました。
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43歳の茜はリストラにあい、父親が残した花桃館に移り住む。そこに住む住人は変わっていて・・・というわりとある話だなぁと。
ていうか『すいか』っぽいので好きな人は好きかも。
そう中年ってそうなんだよ。
若くはないけど、老いてはいない。
ここが重要。
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中島京子の『花桃実桃(はなももみもも)』
帯の説明(点線下参照)を読んで思わず笑ってしまった。
むかしの私は『シンボン』って言ってました(笑)
会社でリストラに会い、父親の遺産のアパートを手に入れ、アパートの大家さんとして再出発する花村茜。
そこの住人達のへんてこな住人に面食らいながらも徐々にうまくやっていく茜だが、最後の難問やいかに!!!
101号室 花村茜が大家になるまで
302号室 玉井ハルオ ウクレレミュージシャン
201号室 妙蓮寺大輔とその息子たち、陸、海、空
202号室 東京物語を地で行く谷川一臣・咲子夫婦
203号室 整形マニアの高岡日名子
303号室 自称探偵の槌田直樹とその猫
301号室 クロアチア出身のポエット
103号室 父の愛人の李華ばあさん
102号室 同級生尾木くんの娘の部屋探し
花桃館満開 福島へ行く尾木くんが、いつの間にか車に入っていた英文の詩を見て思い直し再び茜の近くで暮らす決意をする
茜、44歳の女性の苦悩や不安や体の事をいろいろと投影できる話だった。
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「やらなきゃ、まずいかな」
「そりゃ、まずいでしょう、新盆だよ」
「なあ、さっきからおまえ、気になるんだけど、ウイボンじゃなくて、ハツボンじゃねえのか?」
「え?ハツボン?」
「ハツボンだろ。ウイボンじゃないよ。ウイボンって、おまえ、フランス語じゃ、ねえんだから。それよりどっちかつーと、ニーボンじゃねえ?」
「え?ニーボン?ニーボン?アラボンじゃないの?」
「なに?アラボン?聞いたことねえ。おまえ、あいっかわらず、漢字よえーな」
いったい、いつ、兄は妹の弱点を把握したものか。(帯より)
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亡くなった父親の愛人や幽霊までも住んでいる花桃館の住み込み大家になった40過ぎの独身女性・茜を主人公にした物語。
ともかく中島さん。何が、とか、どこが、を指摘する力など私にはありませんが、何やら中島さんらしい雰囲気が満載です。どこかノスタルジックで、どこか薄曇りのような雰囲気。そして独特のユーモア。
スラップスティックとかナンセンスとかの爆笑では無く、表面ではクスクスとした笑いなのですが、内面で哄笑。なんとも上手い作家さんです。
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43歳、シングル女子。
リストラにあったのをきっかけに、父の残した花桃の木が咲く少々古いアパートの管理人になることを決める。
アパートの住人達は変わった住人たちで、茜は面食らいながらもいつのまにかこのアパートが好きになっていきます。
個性的な住人達も魅力的に書かれつつ、人生の折り返し地点をすぎたところで将来について悩む茜の姿がユーモアを交えて書かれています。
個人的には、ことわざがツボでした。
テーマの割に重くなく、楽しく読めた1冊です。
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アパートを相続したアラフォーの未婚女性が仕事を辞めてアパートの大家になり、店子との色々を描いたお話。面白い話もあればつまらないものもあった。1つの話が長すぎて間延びしている気がした。
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連作短編集
あらすじ
43歳独身茜は、リストラを機に、父が遺してくれた古いアパートの管理人兼大家になる。しかしそこには、父の愛人(おばあさん)や、ウクレレ青年や、家族の世話を焼く中学生など、訳ありの住人ばかりいた…。
ユーモア連作短編。主人公茜と同じようにツッコミを入れながら、しかも茜も元ヤン?で、けっこういい加減だから、茜にもツッコミを入れつつ、ほんのちょっとだけしんみりしながら読んだ。
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アパートの管理って大変そうだけれど、こんな愉快な住人が暮らすアパートならやってみてもいいかも。一番素敵だったのは幽霊老夫婦の話。死んでからも仲がいいってのがステキ。成仏できないとか関係なしで、馴染んだ場所にずっといて夫婦で草花見つめて会話して。ほっこりする。40過ぎた男女のなかなか前へ進まない恋模様も最後のカクテルの名前で、道が拓けた感じ。いいね、粋なエンディング。どの町にあるのか分からないけど、晩年は「花桃館」で暮らしたい。珍事に巻き込まれて、ブツブツいいながらも楽しくて思い出たくさんで最高な一生だね。