紙の本
マナーは法律ではないものの・・・・
2016/05/04 08:58
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投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自己啓発本のようなタイトルですが、読売新聞に「たしなみ」として12人が書いた
コラムを集めたもの。
町田康さんがいるのだもの、単なる自己啓発本にはなりません。
マナーといっても「そうめんのマナー」とかこういう見方もありなのね、という
エッセイ集に近いかもしれません。
新聞連載時は最初が佐藤優さんで次が穂村弘さん、鷲田清一さん、
町田康さん、三浦しをんさん、赤瀬川原平さん、平松洋子さん、
楊逸さん、高橋秀実さん、劇団ひとりさん、井上荒野さん、
最後の津村記久子さんが2014年3月まで。
本ではそれがばらばらになっています。
読んでみるとかなりボリュームがあり、平松洋子さんの視点が非常に興味深く読んだので
まとめて読みたかったですね。
以下、気になったものをいくつか。
町田康さんの「目線のマナー」
私は目線という言葉が嫌いで使わないのですが、町田康さんは逆に視点や視座という
言葉はもう使われないから目線という言葉を使うそうです。
ただし、条件があって
「目線というのは、その特質上、低ければ低いほど尊いのである。そして高ければ
高いほど無礼なのである」
だから「国民目線で・・」というのは逆に国民を低く見ている(使い方によっては)
という「目線」という言葉の使い方の難しさを書いています。納得。
平松洋子さんの「スポーツジムのマナー」
平松洋子さんの書くことは楽しい事ばかりでなく、はっとするような気付きを
促してくれます。
長年通っていたスポーツジムで学んだ事。「古株のお歴々の御機嫌を損ねない」
馬鹿丁寧な言葉使いから、非常に気を使われた事がうかがえます。
人の集まるところ、(ネットでも同じ)常連さんとか古株とか必ずいますよね。
牢名主的存在。序列というか。
気にならない人は気にならないので、威張りまくりの世界というのを鋭く見抜いて
います。
穂村弘「いちゃつきのマナー」
電車の中で人目をはばからずいちゃつくカップルを目にして戸惑う穂村さんが
目に見えるようなエッセイ。
穂村さんは恥の人だから、日本人には「公共の場でいちゃつく」は今の日本では
まだだろう。という考察が脱力していてうなずきつつも笑ってしまいます。
大体が軽いノリで書かれていますが、佐藤優さんは重いです。
「裏切りのマナー」では「裏切りにマナーはない」とばっさり。
楊逸さんは、中国と日本のマナーの違い、こんな所が違うのか、という文化比較が
興味深い。お辞儀、スリッパ、書店のブックカバーやスーパーのボリ袋、割り箸・・・
まとめて読むと結構、空気を読むとか人との距離について考えてしまうので、
前半は電車の中とかぽつぽつ読んでいたけれど、後半は一気読みして
少々疲れました。マナーは法律ではないから人それぞれの部分があって
ただ自分のルールを押し付けるのではなく、マナーを守って人と接する心の広さが
必要なんですね。
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なかなか読みごたえのある数々のマナー。ふむふむと奈得するものからぷっと吐き出しちゃいそうものまで著名人による様々なジャンルのマナーが勢ぞろい。
手に取るまでもっと堅苦しい読み物なのかな、と思っていたのですが軽いです。コラムですね。(もともとは読売新聞掲載のコラム)
ちょっと手が空いたときに読むのにぴったり。きっかけは個人的に好きな作家の井上荒野さんと津村記久子さんが寄せていたからという理由で手に取ったんだけど、どの著名人もすごく面白かった。
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マナーが明確にされていない事柄についてのエッセイ。
三浦しをん飛び抜けてつまらないなあ。
名前のマナーのタイトル付けがくすっとしたくらい。蒼白のアンフィニ、または円周率の愛と相似点ってなに
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もともと読売新聞の火曜日夕刊に掲載されたコラムを集めたもののよう。12名の著者による、身の回りや自身が体験した様々な「マナー」に関する1テーマ2ページのエッセイ。そういう意味では、タイトルの「考えるマナー」は「『考える』マナー」ではなく、「『マナー』を考える」のほうが正しい。
年齢も仕事も幅広い12名なので、2ページとはいえど文章のうまい人、目の付け所が鋭い人、どうしようもない人が居て面白いが、テーマあたりの分量が少ないので、言いたいことが断片になり入り込めない。その割に総分量が多いため食傷気味に。よって★2つとした。
赤瀬川原平、鷲田清一、井上荒野、楊逸、三浦しをん、町田康、平松洋子、高橋秀実、津村記久子、佐藤優、劇団ひとり、穂村弘
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(2014/10/27読了)
マナーと常識とはどう違うのかな?
最近、常識には人それぞれ、生まれ育った場所や年代でかなり違う事を、実感しているので、ここち書かれているマナーがどう通用するのか疑問に感じた。
ただ、エッセイとして読むならば、いろんなジャンルの方が書かれているので面白いと思う。
私は津村さん、三浦さん、井上さんが居たので興味を惹かれたのだけど、絶対に手にしないような方もいたし。
見開きの左右2ページでひとつのエッセイ。劇団ひとりさんは芸人の性か、最後にオチが、それも微妙なオチがあったのが鼻についた。
(内容)
戸惑いの数だけ大人になれる。大人のモヤモヤをまるっと解決?!
(目次)
座を温めるマナー/美を匂わすマナー/お口を滑らせないマナー/愛が生まれるマナー/逃げて勝つマナー/ベタを粋にするマナー/ステキなお客さまのマナー/丸くおさめるマナー/食は一大事マナー/日本が宿るマナー/乗り乗りマナー/のどかに生きるマナー/「旬」をつかむマナー/生み出す人のマナー/こころを澱ませないマナー/世渡りのマナー/悟るマナー/マナーの難問
赤瀬川原平・井上荒野・劇団ひとり・佐藤優・髙橋秀実・津村記久子・平松洋子・穂村弘・町田康・三浦しをん・楊逸・鷲田清一
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マナーというとお作法やお行儀だが、ここでは各人各様の生活の流儀みたいな意味あい。
面白いエッセイは、鷲田、三浦、津村、楊、ひとり
津村「信用は取り繕うことからではなく、現状を認め努力致しましょうというところからはじまる」
いまいちなのは、赤瀬川、穂村、井上、平松
高橋は意外に道徳的で物知りであることに驚く
町田はぶっきらぼうだが、スッキリしている
生活の一端を曝け出し、日常の行為の裏側を分析するという思考の訓練をやっている人としない人での差がある。
新聞連載なのでやっつけ仕事で書いた人もいるだろうが、こういう合作での出版は各自の能力差が如実に出る。この人の本を他にも読みたいと思う、すてきな書き手に出会うにはうってつけ。
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12人の作家さんによる、独自の視点から見たマナー論のエッセイである。
マナー論というと、堅苦しいものを想像してしまうが、軽い文体だった。読売新聞のコラムだそうで。
独自のマナー論であるので、ふむふむという内容や、これはぶっ飛んでいるなと、意表を突かれる内容、面白いなという内容など、バラエティーに富んでいて、最後まで飽きさせない内容だった。
劇団ひとりさんのキャンピングカーのマナーは、共感できるところありと、楽しかったのである。
津村記久子さんの環境音のマナーは、実際にこのような音の中で作業したいなと趣あるものだと感じた。
町田康さんはちょっとぶっ飛んだ内容もあるが、それそれで面白い。
高橋秀実さんは、教養の深さがにじみ出ているなと感じた。
井上荒野さんの荒野がペンネームだと思っていたが、本名だということがわかって納得。
三浦しをんさんの意外な一面が見れたり、佐藤優さんの外交官時代を交えたマナー論もよかったのである。
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マナーマナーとうるさいのも何だし、マナーが全くなってないのも何だし。けっこうその場その場で異なっていたりと微妙で難しい物ですよね。
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『マナー』ってのはさ、『気遣い』のことだと私は思うんだ。
だから、マナーのありようはひとの数だけ違ったりするよね。
(まぁ文化やらなんやらでの公約数的なものはあろうけれども。)
この本は12人の方が『マナー』に関する考えを書いてらして、
当然ながらそれぞれ違ってんのが、本全体として面白かった。
■ ■ ■ ■ ■
三浦しをんさんや津村記久子さんは元々が好きな作家さんなんで、小説じゃないこういった文章もすっと入ってくる。
三浦しをんさんの小学生とのやりとりとか、つい笑ってしまったよ。
穂村弘さん、句は斬新なのに!なショボい感じで油断させといて
「あれ?と拾ってみたら鋭いモノでした!」みたいな感覚がクセになんの。大好物。
意外とってったら失礼だけど、
劇団ひとりさんはゴシップ的じゃないTVの裏が
楊逸さんは日中の対比が興味深く読めたり。
町田氏の浮いてる感はパンクス魂死せずってことなのかな?
■ ■ ■ ■ ■
新聞のコラムをまとめたらしいんで、ひとつひとつが短くって読みやすい。
文庫化されたら通勤中に読むのに良いんじゃないかな。
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読売新聞夕刊の「たしなみ」欄に掲載されたものだろうだ。12人の人が代わりばんこに書いたみたい。ほむほむは読んだことあるのばっかなような。他の本にもう入ってたのかな。三浦しをんもやっぱ面白かった。三浦しをんのエッセイ、また読もう。他の人もまぁ面白かったけど、こういうのって暇つぶしにしかならないよね。
2019.1.3
再読だったかー。全然気づかなかった。いくつか読んだことあるな、とは思ったけど。ビジョンのお供に読むのにちょうどよい。
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色々なテーマで12人の作家が2ページでマナーを書くエッセイ本。たった2ページなのでどこから読んでもいいし、読み途中で「ああ」と途切れさせることもない、作家さんがいろいろいるから感じ方も文体も違って飽きが来ない。
いい意味で暇つぶしにちょうど良い本。
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いろんな人がいろんなこと言ってるけど、
テーマがしっかりしてるから、発言の様々はあっても、
本としてのブレはないのが面白い。
個別には、町田康氏がいちいちニヤっとさせてくれた。
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「そうそう!(^^)」と共感したり、「ほぉ~そんなマナーが!?(゜゜;)」とびっくりしたりページを捲る度に新しいマナーが登場!気軽に読めて楽しいんだけれど、マナーのあまりの多さに読み終わる頃には少し疲れた(^^;)そして途中から好きな作家さんが書いたものが出てくると、気合を入れて読み、他は流し読みしてしまう自分に気づく(--;)
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あー、面白かった。しをんさんの話は特に面白いけど、「しをんさんいつマナーの話になるの?」とドキドキさせられました。いつもかかろうじてマナーに着地するんですよね。ニクイわ。
町田康さんの話はなんか微妙に「ルール違反」な感じで、騙されてうれしくない読後感です。
穂村兄さんは弱弱しく微笑むたたずまい。かっこいいのは荒野の姉さん。「どんな言葉もそのときそれが存在する理由を携えて唇から世界へ出て行くべきなのだ」って。
もっとも深い味わいだったのは鷲田清一さんの「アホのマナー」。
マナーというテーマで編まれたエッセイのアンソロジー。大人が楽しめる読物です。
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町田康、穂村弘、三浦しをん、平松洋子、などなどの面々が
、マナーについてのエッセイを書いてる。
面白くないわけがない。特に上記の4人はその小市民ぶりが、存分に発揮されてる観点からのエッセイでおもしろかった~。
普段、読まない赤瀬川原平、楊逸、井上荒野も面白かった。