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日本の電子産業が成功した理由(アメリカの戦後政策)と転落した理由(ガラパゴスに特化した産業構造、捨てられない成功体験、非効率な製造業の垂直的管理、など)細かく書かれている。
日本がなぜファブレス、ファウンドリーの流れに遅れたのか。ファウンドリーに特化していれば日本のプライドのものづくりの文化が活かされたのではないか。日本の大企業の経営者の言動の矛盾がうまく書かれている。
イノベーションと基礎研究を混同してしまい、経済発展に関係のない基礎研究に投資してしまったことも書いてある。
ガラパゴスであるテレビ産業に大きな投資をして失敗した大企業たち。ガラケー(ガラパゴス携帯の略だったと初めて知った。)に頼って世界の競争から取り残されてしまったことも解説している。
日本の大企業の減価償却についての意識の低さがファブレス化を妨げていたことも興味深い。日本の企業の資本は銀行からもらっているため、担保として大きな固定資産を所持しておく必要があるなど。