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基本的に小説は単行本化してから購入するようにしているので、新作が発表されてからしばらくは我慢の日々です。
というわけで、単行本化したので早速購入。
吉川逸夫はひとりで平凡な毎日を憂いていた。
文化祭の準備をきっかけに、同級生の木内敦子との距離を縮めることになる。
そんなある日、敦子は逸夫に言う。
「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」
彼女のきまぐれみたいな頼みの裏には、隠された真意があった。
同じ頃、祖母 いくの秘密を逸夫は立ち聞きしてしまう。
それぞれのついた『嘘』が交錯するとき、村を沈めたダムの上で過去と未来が今収縮する。
なんだか教科書に載っていそうな小説だな、という感想を持ちました。
中学生の主人公が、クラスメイトの女の子や両親、祖母との日常を通して、目の前に現れた壁に自分なりの答えを出すまでの過程が仔細に書かれています。
――ぜんぶ忘れて、今日が一日目って気持ちでやり直すの。
『水の柩』というタイトルが非常に秀逸です。
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うーん。
よかったのか、そうでないのか…
敦子のことは予想の範囲内であるけど、逸夫の成長は期待以上だったし、かと言って締め方は唐突感があるし、全体的にどっちつかずの印象でした。
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情熱大陸で作者が特集された時のこと。
ちょうど、この本の原稿を書いているシーンが映ったのです。
興味そそられ、発売されるや否や購入しました。
ダムに沈みく村に住む少年をめぐる話…だったと記憶していますが
またもや道尾さん、すまん!
なんか私には深すぎた!
個人的には、道尾さんはミステリー作品でこそ真の力が発揮てきるのかな?と思ったり。
本作や直木賞受賞作「月の蟹」などなど
ミステリーからはずれると、ちょっと違う気がしたり。
あくまで個人的意見なのでアレですけど。
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ラストでびっくりして読み返したら確かに書き方としてはフェアだった。叙述ミステリとしてはまあまあの出来。
しかし内容はどんどんウェットになっていくね。
あんまり暗いのって好きじゃないんだよなあ。
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難しい。
簑虫とタイムカプセルとダムと。
繋がりがよくわからない。
カラフルな簑虫と、金色の天泣と、色彩のキレイなお話だった。
救われたのか、救われなかったのか。
心にモヤモヤしたものが残る。
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うーん、上手い、まんまと作者にだまされてしまった。
(ネタばれにならないように注意して)
人はだれしも心の中に、人には見せられない暗闇を持つのだろう。ある者は遠く過去の記憶を心深く閉じ込めて、またある者は現実の苦痛から逃れるために死を選択する。
外観がどれだけ華やかで、幸福そうに見えていても、心の中の葛藤、真の姿を決して理解することはできない。
読み進めるうち、話の辛さに本を閉じ先に進まない時もあった。しかし、作者は最後に前に進む道を残していた。あれ?と気づいて最初の章に戻ると、あるべきものがそこには描かれていなかった。
なるほど!騙されてたと初めて気づきました。
映画監督 川瀬直美の解説も面白い。「映画ではこのストーリは描写できない」なるほど、さもありなん。
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最後のどんでん返しが期待しすぎた。。。
誰も死なない、生き抜くための前向きな姿勢に気持ちが暖かくなった。
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ダムに沈める其々の想い。
平凡な登場人物達と普通に対して退屈を感じる主人公の葛藤。
物語を通じて逸夫は成長できたのだろうか?
何かに対し気持ちが頑張りすぎている人達に読んで欲しい一冊!
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相変わらず吸い込まれる道尾ワールド
主人公の祖母、同級生の女子の過去と現在の葛藤を。。
タイトルの意味は収束だけでなく、色々な想いが詰まっています。
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2014年夏購入。2015.01.31読了。
理不尽なことやりきれないことをどう飲み下すか。主人公たちにとっては救いだったけど、ある意味逃避でもあるのかな。でもそうしないと生きていけないっていうの、誰でもあるんじゃないでしょうか。
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老舗旅館の跡取り息子である逸夫。
その同級生の敦子の秘密。
逸夫の祖母の秘密。
道尾さんのミステリーはかなり好きなのですが、この本は感受移入できないまま…
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『ーーつまらない。
何がつまらないのかといえば、自分自身だった。』
『新しいクラスメイトたちが自分を攻撃しはじめたのも、そんな理由だったのかもしれない。好きとか嫌いとかではなく、違う、という、曖昧だが本能的な感覚が、退屈さと相俟って彼女たちのあいだに広がっていったのかもしれない。』
『ーー初めて、真っ暗だってわかったんだ。
ーー懐中電灯の光が、一箇所を照らすだろ。そうなってみて初めて、あたりが真っ暗で何も見えないってことに気づいた。ぜんぶ真っ暗なうちは、暗さに気づかなかったんだな。』
『しかし敦子には、戻るべき場所などどこにもなかった。
だから、死ぬことを決めた。
真っ暗から抜け出せないのなら。光が灯ることで、余計に世界が真っ暗になるのなら。』
「三で割って三を掛けたのに、もとに戻らない」
「あそうか、ほんとだ」
「機械がやる計算なんて、信用できないんだよ。」
「まず思い込むことが大事なんだよ、何をするにしても。世の中のほとんどのことには、どうせ正解なんてないんだから。面白いとか正しいとか、何でも思い込んだもん勝ちだよ」
『死に場所はあのダムにしようと、決めている。
湖の水が、とても綺麗だったからだ。』
「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」
『ーー欲しいときは、欲しいって言うんだよ。
ーー自分がいくら欲しがっててもね、誰にもそれを教えなかったら、絶対もらえないんだよ。』
「じゃあどうすればいいの? ー 生きてくことができないのに、死ぬのも駄目ならどうすればいいの?」
『もちろん確信などなかった。自分のやろうとしていることが、どんなに馬鹿馬鹿しくても、どんなに子供じみていても構わない。やらないよりは、ずっといい。そんな気持ちがあっただけだ。』
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んー、なんか私には難しかった。
最後の爽快感を期待して読みすぎたのかも。
設定はすごく面白くて前半はわくわくしてた。
ダムに人形を落としたことで、
おばあちゃんや敦子は結局救われたのか救われてないのか、、、
一気に読めば良かったのに、ちょこちょこ読んでたから、余計に ? が残ってしまったのかも。
でも、この作者さんの他の作品も読んでみたい。
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平凡な毎日を憂う逸夫(いつお)は文化祭をきっかけに同級生の敦子(あつこ)と言葉を交わすようになる。タイムカプセルの手紙を取り替えたいという彼女の頼みには秘めた真意があった。同じ頃、逸夫は祖母が五十年前にダムの底に沈めた「罪」の真実を知ってしまう。それぞれの「嘘」が、祖母と敦子の過去と未来を繋いでいく。
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「まず思い込むことが大事なんだよ、何をするにしても。世の中のほとんどのことには、どうせ正解なんてないんだから。面白いとか正しいとか、何でも思い込んだもん勝ちだよ」