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湊かなえさんの作品の中では、読後感がすっきりと爽やかな印象が残る連作短編集。
いろいろな山に登りながら、女性たちが自分の人生のこと、将来のこと、恋愛のことなどをじっくり考えていく。そして見失っていた自分を取り戻す。
山に登るということは、ふだんの生活におけるざらざらした余分なものをそぎ落として、素のままの自分として自然、あるいはもっと大きなものと対峙するということなのかもしれない。
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さらっと読めた。
サスペンスとかホラーとかの要素は全くなしでした。
こういう湊さんの本を読むのは初めて。
サスペンスものじゃないれど、オムニバススタイルというか、登場人物がリンクし合っている、湊さんがよくやるスタイルでした。
私は、お散歩程度の山歩きしかしたことがないけれど、この本に出てくる女性はみんな本格的に山登りをします。
登りながら今自分が抱えている悩みなどをつらつらと思いだすのですが、その悩みがよくある悩みで、でもだからこそ面白かった。
結婚すべきかどうかと悩んだり、自分がどうあるべきか悩んだり、過去の恋愛を悔んだり、はたまた夫に離婚を突きつけられて悩んだり・・・
確かに山登りって自問自答をするにはとてもいいかも。
面白かった。
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山ガールたちの短編7集。
悩んだり、迷ったりしたら山に登ればいいのかな。達成感が自分に自信をくれるのだろうか。
僕は子供のころ家族でいろいろな山に登ったけど、大きくなってからは学生時代の富士山くらいか・・・。
読んでいる間、当時の景色がフラッシュバックしてきて懐かしい気持ちにもなった。
webサイト「山女日記」で何となく繋がっているのが今風でよかったな。
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短編集なのだが、連結していて、「山女日記」というwebサイトで皆が繋がっている。山ガール達の色々な悩みなど抱えながらも山に登る。山に登るのと人生は似ているものがある。様々な困難を乗り越えて、達成感があるのだ。山の上から見る壮大な景色は、登った人にしかわからない。今迄の作者の作品とは全く違う爽快感がある٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
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今まで読んだ彼女の作風とはちょっと違うけど、
短編が少しづつ繋がり、登場人物が違う角度から肉付けされていく。
山登りしながら、自分や周りの人の事を考える主人公たち。
自分の見た素晴らしい世界を、知り合いに共有してもらいたいという思い。
著者の山登りへの想いが、気持ち良く語られる秀作です。
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ほとんど同時に同じようなテーマの本が出版されることは(偶然ではあるのだろうけど)たまに見かける。
この「山女日記」と「八月の六日間」(北村薫)もそののパターンで、読んでみれば「山」「女性」、山ブーム(山ガール?)という要素が似ている気がする。先に読んだのはこちらの山女日記。山の名前を章の題にそれぞれの主人公がどこかでつながっている連作短編の形。最初の主人公はデパート販売員で結婚に迷っているさなか山デビューする話。そういえばこの本の中の女性はどこかしら結婚や転職、離婚などこれからどう進むべきか抱えている主人公ばかり。うむ、年代的には共感できるかも。。。書かれている山の風景(登山)はとても気持ちよさそうで、自分でも始めたくなる気分。
・「どこがゴールなんてわからない、何がゴールかなんてわからない。」
・トンガリロのトレッキング行ってみたいです
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登山ブームが訪れてから久しい。「レジャー白書2013年」によると、年1回以上登山を楽しんだという登山参加人口は2012年が860万人と、前年と比べて50万人増えているらしい。一時のブームは去ったものの、今でも地道に登山客は増えているようだ。
登山者の内訳を見てみると、登山人口のうち40%以上が60才以上の方で、30才代から50才代の方は全体の10%にも満たない。定年退職後の健康志向の高まりが原因とも言えるし、毎年30万人が訪れるという富士登山の影響もあるのかもしれない。
私もむすこが小学校高学年から中学を卒業するまでは割と山に登っていて、多い時には毎月1回以上はどこかの山に登っていた。最近は仕事が忙しくなり、またむすこも学業が忙しくなったこともあり山から遠ざかっているが、二人で好んで登った八ヶ岳の山並みは今でも素敵な記憶として残っている。
遠くから見るととても人の足ではたどり着けそうもない山の頂に登るというのは、自己達成感がとても高くて精神的にもとても良い。山頂から遥か遠くを見渡しながら食べる食事は格別だし、変わりやすい山の天候を読みながらコースタイムを確認していくという手順も知的ゲームのようで楽しい。
もちろん、山の危険性を十分に学び認識するとともに、セルフレスキューを習得して登山を楽しむというのは基本中の基本。そういったことが出来て初めて「趣味は登山です」といえるような気がする。
湊かなえさんの物語には女性が主人公として登場することが多いが、「山女日記」でも様々なタイプの女性が登場する。登場する女性はそれぞれが登山に関連した思い出を持っており、そのうえで現在も山に登ることで何かを変えていこうとしている姿が描かれている。
物語はひとつひとつの章が独立した短編となっているが、それぞれの話がどこかで共通するという連作短編の形をとっている。ひとつの短編で登場した人物が他の短編で脇役として登場したり、また別な短編では重要なキーを持つ人物として描かれていたりする。時には前のページをめくりなおして、どのような人物だったかを確かめてみるような場面もでてくる。
だからこそ、読み終わった時には物語の主人公達のことはもとより、「山」という存在や「登山」の魅力というものを改めて感じたような気分になってしまった。
女性の心の機微を描くことが上手な作家さんは、山や登山という行動自体にも意味を持たせてくれる力もあるのではないか。そんなことを感じさせてくれる一冊だった。
登山が好きな人もそうでも無い人も楽しめる一冊だが、自分が登った山が登場すればそれはそれでさらに興味深く読めるのかもしれない。
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7つの短編
帯にあるように女性心理を書いたのだろうが、登場人物らが結構な辛辣な言葉を使うので、読んでいていい気持ちがしなかった。
1つのストーリーも短く消化不良のまま。
こんなものかぁ、と思っていたけど、なんと、読み進めるうちに、話がつながっていって、いつの間にか暖かいストーリーになったいた
2014.8.24
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私の選択は、間違っていたのですか。悩める7人の胸に去来するのは-。誰にも言えない苦い思いを抱いて、女たちは、一歩一歩、頂を目指す。新しい景色が小さな答えをくれる連作長編。『GINGER L.』連載を単行本化。
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初読。図書館。「Story Seller」の中の「約束」を読んだときには、湊さんらしい黒さがなくて物足りない、と書いたばかり。なのに、この連作短編集は黒さがなくてひたすら爽やかで、新境地開拓か、って驚いた。それぞれの短編で登場人物が少しずつ重なりあって、それぞれの女性がそれぞれの荷物を背負って山に登る。思わず登場人物マトリックスを作ってしまった。絶対海派の私は登山してみたいとは思わないが、山のほうが物語として成立しやすいんだろうなあと、ちょっと悔しい。今後の湊さんがどんな作品を書くのか楽しみ。
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山ガールが流行り、登山マナーを知らない人も多い中、さらっとマナーを小説で伝えてるとこは素晴らしい!
短編だけどそれぞれの登場人物がリンクしてて、人物相関図が自然と頭の中に出来上がり、楽しく読み進められました(^-^)
トンガリロ、いつかトレッキングに行くぞ!
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登山する女性達が主人公のお話。
短編、連作長編?
結婚に悩んだり、離婚問題、バブル世代だったり。
色々な悩みを抱えた人達が登山する話。
派手さはないけど、サラリと読み終え、読みやすかった。
山に登った後、少しだけ変化した彼女たちの姿が爽やかで好印象。
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自分で自分でってなんでも一人でやろうとするくせに、人からは頼られたいって思ってるんだから。そのうえちょっとでも自分が頼らなくちゃいけない状況になったら、もうダメ人間になってしまったように思いこんじゃって。立派な人っていうのはね、自分がダメな時には、お願いします、ってちゃんと頭を下げられる人のことなんじゃないの?ダメ人間って思われたくないからって、自分から離れていこうとするなんて、間違っている。
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ハイキングに近い初心者向きの登山レベルの私でも、共感できる部分がたくさんありました。山登りのエピソードは、みんなそれぞれ違った物語があると思います。
それにしても、ブラックじゃない湊かなえ作品にオドロキ!
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「私の人生はこんなはずではなかったのに…」そんなモヤモヤを抱えた女性たちが登山を通じて希望を見出していくお話です。短いお話で、読みやすく、少しずつ話がつながっているので、おもしろいです。