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女性医師を主人公にした心理サスペンス。
原書の刊行は1951年。比較的古いミステリらしく、文庫本になった時の厚みはさほどではない。その分、展開がスピーディで、読んでいて飽きない。
古いミステリだと何処か雰囲気がのんびりしていて、登場人物の言動も優雅だったりするのだが、今作に関してはそうでもなく、現代にも通じる悪意が容赦なく描かれているのが印象的だった。
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本屋さんでパラパラと立ち読みしたら、止まらなくなってつい衝動買い。読んでるときは、ページをめくる手が止まらずストーリーを追って、読み終わってからうまいなと思ったのは、途中途中で出てくる謎をきちんと考えたら合理的な答えが犯人を指し示すのに、考える暇なくさりげなくうやむやにされるんですよ。あとがきで、ロマンス小説家に献辞とあったが、ロマンス小説の要素って、イースターのことかな(笑)
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マーガレット・ミラーの代表作の一つ『鉄の門』が新訳刊行されたので、積読だったこの本を読んでみました。
ミラーの作品の品切れ状態が続いていた中で、2014年に本邦初訳された作品なのですが、正直、この作品はイマイチでした。
主人公を始め、共感できる人物がほとんどいないことにも原因がありそうですが、とはいえ、物語の最終盤はさすがといった感じで、それまで★2つだった感想に星が1つ増えたのでした。
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妻のいるルイスと恋をする医師のシャーロット。彼女の元を訪れた夫以外の男性の子供を妊娠したヴァイオレット。中絶を望むヴァイオレット。自宅から二人の男に連れ去られたヴァイオレットの遺体発見。事件に巻き込まれたシャーロット。イースター刑事の捜査。何者かに射殺されたヴァイオレットの叔父ヴォスと夫オゴーマン。ヴァイオレットのお腹の中の子供の父親は?
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医師シャーロットの診察室に夫ではない相手の子供を宿した若い女がやってきた。
彼女の頼みを断ったシャーロットは、やがて思いも掛けない事態に巻き込まれていく。
半世紀以上前に書かれた作品ではあるけれど、スピーディーでサスペンスフルな展開はいまでも十分通じる。
ページは多くないんだけど、軽い感じはしない。
なんとも巧いミステリ。
でも刑事はシャーロットを反対の意味で追いかけていた方が個人的には好みだわ。
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解説を読むと原題「Do evil in return」はまさにぴったりのタイトルなのが分かります。さて、報いを受けるのは誰なのか。
この作家さんの作品としてはあまり評価は高くないのではないかと思われます。犯人も結末も意外性はなく、もう一捻り期待していたのでちょっと残念。ただ心にやすりをかけられるようなヒリヒリした痛みがずっと続く感じや、言葉で人を傷つけるとしたらこれ以上のものはないだろうと思わせるような表現と状況設定はさすがです。ミステリの世界ではいくらでも同じようなことは起きているのに、この作品は読んでいて息がつまるようで、早くこの状況から脱したいと焦って読み進めてしまいました。なので結構読み落としがあるかもしれず、もう一度読み返したいのですが日常がある程度順調でないときつそうです。
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「所謂ロマンチック・サスペンスの構造を採用」(解説)しておきながら「泣かないわ――けっして泣いたりしない」とシャーロットに言わせる〆方が大変良かった。ミラーだからハッピーエンドになんかならんだろう、ロマンチックなんて言葉には騙されんぞと思いながら読んだけれど、やはりさすがの、誰もが痛みを背負うことになる、ひりひりとした擦り傷を後生大事に抱えこみながら生きていかざるを得ない嫌な感じのサスペンス(褒め言葉)でした。
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★2に近い★3という感じ。凄くつまらないというわけではないのでこの評価。
主人公シャーロットは自分を素敵だと思っていて、周りからも評価が高い女性……なんか気に食わない書かれ方だなあと反感を抱いた。そして彼女が不倫をしているという事実が明らかになったときは、まったく共感できんわ、とあきれた。ルイスに「(君は)感受性が強い」と言われていたが、いやいやいや……とツッコミたくなった。
p.49“グウェンといっしょにいると退屈し”という書き方はフェアじゃないと思う。どちらかというと病気にハラハラしないだろうか。後から読むと辻褄の合わない文章が出てくるのはご愛敬か。
「伏線も推理の過程もほとんどなしで、いきなり犯人の名前を書いたら意外性あってビビるでしょ?」的な自称ミステリーはよく見かけるしガッカリするのだが、これもその類で、ミステリーとは呼びたくない。どちらかというとロマンス小説だろう。(そう考えると、アガサ・クリスティーって偉大だなあ、と感じ入る。)
だが、ロマンス小説にしてはラスト「シャーロットは自業自得!因果応報!」という声が聞こえてくるようで、一応イースターという救いはあるものの、題名(というか原題)の意味とは……と考えると、実はこの作者、シャーロットに感情移入して書いていたわけじゃないんだな、とハッとする。解説によると、「ミラーにしては珍しく能動的で健康的な女性をヒロインにした」とあるから、普段の彼女の作品はこんな感じではないのかもしれない……この作品だけで判断するのは早急だろう、と思い直した。
心理描写や比喩表現も最初は「私ウマいこと書くでしょ?」という顔が透けて見えるようでちょっと……と思ったが、読み終わる頃には受け入れられるようになった。
イースターがなぜシャーロットに惹かれるようになったかは謎だが、彼の行動が結構気になっている自分がいた。というかそれが一番の見どころだったかもしれない。ルイスはさすがにないだろうし、イースターに落ち着くだろう、という予想は一応当たって安心した。
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マーガレット・ミラーの3作目。
中核となる犯罪がなんだったかは忘れちゃいましたが、
真犯人の厭らしさだけは、ばっちり記憶に残ります。
しかし、みな簡単に不倫に走るよなーーって。
その後の厄介を予見できないのだろうか?
ヒロインの女医シャーロットが可哀想でした。まぁ、身から出た錆ですが。
でもやっぱ、グウェンドリンが一番悲惨なのかな?
だーれも救われない、ニコ的には大満足のお話です。
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人の弱味を利用し殺害事件を起こす。他人を巻き込み自分を犠牲者として罪から逃れようとする。最後まで誰が真犯人なのか判らない。