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もっと締まった緊迫感のある内容にできたと思う。
だらだらと会話が続いて読んでいて辛かった。
数十ページずつ飛ばして最後まで読んでもまったく支障がなかった。
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生き物は
どうしたって他者の命を奪って食わねば
生きてはいけぬものだけど、
同じ種同士の
食い合い(共食い)にはさすがに
(わっ…!)
と、目を覆いたくなってしまう。
同じ種族だからこそ生まれる
絆、愛情、信頼、尊厳…
なんてもんは命の前では取るに足りないものなのか。
そうなんだろうな。
ところで後妻業なんて職業(?)本当にあるのかな。
資産を持ってる老人を狙って後妻に入る。
で、その老人が死んだら遺産を相続する、なんてお仕事。
人を食いモンにして生きる様は、まさに共食いの様だった。
死んだ耕造の妻の座に収まっていた小夜子は
いわゆる後妻業のプロ。
耕造の世話や家事なぞ何一つしない事に
罪悪感など感じる様子も無く、
ただひたすらに
(はよ死ね。はよ死ね。)
と、金が手に入る事にしか興味の無い女。
人を食いモンにする彼女の姿は
目を覆いたくなる、というより
腹たって腹たってもうーしょうがないほどの毒婦として著者が描いてくれたから
耕造の死後、
正体を現した小夜子に2人の娘が突きつけた挑戦状には
(よ~しっ!!)と、思わず熱くなってしまったが、
その後、娘2人はほぼ登場せず。
法律を巧に利用し、
騙された方は泣き寝入りするしかなかった抜け目の無い悪事の牙城を崩壊できたのは、
やはりそれなりの人物。
私利私欲の為に悪に立ち向かって行くヒーロー、
なんて
キレイごとじゃあ片がつかない感じが、リアルで面白かった。
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帯文:”小説は『事件』を予言していた!?” ”〈色で老人を喰う〉恐ろしき稼業、戦慄の犯罪小説” ”新直木賞作家が描く、身近に忍び寄る新たな「悪」。”
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実際に起きた事件を連想させる物語だが、あれより前に出版されているとか。タイトル通り老人をたぶらかし遺産を奪う物語で、小夜子はどうしてもあの容疑者の顔を思い浮かべてしまう。黒幕である結婚相談所所長の柏木はヤクザの息子だけあってなんとも迫力がある。かなりリアリティがあるので冒頭からぐいぐいと読ませる。中盤から登場する元暴対の本多も強引な手法で、読んでいて手に汗を握る。終盤になっていきなりハードボイルドな展開になるが、しかしあっさりと終わったようにも感じる。もう少し最後に展開がほしかった。
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次々と変死する資産家老人。それらはいずれも事件性がないと判断される。
しかし、その資産家老人たちを繋ぐ一本の糸。それは....
という、最近現実の事件として報道されるような事件を題材にした小説。疫病神シリーズのコンビこそでてこないが、悪いやつ、やくざ、悪徳警官、そして女。黒川博行のテンポの良い筆の走りに、あっというまに読了。
出張のお供とかに最適。
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読んでいる間中、少し前に逮捕された後妻業のおばさんの顔が頭に浮かんで離れなかった。まさにこんな感じでやってたんだろうな〜と。
本は分厚い割に会話のやり取りや改行が多くて読みやすかった。
でも、これが現実に起こっていると思うとゾッとする。
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小夜子のキャラが強烈で、いわゆる“えげつないオバはん”です。到底、私たちが張り合える相手ではありませんが、本作では、張り合っていけるキャラを繰り出し、ピカレスクな世界を盛り上げます。大阪弁がたまりません。小説では、したたかな小夜子もはめられたり、それなりの結末がありますが、リアル社会の出来事では、もっと怖い事が起こっていそうです。
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辞書で「後妻(ごさい)」を引いてみる。(離婚したり先の妻が死んだりしたあとでめとった妻)とあります。同じく「業(ぎょう)」を引いてみる。(仕事。業務。職業。)とあります。しかし、「後妻業(ごさいぎょう)」という項目は収録されていません。しかし、もしかすると数年後には「後妻業(ごさいぎょう)」という言葉が辞書に収録されるかもしれません。犯罪用語のひとつとして。
物語は91歳の老人男性が脳梗塞で倒れたところから始まります。男性は数年前に妻に先立たれ、その寂しさからとある結婚相談所へ会員登録し、そこで知り合った69歳の女性と籍は入れないものの内縁の妻として付き合っていました。しばらくして、意識が完全には戻らないまま男性は病院で亡くなります。男性には娘がふたりいました。姉妹は父に紹介されていたその女性が父の死後、あるいは付き合いを始めていた頃から、父の財産を目当てとして付き合いをしていたのではないかと怪しみます。妹は弁護士である友人に、財産分与でもめていることを相談します。弁護士は調査会社に依頼し、女性の身辺調査を始めます。そして、69歳の女性にはいくつもの結婚歴があることが徐々に分かり、その黒幕は結婚相談所であることも分かってきます。 そこから物語は急速に展開していきます。
黒川博行さんの作品は始めて読みました。昨年、『破門』という作品で直木賞も受賞されています。数々のミステリー作品が映像化されているようです。僕は百田尚樹さんがこの『後妻業』を猛烈に良い作品だと推薦されていたので、手に取りました。また、ブックレビューのテレビ番組にゲストで出演されていた時に「オカメインコを飼っていて、自身の作品の中でもオカメインコが出てくる」というエピソードを語ってらっしゃいました。残念ながら、この作品にはオカメインコの登場はありませんでしたが(笑)鳥さん好きの僕としては、オカメインコが登場している作品も読んでみたいと思います。
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もっと後妻業について掘り下げるのかと思ったら、後半はどちらかというとハードボイルド小説で、さえこはどっかいっちゃったなー。
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悪い奴らの技比べのような展開に辟易しつつ、こんなの素人が敵うわけないやんと思いながら後半のテンポに乗せられ読了。終わり方はもう少しページが欲しかった気もするが トホホ感がいいな。
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これは京都の実際の話がもと?本で読むだけで十二分に怖いのに、実際に起こってるところがさらに怖い。最初姉妹がメインで話進むのかと思ったら途中からガラッと変わって刑事モノ(探偵か)になって、飽きずに読めた。お金はある方がいいけど、執着せず生きるのが幸せだな。ろくなことがない
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なんというか、ほんま、腹立つ話ですが実際に起こっているのだからますます怖い話です。黒川さんは破門からの2作目ですが、関西弁や啖呵の切り方がうまくて読んでいてスッキリしたり、逆に胸が悪くなったり。徐々に追い詰められていく小夜子と柏木にざまぁみろ、と何度思ったか。そして騙される老人達にも「気づけよ!」と…。これが現実なんでしょうか。最後、死んだ小夜子に「とても綺麗な人」とご近所さんが話すあたり、怖いわ…騙されるんやわ、知らないと、とゾクッとしたのでした。
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例の青酸事件の前に書かれていたというところが凄い。リアルもフィクションも変わらないというところか。読みやすく、引き込まれた。出てくるやつらは、悪人ばかり。
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金持ちの老人をたらしこんで財産を掠め取る、実際の事件の記憶も強く残る題材を、エンタテインメント・ノワールとして仕立ててある。このミス上位に入ったんだっけ。それも頷ける。
あと表紙の老人の顔がインパクトあるのか、1歳の甥っ子が恐る恐る、でも何度も気にして見てた。
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*テレビや雑誌の実録物が好きな人に
*関西弁が恋しい人に
後日そっくりの事件が実際に発覚して話題になった本。主人公はただただ遺産目当てに幾人も殺してきた非道な女なんだが、被害者の個性がほとんど描かれないのと(遺族は出てくるが、故人との湿っぽい思い出話はなし。まあーその歳で淋しいからって色ボケしちゃった父親との関係なんてこんなもんかもなぁという距離感がリアル。)、当人の声が聞こえてきそうな呆れるほど図太い関西弁のせいで、特に義憤めいたものを読者に抱かせず、犯罪小説としてからりと後味の悪くない仕上がりになっている。