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形式は青山氏の講演を文字起こししたものが基本。硫黄島は民間人の立ち入りが厳しく制限されており、故にその内部がどうなっているのか、さらに歴史教育の偏向性から硫黄島で何が起こったのか、について積極的な報道や情報公開が為されていないのが現状。それに切り込んでいった姿勢は高く評価されるべきだし、それにまつわるエピソードからきちんと核心に話を持っていくところも、普段から政治に関心の薄い層には有効な方法だと思う。ただどうも出演番組もこの本もそうだけど、基本的に話を脱線させる癖があるから、話の終着点が見えないまま延々話が続くことが多い。「時間もないので」とか「時間が足りなくなって」っていうことが多いのがなんとも。
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「硫黄島からの手紙」は有名だろうけども、硫黄島(いおうとう)は、大東亜戦争(第二次世界大戦)末期にアメリカ軍に占領され、戦後に日本に返還された島。
この島を護った日本兵は2万1千人で、そのうち、職業軍人は1千人あまりでそれ以外は一般人。戦争末期はそのような状態だったらしい。
アメリカは当初5日で島を奪う計画であったにもかかわらず、日本兵の奮闘により島は36日間護られた。
“いわば31日分、爆撃機の出撃が遅れて、お陰でそのぶん、本土で女性と子供が生き残り、そこから生まれ育ったのが現在のわたしたちです。”
自決や特攻することなく、一日でも島を護ることが、のちの日本をつくると信じて、過酷な状況の中で耐えに耐えぬいた日本兵。
にもかかわらず
日本は、彼らのことを忘れ去り、島には多くの御遺骨が本土に帰ることもままならず眠っている。
(そして硫黄島は日本国民であっても立ち入り禁止となっている)
僕達は僕達を命を懸けて存在たらしめたご先祖たちを足蹴にし、忘れ去り、それが正しい価値観であると、信じ込まされている。
今一度考え直さなければならない過去、歴史。
青山さんが、この硫黄島をめぐるクルーズ内で行った公演を完全集録された本書。
熱い想いとともに、一緒に考えようと、青山さんの言葉がヒシヒシと伝わってくる。
それにしても驚いた。
書籍で、クルーズを体験できる。これは多くの読者感想でもあったようだけども、本当だ。
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【内容(amazonより)】
今年(2014年)5月25日から30日までの日程で実施された「にっぽん丸 小笠原・硫黄島クルーズ」。そのクルーズで青山繁晴氏の講演「海から祖国が甦る」が3回にわたって行われた。第二次世界大戦末期、アメリカ軍との激戦の末に占領され、返還後は立ち入り禁止となっている硫黄島。この島には今も、1万1千人以上の兵士の方々のご遺骨が取り残されたままである。2006年、正式な許可を得て、硫黄島を訪れた経験を持つ青山氏は、この事実と問題解決を様々な場で訴えてきた。3回にわたる魂の講演をすべて採録し、さらに航海の模様と硫黄島の姿を32ページのカラー口絵写真で紹介する。
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【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
青山/繁晴
1952(昭和27)年、神戸市生まれ。慶大文学部を中退し早大政経学部に入り直して卒業後、共同通信社入社。事件記者、経済部、政治部いずれの時代もスクープ記者として名を馳せる。三菱総研の研究員に転じ、日本初の独立系シンクタンク「株式会社独立総合研究所」を創立し、代表取締役社長・兼・首席研究員に就任。近畿大学経済学部客員教授(国際関係論)。内閣府原子力委員会・原子力防護部会・専門委員、国家安全保障会議(日本版NSC)創設の有識者会議議員を経て、現在、文科省参与、海上保安庁の政策アドバイザー、経済産業省の総合資源エネルギー調査会・専門委員、総務省の消防審議会委員
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【目次】
生きるヒント
第1部 船が天から降ってきた
第2部 蒼天のデッキ
第3部 飛行機ではいけない島々へ
第4部 一緒に考え始めましょう 硫黄島クルーズ連続講演 第1回
第5部 再会
第6部 わがちいさき声よ、島に届け 硫黄島クルーズ・にっぽん丸船内放送
第7部 ニッポンの変化 硫黄島クルーズ連続講演 第2回
第8部 腕のなかで少女に戻る 硫黄島クルーズ連続講演 第3回
第9部 別れではなく
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硫黄島(いおうとう)における米軍と日本軍の激戦『後』の話です。 当時は職業軍人だけでは足りず普通の市民が兵隊として駆り出されました。本土への爆撃を一日でも遅らせ、妻や子供の命をまもるために私心を捨てて、素手で洞窟を掘り、洞窟の暑さに耐え、決死の戦いをしてくれました。しかし、死体、骨は置き去りにされたまま。未来の私たちは、彼らの想いに応えるために彼らを本土に連れ戻し慰霊する必要があると思います。この本は、その志に突き動かされた、ある男の話です。
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硫黄島(いおうとう)は戦時中、本土決戦に備え、砦として日本兵が米軍攻撃を36日間阻止しようとした島、
そして、戦後は民間人の一切の立ち入りを禁止し、小笠原諸島が国立指定公園になった後も、除外されている島であることを本書で初めて知った。
これを読むとやや右翼的な考えのような気もするが、著者の意図はそうではなく、事実として知ってほしい、というもの。
確かに日本の教育からして硫黄島はほとんど扱われず、また民間人の立ち入りも禁止されていることもあってか、ほとんど話題にすら上がらない。
しかし、そうして忘れ去られてはいけない。
職業軍人1000人を含む2万余の兵士が、僅か米軍の見積もりで5日で陥落すると見ていた島である36日間粘った。
それは祖国襲撃を少しでも遅らせるため、素手で穴を掘り、地上戦に持ち込んだから、
また島民を全員父島に移民させて、民間人を巻き込ませないようにしたから、という事実がある。
今もなお、自衛隊が発着陸する硫黄島の滑走路の下には、当時の日本兵の遺骨がある。
硫黄島の島環境は決して恵まれたものではない。
その島の名前の通り、硫黄の漂う火山のある島で、硫黄臭と掘った穴の中は70度にも達する島である。
青山氏はこの事実を忘れてはいけない、と繰り返す。
そして、祖国のために、本土にも帰る事ができずにいる多くの人がいる中で、戦後日本社会はどうなっていったのか、これからどうしていけばいいのか一人ひとりに問題提起しているのである。
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・1/17 読了.のりこさんに借りた.硫黄島への講演クルーズの模様を収録してる.ほんの少し前の戦争のことなのに、すごい人たちがいてその人たちのおかげで生かされてるなんて思ったこともなかった.戦地での覚悟って想像するのも難しい.
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日本人でありながら、日本を知らないことを痛感させられた。日本の今あるのが、過去の歴史であり、祖先の霊であることをもっともっと理解しなければならないと思う。
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2014年5月25日から30日までの日程で実施された『にっぽん丸 小笠原・硫黄島クルーズ』で青山繁晴氏の講演「海から祖国が甦る」が行われた。
感謝、そして頑張ってよかったと思ってもらえる
祖国にしていかなければ。
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硫黄島へ向かうクルーズ船での講演をまとめた本です。戦時中に初めて領土を失うこととなった日本の硫黄島の英霊との不思議な時を通じて、生きる理由を我々読者、現代に生きる日本人に問う一冊。
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青山さんの本は、毎回魂が熱くなる。クルーズ先輩で開催された講演会をまとめた内容だったが、実際に生で聴きたかった。青山さんのような方が、国会議員になっていただいて良かったと思う。
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新書版を読み、単行本を購入しました。また、新書を読んだ時と少し違う感想です。
硫黄島に限らず、大東亜戦争で戦われた英霊に対し心から感謝し、そして安らかに眠られる事を祈念します。まだ日本にご帰還の叶わぬ英霊も数多いという事を知り、心が痛みますが、皆さまのお陰で日本は繁栄を遂げることができました。本当にありがとうございます。
こうした事実こそ後世に伝えるべきと考えます。