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絵画には全く知識も興味もないが、カバー写真が「怖い」ので、手に取ってみた。
絵の解説なのだが、作者の生活環境、時代背景をもとに絵の「怖さ」を解説していて、分りやすく美術館に絵を見に行きたくなったほど。
文庫本だから仕方ないが、絵が小さくて解説している微妙な表現が読み取れない部分もあったこと。(ネットで絵を検索して大きなサイズにして確認しました)
内容(「BOOK」データベースより)
「特に伝えたかったのは、これまで恐怖と全く無縁と思われていた作品が、思いもよらない怖さを忍ばせているという驚きと知的興奮である」。絵の背景にある歴史を理解してこそ浮き彫りになる暗部。絵画の新しい楽しみ方を提案して大ヒットした「怖い絵」シリーズの原点が、満を持しての文庫化。ドガの『エトワール』、ラ・トゥールの『いかさま師』など全22作の魅力。
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2016.3.24
時代背景や画家の人生も絡めて作品の怖いところを教えてくれる一冊。
かなり主観的な解説だけど、だからこその臨場感ある文章になっていると思う。
グリューネヴァルトの『イーゼンハイムの祭壇画』のページは小説か映画のようだった。
目を背けたくなるような絵でも、解説を読むとまじまじと見たくなったり、逆に見ているだけならなにも怖い要素なんてないような絵でもじわじわ怖くなったりと、解説の力を感じた。
他の方もレビューされていますが、絵が見開きにかかっているものがあるため作品が見づらいところがあります。
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タイトルは「怖い」となっているが、それほど怖い話ばかりとは思わなかった。
絵画の解説と思えば非常に面白く、その時代背景や宗教・神話にまで話が行き、1テーマ1つの絵画がテーマながら様々な事を知れお得な気分。
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知識を得れば得る程、眼前に広がる世界が変わる
そんなことを実感させてくれる一冊でした。
絵画の描かれた背景を知ることで、より絵画鑑賞が楽しめそうです。
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普段、何げなく見ていた作品に込められた裏の意味に恐怖を感じる一冊。
画家が意図しようと意図しまいと自然に読み手に伝わる恐怖や、当時の文化や風習がわからないとピンとこないものまで多種多様。
自由に踊っているように見えて、実は階級やパトロンなど様々なものに縛られながら踊っている踊り子の少女を描いた「エトワール、または舞台の踊り子」。
死が日常化してもなお、死に対して恐れる感情を描いた「絞首台の上のかささぎ」。
何不自由ない幸福そうな裕福な家庭の子供たちにも死の影は暗雲と立ち込めている、ということが恐ろしい「グラハム家の子どもたち」。
絵画に対する視線が変わりそう。
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絵画の解説として主観的ながらも、楽しい読み物でした。
ただ、文庫だと肝心の絵がよく見えないよね、小ちゃくて。
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○軽く美術館な本。画家のこめた想いに怖くなる。
表紙の写真はラ・トゥール「いかさま師」である。
(ルーブル美術館の日本語ページのクオリティの良さには驚いた。)
意味ありげな横目の娼婦と、ワインの給仕女が見えるが、この左右に賭けトランプの相手方の2名の男がいる。その4人の関係が怖い。
表紙の絵もモチーフがあり、カラヴァッジョ「いかさま師」がそれである。・・・というところまで解説が行き届くのがこの本である。
絵には一つひとつ、画家が込めたストーリーがある。
幸せなものもあれば、喜びに満ちた絵もある。一方で、画家が込めた恐怖、畏怖、憂い、怒りなどがよく表現されている絵もあるのはなんとなく想像に難くない。
この本では、22の西洋画作品について、その怖さを歴史的背景から解説してくれる。
軽く「美術館」的な様相も呈するこの本は、美術館よりもしっかり解説してくれる(かもしれない)。
西洋史や西洋美術に興味のある人には、絵画という視点から歴史を学ぶことができるのだ、と感じる一冊。
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現代人で良かった、と思ってしまった。
女は若いうちはちやほやされ、老いさらばえれば躊躇なく笑いもの。果ては子供が産まれないと離縁され首を落とされる。ギロチンの上で逃げ回り泣き叫んでも。
ヨーロッパの各時代の当たり前が凝縮された絵。読み解くと怖さがわかるものもあり、一見して怖いものもあり。ルドンのキュクロプスなんか夢に出てきそうで、ページをめくって目に飛び込んできた瞬間「ヒッ」と声が出た。
ユーディトの絵はカラヴァッジョのものしか知らず、それが美しくて好きだったんですけど、アルテミジアのものを見たらもうこちらの方が心に残って素晴らしいとしか思えなかった。
最初の一枚が有名ないかさま師なのもいいですね。怖いなー。
ただ文庫サイズのために絵の細部が確認できず、色も少し読み取りづらく、文中に書かれている内容が確認できなかった(受胎告知の左隅のヨセフとか、絞首台の上のかささぎの人々とか)のが大変残念。古本で単行本を買うか、いつか本物を見てみたい。
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紹介されている絵の中には、殺人の瞬間のような血生臭いものは少しだけありましたが、特に絵そのものには怖さを感じなかったです。絵が描かれた時代背景や宗教観などバックグラウンドを理解したうえで観ないと本来の凄みは味わえないのかも。文庫なので絵が小さ過ぎて隅々鑑賞できないのがつらい。特に作品8ボッティチェリみたいの。有名なドガの踊り子の絵の解説は知識としてためになりました。
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最初文章に少ーし癖があって読みにくい気がしたけど、慣れると面白い。
いい感じに妄想してて、楽しい。
妄想を膨らませるのって、芸術作品の一番の楽しみ方だ。
ホラーとか昼ドラみたいなちょっとお下品な怖さを想像してたけど、時代や権力に翻弄される人々、それが自分にも起きない保証はないという怖さ、という感じでした。
踊り子の絵は見る目が変わったよ…。
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久々に知的好奇心を満たされました!って感じ。
小学校とかで、こんな風に絵画を教えてくれていたら間違いなく興味を持っていたと思う。
20枚の絵の中でも印象的だったのがベーコンの『ベラスケスによる習作』かな。
ずっと見てたら取りつかれて自分の中に入り込んできそうなくらい心をざわつかせる一作。今度上野でこの展覧会があるから是非行きたい。
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全然怖くない。
あと、無理やりいろいろ書いてる気がして読み飛ばしたくなる。
著者の個人的な意見が強くてあまり楽しくなかった。
そもそも絵をこれだけ文章でカバーするのはどうかな。
絵との新しい出会いにはいいのかも。
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著者の選ぶ“怖い絵”それぞれについてのエッセイを通じて、絵を観る楽しさや知的興奮を味わえます。
画家の生涯やその絵が描かれた時代の様子、神話や聖書など、その絵の闇を浮かび上がらせる視点がいちいち新鮮でした。
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目次:作品1 ラ・トゥール『いかさま師』、作品2 ドガ『エトワール、または舞台の踊り子』、作品3 ティントレット『受胎告知』、作品4 ダヴィッド『マリー・アントワネット最後の肖像』、作品5 ブロンツィーノ『愛の寓意』…他
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知識が絵画鑑賞を面白く、奥深くするんだなというのが体感できる。
クノップフの「見捨てられた街」には特別な感情がわいた。胸を締め付けられるような静けさと破滅に向かう痛ましさが際立っていて、前に発信する派手さではなく内にこもる主張というのがとても強く、そこに人の心を感じた。
理屈抜きで恐ろしい絵もいくつかあった。迫力に目が離せない絵もあった。人生と切り離すことができない分、画家自身の表れでもあり、描かずにいられないとでもいうような絵画が胸にグッとくるものがある。
自分の深いところをグラつかせるような絵画はいくつも存在する。そういうものに出会えることは幸せだ。
いくらインターネットが発達して、世界のあらゆるものが簡単に見られるようになっても、実際作品を目の前にすることの重要さはいつの時代でも変わらないと思う。この本を読んで知った気になっているけど、本当の意味で知るためには現物を見るしかない。