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源実朝が好きなので、「葉室先生、実朝の話書いてくれてるんだ!」と大喜びで飛びついたのだけれど、読み始めてみれば、なんということか、タイトル通り「実朝の首」だった。
さすがに登場人物たちに魅力があって、(実在したとはいえ)物語上の人物なのに、血の通いを感じられる。
けれど、それはそうだけれど、なんとなくやっつけ感があって、置いてきぼりを食ってしまった。
実朝が好きだからって、丁重丁寧に扱ってくれるものだと期待しすぎていたせいもあるのだけれど。
もっと長くなってもよかったのになぁ…
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鎌倉時代…各々家系の縦横軸を跨ぐ骨肉の争い、そして主導権を握る女傑陣。張り巡らされた点と点を線で結びたくなる面白過ぎる一作♪。
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うん、面白い。鎌倉時代の小説はあまり見つけられなくて。実朝の暗殺、首が取られたことをきっかけとした鎌倉の危機。政子の正しさ、北条の男たちの頼りなさ、本来負け組の朝盛たちの多分史実に出てこないことを爽やかに書いてある。
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2018.3.3 読了
鎌倉時代初期のドロドロした権力闘争を描いている。源氏後継の根絶やしを狙う北条一族と三浦一族の執念が凄まじい。その中で北条政子の行動は尼将軍と言われるにふさわしい政治力を見せている。
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鶴岡八幡宮での実朝暗殺の事件は歴史の変節の象徴としてよく語られる。歴史の授業でも扱われてきた。この小説はその事件を発端として始まる。
実朝の首はその後、公暁により持ち去られ、さらにそれをかつての実朝恩顧の者たちに奪われる。幕府執権側はこの事実を秘密裏に処理し、実朝の葬儀を恙なくおこなうことを目指す。それが鎌倉幕府の安定、北条執権体制の維持に不可欠と考えていたのである。
この小説では実朝が殺害された後、一時首が見つからなかったという史書の伝にがモチーフになっている。もちろんこれは創作であり、ストーリー展開には多くの創意がみえる。
小説の終末近くでそれまで遺骸の一部としてしか登場していなかった実朝が、実はストーリーを基盤で動かしていた人物であることが明かされる。このあたりの展開は巧みだと思う。
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葉室は、歴史小説好きに人気が高いと聞く。
北条ものには、そんなに食傷していないし、確かに面白くて最後まで読ませる。しかし、やや散らかった講談物の印象が否めないし、和田の役割、政子の役割造形も類型的で、他の先達の作品とあまり変わらない印象だ。実朝の首を象徴に京と鎌倉の関係を描いた、というところなのだが、スケールがあまり大きいとは感じられない。
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『蜩ノ記』で著者に興味を持つ。鎌倉時代にはあまり興味がなかった。実朝の数奇な運命も知らずに読んだ。公家から武家の時代になったと思っていた鎌倉時代に、新たな視点を与えられた思いだ。実朝が鶴岡八幡宮で暗殺され、その首が何者かに持ち去られた史実を基にした物語に惹き込まれた。人物相関はややこしいが、鎌倉時代も面白いではないか。
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殺害後、実朝の首は奪われ、どこかへ消えてしまう。実朝暗殺の首謀者は、誰なのか。誰が、何のために首を奪っていったのか。謎は多い。
鎌倉時代も人物たちが濃く、分かっていないことも多い。興味深い。
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あまりよく知らない鎌倉時代の話ということで最後の展開が分からず、一気に読み切った。
登場人物の描写が上手く、個性がよく伝わった。最後がちょっと端折った感じで、あれだけ浮世離れした後鳥羽上皇の最後があっけなく感じたのがちょっと残念。
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承久の乱で処刑された公卿はWikiだと一条信能、葉室光親、源有雅、葉室宗行、高倉範茂ら(作家葉室鱗はいかなる思いが交錯したか)
※答え→別に(´・ω・`)
ネタバレ的感想
上皇に唆され源頼茂は実朝暗殺に公暁を使い、首をはねる。
物語を巧みにリードするのが朝比奈三郎義秀という伝説の武人に与する和田朝盛とその仲間たち。公暁が持ち去り見つからぬ首をめぐり、和田合戦のリベンジ目論む一統が弔問使の怪しい伊賀局(上皇の愛人亀菊)交野八郎(上皇が使う元盗人)そして幕府北条義時の三つ巴で派手に展開。
承久の乱ですべての伏線が回収される会館を味わえる作品です。
読むべし
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源実朝は頼家の息子、公暁に鶴岡八幡宮の大銀杏の前で暗殺された。文献にはその後実朝の首は行方不明になったこと、葬儀には遺髪が入れられたこと、それしか分かっていない。
それを鎌倉幕府の中の勢力争い、公暁に実朝の暗殺をけしかけた者、時の後鳥羽上皇の京都での台頭、尼将軍北条政子、さまざまな人物が登場することで、あたかも書かれていることが真実であるように思えてしまう素晴らしい歴史絵巻が繰り広げられる。筆者の力量、歴史を見る目に感動を覚えた。そして実朝暗殺の真の首謀者は誰かという衝撃の事実も語られ、歴史の真実はどうだったか、想像力は無限にかき立てられる。
実朝暗殺から承久の乱にかけての歴史についても大変勉強になった。
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鎌倉幕府内部のドロドロとした内部抗争と京都との鍔迫り合いは、謎の多いからこそミステリー要素もあり、また鎌倉幕府の独特のうら暗さも相まって、歴史小説の中でもヒリヒリして面白い。
それは源頼朝のイメージから脈々と受け継がれている様に感じる。
実朝の首の行方がはっきりしないというのも、まさに最高のミステリー。
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再読。前に読んだときよりも登場人物がスッと頭に入ってくる。(歴史本読んでいるおかげ!)
付箋はりまくりました!
登場人物が実在かどうか、モデルがいるのか、調べるのが楽しい!
歴史好きは、#読書 以外にも、あらゆる方法で知見を深めることに貪欲なので、同じ歴史小説を再読したときには、一回目とは異なる印象を得ることが多いのではと思いました。
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朝廷と幕府の駆け引きとか、北条と三浦のせめぎ合いとか、摂津源氏と河内源氏の確執とか、大概カオスなこの時代、尼将軍が孫娘に後世を託したくなるのも尤もだ。
生前より死んでからのほうが世への影響力が大きかった源実朝。斬首された首がどれだけ引き摺り回されるんだかハラハラしたが、まあ和田朝盛らに慰められる格好になって良かったです。
個人的には、少々、チーム和田の活劇調が冗長に感じられた。そこじゃなくて、朝廷方の後鳥羽や卿局あたりの深謀遠慮さを書き込んでほしかったな。
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今、『鎌倉殿の13人』をみているので、なんとなく手に取った本。
公暁に暗殺された実朝の首はなぜ、別のところに葬られているのか。
読んでいくうちに面白くて、どんどんやめられなくなったが、登場人物が多いので、それが大変かも。
時々、回想シーンのなかに出てくる実朝が、さびしげでならない