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『ツ、イ、ラ、ク』の番外編。
短編で、『ツ、イ、ラ、ク』の出来事に少しでも関わった人物が主となって裏側を語るのだけど、立場も年齢も時代もバラバラ。
「青痣」なんかは誰が、誰について語っているのかなかなか分からなかったけど、とても引き込まれる。
私は準子と河村先生がやっぱり好きだから、この2人の物語は永遠に読める気がする。
共感とか、親近感とか、そんな感じでは全然ないんだけど、むしろ次はどんな想定外のことをしてくれるんだろうという、自分とは違う考えの人の行動に興味があって。
あ、この時の行動はこんな意味があったのか、、ということが多いからかもしれない。
本編でも短編でも、書き方のリズムが独特で、それは目線がコロコロ変わるからでもあって、それが奥行きを持たせてるのかも。
「高瀬舟、それから」と「桃」が好き。
準子は「なかったこと」にしたのか。それは後悔しているからなのか、後悔しているとしたら、何に、誰に対して。
何冊も続編を書いて欲しいし、ずっと『ツ、イ、ラ、ク』の世界に浸っていたいと思わせられた。
★3.5ぐらい。
20170129
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ツ、イ、ラ、クを読んで衝撃を受けた。
一度しか読んでなくても、内容を覚えていられるほど。
なので、これは見つけたとき是非とも読みたいと思った。
細かいことは忘れているので、スリルは味わえなかったけど、2人の関係を羨ましく思った。
生活の全てを踏みつけても、会いたいと思えるほど好きな気持ち。
憎らしく思いながらも、可愛くてたまらないと思ってもらえるほどの少女の魅力。
全てが羨ましい。
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さびしい、痛い、触れたい、うれしい、たのしい。そういうのがひたひた溢れてる。
恋ってまっすぐなんだと思う。好きな人と思う存分セックスするのはなによりも気持ちがいい。
まっすぐでふたりきりで寂しい。好きな分だけ、ずっと寂しい。
大人になると思い出す。幼い、でも全てが満ちていたあの頃の鮮度は、もう二度ともどってこないこと。
懐かしてくさびしい、これは大人のための物語。
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「ツ、イ、ラ、ク」のスピンオフにあたる、短編集。
「ツ、イ、ラ、ク」では当然のことながら恋に墜ちた二人に焦点が当てられているので、その二人が特別であったかのように記憶に刻み込まれますが、この短編集を読むと、彼らの周囲にいた人々にもその人達の個性があり、それぞれ異なる考え方があり、それぞれ異なる視点で、彼ら二人を見ていたことを知ります。
現実に照らし合わせれば、当然なのですが。
長命中学校と何らかの関わりを持つ人々が時間を経て、当時の自分を振り返る。その時、「ツ、イ、ラ、ク」の主人公である二人のことも、記憶の一部として語られます。
主人公の二人の視点で描かれた作品もあります。
作品中にもあり、あとがきにもありますが、誰もが「とくべつ」であり「ひとりひとりその人にしかない個性で時間の中を生きている」ことを感じ入り、あとがきに、全く同じ事を意図して書かれた事を知り、著者に爽快な気分で白旗をあげました。
それにしても、この方の描く、墜落した恋には本当に気持ちのいい痛みを覚えます。
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ごめんなさい流し読みしてしまった。
最後の章だけ印象に残っていますが、補足(? 補完? 的な意味合いが割と強かった。