紙の本
星新一の起こした気流が無機質な登場人物たちを魅力的に動かす12編
2010/02/01 19:14
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻末に乗っている『インタビュー 星新一 戦後・私・SF』が興味深い。
自分でテーマを考えて綴っていくエッセイや、登場人物の無機質さを感じさせる作品群とは異なり、あるテーマから会話を交えて展開していくインタビューは、より星新一氏の生身感が伝わってくる。
星新一氏の作品の多くは登場人物の心理描写を行わず、生き生きとした生命感は感じられないが、彼らを魅力的に見せる、完璧にコントロールされたストーリー展開や意外な結末が魅力。
そんな星新一氏が完璧にコントロールした作品の中から、気に入った作品をいくつかピックアップ。
『すなおな性格』
若い男は、占師の言うことを完全に信じるすなおな性格。しかし主体性がなかった男は就職先を決めるため占い師の元を訪れた。
占い師が、若い男に世間の厳しさを教えるため、歩合制のセールスマンを薦めると、すなおに受け入れた。
未来を確信した男に満ちている信じるエネルギーはすばらしい。
主体性などなくても、と思わせる。
『重なった情景』
夢は人間の生存に必要である。しかし眠れなくなった人々は夢を見なくなった。
その結果、彼らの前に夢が現れ始めた。
夢と人間の関係を飛躍して描くブラックジョーク的な作品。
「夢」を見なくなった人間は、「夢」から見ると不要の存在だ。
『条件』
平凡だが美男子という青年がいた。
自分の存在価値は美男子だと自覚している青年は、普通以上の幸運を拒絶する、という契約で悪魔と不老不死の契約をした。
数々の幸運を拒絶する青年の姿が見所。
悪魔が用意する幸運の数々を拒絶してきた青年の習慣的反応が面白い。
『品種改良』
不老長寿の薬を開発するため、エヌ博士は、人間の体内で有効な働きをする微生物に着目した。
SF映画にありそうな結末の作品。
しかし読んでいて結末を予想できないキレがある。
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アイロニーとユーモアに富んだSF短編集。
読みやすい定番ショートショート。
個人的には「門のある家」が気に入っている。
しかし,どれも妥当な結末で,目を見張るほどのものはなかった。
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星新一作品にしては一話一話が長め、短めが好きな人向けではないかな、おすすめは「命の恩人」「条件」。ショートショート12編。
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星新一の短編集です。
ショートショートよりは長く、ストーリがあって面白いですね。
『門のある家』がこの中では一番好き、かな。
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【門のある家】―短篇。
高級住宅地にある一軒の邸宅。誰であろうと自分の役割を弁えた面子が揃うことで構成される「家族」。この掌編が家族の物語であるからこそSFだが、実際、会社というのはこういうところではないだろうか。(2008.12)
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短編集なのに話が薄っぺらくなく、とても濃密な物語だった。
ひとつひとつに存在感があって、すべて読み終わったときには終わってしまったという喪失感があった。
美しく多彩な一冊でした。
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青年の部屋に美女が出現した、となりの女子大生の部屋には死んだはずの父親が。触ることのできない幻があちこちで目撃される。現象は広がり、モナリザやヒットラー、さまざまな動物、怪物、札束も出現。人々の夢が幻となって現れているのだ。みんながみんな、自分の夢を連れて歩き出した。やがて、世界は夢であふれかえり、そして――。
平和な日常にそっと潜む、小さな乱流の種。皮肉でユーモラスな短編12編を収録。
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短編集。
・なんでもない
・見物の人
・すなおな性格
・命の恩人
・重なった情景
・追跡
・条件
・研究する男
・まわれ右
・品種改良
・門のある家
・ごたごた気流
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星新一好きだなあ。短編集だけど、どれも止まらずに一気に読み終えてしまった。どんどんとクレッシェンドさせていくような展開とカットアウトするような幕引き。楽しい!
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「見物の人」は今のインターネットとセキュリティ時代
だいぶ近い状態になっているのでは。
もうちょっと余韻を残した話が好きだなぁ
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読了。
追求する男
あそこでやめておけば…と
後悔してももどれない。
一晩考えたところで熱くなった人の頭は冷却出来ない。
なんか思わせるところがある話でした。
短い話はテンポが良くて好きです。
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やっぱり独特で面白い。
失踪した人を追いかけていく記者。
その不思議な家に入ると その家のストーリーの一部になる人々。
など不思議だったり、皮肉めいていたりのショートショート。
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昭和50年発行の初期版を上司から借りました
「おもしろいから読んでみな」って
ショートショートは初めてですが、私は長編派
おちがあって面白いですが、私は現実派
‘すなおな性格‘など人生を示唆するものを感じますが、この本には「先が読みたい」と感じさせるものがありません。
まあショートショートだから仕方ないですかね。
‘すなおな性格’と‘追求する男’が読んでいて楽しかったです
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【あらすじ】
青年の部屋に美女が出現した、となりの女子大生の部屋には死んだはずの父親が。触ることのできない幻があちこちで目撃される。現象は広がり、モナリザやヒットラー、さまざまな動物、怪物、札束も出現。人々の夢が幻となって現れているのだ。みんながみんな、自分の夢をつれて歩き出した。やがて、世界は夢であふれかえり、そして―。平和な日常にそっと潜む、小さな乱流の種。皮肉でユーモラスな短編12編を収録。
【感想】
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「なんとなく天気予報みたいな話ですね」
(なんでもない/見物の人/すなおな性格/命の恩人/重なった情景/追跡/条件/追究する男/まわれ右/品種改良/門のある家/ごたごた気流)