圧倒的な狂気風景
2020/06/17 00:25
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投稿者:まさがき - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後日本では私小説が氾濫している、
というような記述を読んだことがありますが、
この作品はそういった私小説の類、その真逆を行く作品です。
物語の体を成してはいるものの、
特に後半部分、中身を埋め尽くすのは狂気的な幻想風景ばかりで
ラストを含め、非常にカルトチックな趣を醸し出しています。
このイマジネーションは常人には持ち得ません。
発想がすごい、、、
2018/11/02 16:07
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投稿者:リョウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて、「よくこんな話思いついたよな」と思わせるような話が多く収録されています。
どこから来たのか、この発想、、、すごっ、、
少し難しい。でも面白い。
2016/01/29 22:24
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投稿者:のらめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんにちは。高校1年の私にとって、正直な感想を述べさせていただくと、物語の中盤のあたりでは少し眠たく感じました。廣介の芸術に対する思いが事細かに表現されていて、そこがこの作品の面白いところでもあるのでしょうが、私は少し苦手でした。ですが、後半にかけてそういった描写に比べて会話文も多くなり、読みやすく、楽しめました。最後の最後に衝撃の結末も合わさって、なんとも名状しがたい気分になりました。より深く物語を理解したいため繰り返し読んでみたいです。
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『パノラマ島綺譚』はパノラマ島の描写がすごく細かくて、想像するだけですごく美しい場所なんだろうなぁ。と思った。でも、最後があまりにもあっけなくて残念…それとも最初から廣介は決めてたんだろうか?
もう一つの『柘榴』はミステリーなんだけど、その内容より硫酸で溶けた顔を柘榴に見立てるのにすごく惹かれました。美しいなぁ…
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表現が長ったらしくて読むのが面倒でした。
海藻の描写にはちょっとうんざり。
オチだけはインパクトがあります。
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アートって、きっと人間の業とか、そういうどろどろしたどす黒いもんから発せられる表現なんだと、江戸川乱歩の作品を読むと感じる。
作品中で描かれる狂人や偏った性癖のある人などの特徴は、探せば僕らのこころの中にもきっとあるのだろうと思う。
この本には
「パノラマ島奇譚」
「石榴」
の二作品が収録されている。
そのどちうらもが、類稀な、江戸川乱歩作品ならではの風合いと感触を持っている。
まるで見てくれがとても綺麗で小さくてとてもかわいいが、口に入れて咀嚼するとなんとも醜悪な味や匂いを発するお菓子か何かのような感じがするのだ。
世にも恐ろしい犯罪や兇行は、たった一人の人間のこころのなかに潜む美意識や欲望であったりするのだろう、とそういうことをまざまざと覚えさせられる。
江戸川乱歩はやっぱり天才だ。
そして狂人であると思う。
そういう意味で唯一無二の才能だ。
更に恐ろしいのは、言葉選びや、感じや、劇中の人物の喋り方や服がやはりどことなく古めかしいのにも関わらず、ストーリーの内容が新鮮であると言うことだ。
驚くなかれ、この「パノラマ島奇譚」は大正時代に発表された文章なのだ。
更にまるで美しいタイムカプセルか何かのような感じもある。
本当に江戸川乱歩は美しい小説家であると思う。
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一人の貧乏書生が、自分と瓜二つの学友が死んだ知らせを聞き
彼になりすましてその莫大な財産を手に入れようと企む
巧妙な手口でその友人の妻を含む周囲の人を欺くと、小さな島を手に入れる
そこに彼の長年の理想であった自然美にも勝る人工自然、狂気に満たされたパノラマを作り上げる
誰にも偽者であることを感づかれない自信があったが、唯一の不安点は妻だった
長年連れ添った妻を欺けるかどうか 妻とは距離をおいていた
だが知らず内に妻を愛してしまっていた
しかし完成間近で妻に彼が偽物であることが感付かれてしまう
妻をやむなく殺すことを決意
愛する妻をパノラマ島に案内する
美しく狂った世界の中でたった2人
愛しく美しい妻の首を静かに絞める
彼の楽園を脅かすものはいなくなったかに思えたが、
予期せぬところに昔の自分の影を見つけられてしまう。
美しい景色を大勢の美しい裸の人々が景色を彩る様子は
桃源郷というよりはソドムにも見える
狂った世界
すばらしい世界
残念だったのは景色などの描写がいまいちだったこと
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江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」、夢野久作の「ドグラ・マグラ」。
「乱歩と久作を読まずに歳をとってはいけません」の松岡正剛氏の言葉に魅かれてこの本を手にしました。
江戸川乱歩の作品はかなり読んできましたが「パノラマ島綺譚」は読んでいませんでした。
人見廣介の妄想し続けてた理想郷を作るための荒唐無稽な企み。
狂気じみた世界観。妄想への人の執念は恐ろしく、かとて人は誰しも妄想するものであり。薄気味悪くも話に引きずり込まれる自分がいるわけで。
ミステリーとしてのストーリー自体もなかなか面白いのですが、主人公の妄想への飽くなき執念。そこに注目するとさらに面白さが感じれると思います。
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江戸川乱歩のホラー小説。
パノラマ島の描写部分がなかなか進まなかったが、結末がなんとなく分かっているにもかかわらずわくわくしながら読めた。
同「硫酸殺人事件」も結末が目に見えているところが読み手にいい焦りを与える。。
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今更ながら読了。
表題作のパノラマ島奇譚もさることながら、石榴が私的にはすごくよかったです。
この間読んだ『死体を買う男』は確実にこの作品を底においているんだろう、と思いました。
パノラマ島奇譚
…いうまでもなく、島の描写が美しい。日本人の「ぞっとするような美しさ」を、正面から突き詰めたら、きっとこんな風に恐れを抱かせる美が実現されるのだろうと思います。
ミステリ部分(事件とその露見、そして告発と幕切れ)ももちろん秀逸で同じ美しさが貫かれているのですが、それすらも、この島の物語を完結させるための仕掛けのひとつと思われます。
石榴
…常軌を逸した殺人事件と、それを巡る人たち。重要人物が、探偵役である主人公の知古であるのが、生々しくけれど温かくて好きな空気でした。
ミステリといえば探偵がいて、主人公はちょっぴり考えの足りないワトソン役というのが常道ですが、私はこの、主人公が探偵役で、主人公と一緒に悩んだり解決したり、解決したと思ったのにどんでん返しにあったり、というのが好き。
二作とも大満足な作品でした。
さすが乱歩!現代文学には多くない、巨匠の作品に触れました。
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江戸川乱歩の作品は、結構好きで以前にも「人間椅子」や「芋虫」などの有名な作品は読んでいた。人間の持つ悪の部分をじわじわと表現するうまさがあり、どんどん作品に引き込まれる。ただし、乱歩の描くパノラマ島の描写に自分の想像がついていけているか、他の人はどんな想像をするのだろうと興味が沸き、絵になっているものがあったら観てみたいと思った。
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・パノラマ島奇譚
独特の世界観やその美しさに惹き込まれる。
最後の様な光景を見たら、自分はどうなってしまうんだろう。
・石榴
どんでん返しが繰り返されて多少混乱した。
タイトルが重い意味を持っていていい。
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ミステリーというより幻想小説といった感じの作品です。
人見の妄想を実現した「パノラマ島」の描写が素晴らしいです。美しさと狂気が入り交じった何とも言えない雰囲気が堪りません。非常に乱歩らしい作品だと思います。
「石榴」はラストのどんでん返しは想定内でしたが、切れ味は抜群。良作だと思います。
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『パノラマ島綺譚』、『石榴』収録。
パノラマ島綺譚
江戸川乱歩独特の不気味さと美しさが一際目立つ作品。
ただ、自分の想像力の足りなさでイメージがうまくできない場面がいくつかあったのが残念。
石榴
個人的にすごく好き。
最後の大どんでん返しには衝撃でした。
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パノラマ島の情景がクレイジー過ぎて脳内で想像できなかった…(笑)上級者向けだ…。
乱歩先生の頭の中もクレイジーなんだなって思ったのでした。素晴らしいです