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突然の災害により外界と遮断された空間に閉じこめられた人間の心理状態を描いた作品。舞台は宇宙。登場人物全員にネガティヴな面があり、誰一人として好きになれるキャラクターがいない。機械の助けなしでは生きていけない世界に於いて、機械の加護を失った人間の脆さ。極限状態においても、いや極限状態だからこそ利己主義を貫くのは人間の本質かもしれない。果たして自分がその立場におかれたとき、他人を気づかえる余裕があるか考えさせられた。そして、助かったあと何事もなかったようにまた他人に戻っていく様子にリアリティを感じた。
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平たく言って、宇宙を舞台にした災害小説……というのでよいのかな。
単なるサバイバルというわけでもなく、登場人物それぞれの思惑とか背景とかも絡み合い、ハラハラしながらどんどん読み進めてしまいます。
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SFが読みたくて本屋で適当に買ったもの。
おもしろくて一気に読めました。
功とキトゥンが…すきです……。
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これは良いサバイバルSF。宇宙ステーションが事故で大破したぜ! 生存者はそれぞれ別の区画に閉じ込められ、その区画の外には真空が広がってる。通気ダクトでコミュニケーションをとって生き延びろ! というすばらしさ
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期待したほどの意外性もない、シンプルなSF作品。
ゆえに読む人を好き嫌いなく取り込めそうなので、SF初心者さんにも進めたい一冊。
宇宙ステーションの精緻な設定や、もしかしたら将来こんなことも起こるだろうなぁと思わせる現実味は見事!
天冥から手を出した自分は、ちょっと物足りなかったので、☆4個
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宇宙空間で脱出サバイバルは息苦しかったー面白さも手伝って先を急いでしまう。
極限状態においても簡単に「一致団結!」と行くはずもなく、思惑はそれぞれ、だけど登場人物誰にも同調できず、この辺がイマイチ。もうちょっと突っ込んで曝け出してほしかったな。
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これはSFでありながらもサバイバル小説と思って読んだほうが楽しい一冊。それとアレですね、地球からちょっとだけ宇宙にある「軌道ステーション」という設定がいい。何万光年も離れた他所の銀河の手足が何本もあるようなキャラクターも出てこず、舞台も日本企業の持ち物なので、キャラがオール日本人のみというのも自然。
何万光年離れてても、手足が何本あっても、面白ければ良いけど、こういったサバイバルストーリーでその設定をやられると、その世界観を理解し、飲み込むだけでしんどい。でも、この作品はそうした手順を必要としないので展開もスピーディー。とはいえ、SFには必須の「この物語世界(背景)を知る」という手続きも、登場人物がそれぞれダイアログやモノログで語る個人史に絡めて地球史・宇宙史が付加されていくので、キャラを深めながら無理なく浸透していく。
またそのキャラも、誰かが極端に突出しているわけでなく、誰もが突然の災害に怯え疲弊し疑心暗鬼になる普通の人間たち。なので全員死亡フラグが立ってるともいえ、誰が助かる?誰が死ぬ?それとも全滅?といったスリルとともに、事故原因に絡んだミステリ要素も加わり、なかなかのリーダビリティ。☆4つ。
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久々にストレートなSFを読んだ。このド直球さに、冒頭からクラクラしっぱなし。軌道ステーションの土産物屋ではきれいにラッピングされたデブリの小片が「星のかけら(スターチップ)」と称して売られている、なんてディテールも楽しい。
あと興味深かったのが、真空・0気圧中に曝露した人体の挙動。15年くらい前にniftyのfsfでいろいろ議論されていた当時は、「一瞬で血液が沸騰して死ぬ」とか「あっという間に全ての水分が蒸発して干からびる」なんていう考え方が主流だったけど、いまではこういう風に考えられてるのか。私がそれだけ長い間SFから遠ざかっていたんだなぁと、愕然とした。
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小川一水のまだ読んでいない作品の中で一番評価が高かったので読んでみました。
大破した宇宙ステーションに閉じ込められて、生存者たちは生き延びれるのか・・・という作品。
人物描写がうまい小川さん。今作もキャラクターの心理を通して事故の状況がリアルに伝わってきてハラハラします。
起承転結もきちんとまとまっているので読後感も悪く無いです。
ただし、もう少しメッセージ性が欲しかったかな。
(同じ中編の時砂の王なんかと比べると特に・・・)
他の作品のレベルが高いだけにちょっと残念でした。
評価は厳しめに3とします。
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宇宙ステーションを見て「でっかい隕石がぶつかったらどうなるんだろう?助かるのか?怖いなぁ」と思ったことがある人。いるでしょう?
このSFはまさにそんな状況に陥った究極のサバイバル小説であります。
宇宙は自然ではあるけれども、地球にあるような人や生物を包み込む暖かいものではありません。
そこに存在できるのは生命ではない人工物やそれを身に着けた生物のみであり、何も身に着けないものは宇宙に出た瞬間、圧倒的な暴力にただ蹂躙され消え去るのみ。
その暴力と壁一枚隔てて行われるサバイバルは、まさに宇宙系SFの醍醐味と言えるでしょう。
終盤の終盤まで望みがない状況が続きますが、それをどのようにして乗り越えるのか、途中で止めることができずに一気に読み終えました。
小川一水、おそろしや。
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小川一水お得意?の、詰んでる状態から何とかする話。
登場人物が多かったり、問題が次から次へと起こるせいもあって、
少し入り込みにくかった。
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突然の事故により漂流してしまった宇宙船を舞台に描かれるSFサバイバル小説。
SF小説は理論が難しかったり、その世界独特のギミックが想像しにくかったりするのですが、この小説の場合はそんなこともなく細かい設定にもリアリティが感じられ世界観をしっかりと楽しむことができました。
もちろん宇宙船を舞台にしたということもあり空気や圧力の問題やAIなど他のサバイバルジャンルでは決して問題になることのないことが次々と持ち上がってくるのも新鮮。そういう点を主人公たちがどう乗り越えていくのかも楽しんで読めました。
登場人物たちのそれぞれの個性や思惑も光っています。
最近無人島でのサバイバルの小説を読んだこともあり、改めて小説のジャンルの幅広さを感じました。同じサバイバル物でもほんとに全く違います。
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サバイバル。海猿の宇宙構造物版みたいな感じ。
エンターテイメントとしては面白いけど何かを得られるかとすると、なんとなくもの足りない。
あとがきに「お楽しみください」と書いてあることですし、楽しめたならいいんでしょう。
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宇宙ステーションを舞台にした、タイタニックみたいな。科学考証が練られており、描写に説得力がある。また登場人物が難癖ある者ばかりで、裏もあり、読んでいて面白い。
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ん~・・・久々のSFなんですが。いまいち微妙。
こういうのを読み慣れてないせいもあるんですが、位置関係とかがどうもわかりにくい。そのせいか緊迫感が伝わりづらいというか。
ガチガチのSFってほどでもないけど、ミステリには中途半端な印象をうけました。
真相に急に政治的な話が持ち出されたのもちょっと面喰いましたし・・・・こういうもんなのかなあ。