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失望、あきらめ、大人、優しさ、を強く感じた。「そういうものだ(So it gose)」ということばに、この4つが言い表されている感じ。戦争のことを、本で読んだり映画で見たりして知識やイメージは持っていても、実際に体験した人は「知ったような顔するな」って思うんだろうなぁ。
『「おやすみ、アメリカのかたがた」と、彼はドイツ語で言った。「ぐっすり眠りなさいよ」』
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小説冒頭で作者登場!この小説を書き上げる経緯や苦悩を切々と語る。第2章からやっと物語が始まったと思いきや、主人公ビリー・ピルグリムは時間に解き放たれる!時間旅行者ビリーは、自分の人生のあらゆる場面をアトランダムに訪問する。自分でコントロールすることはできない。そして、ついに彼は、トラファマドール星人に誘拐されて、トラファマドール星の動物園に入れられて、見世物にされるのだ!彼の見ている世界は本当なのか(SF)、それとも戦争体験のトラウマによる幻覚なのか。小説が終わってもなお、彼は自分の誕生日を、死を、戦争場面を、そしてトラファマドール星を巡礼(ピルグリム)し続けるのだ!「そういうものだ」
(九州大学 大学院生)
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【僕の勝手な解釈であり感想】
小説の主人公であるビリーピリグリムは著者のカートヴォネガットであり、
ヴォネガットは戦争によって、もしくは戦争とは程遠いが戦争がもたらした理不尽な死
そして妻の死、自分の死に対してまでも
受け入れようと
していたのが
すごく悲しい。
この小説には
ランボーのような筋肉ムキムキでかっこいい軍人も
グリーンデイのPVみたいなロマンチックドラマも
書いてない
出てくるのは、薄い粥のようなウンコをもらしたり、
歯が一個も無かったりするひと。
僕の周りに(僕自身)いる人が出てきて、
そのほとんどが、意味も無く、
一瞬で死んでいく。
だからまた悲しくてでも、それを受け入れようとしているビリーの「そういうものだ。」がまた悲しい
その深い悲しさをヴォネガットは言いたいんだと思う
【そんな小説でいいと思った言葉】
神よ願わくばわたしに変えることのできない物事を
受け入れる落ち着きと
変えることのできる物事を変える勇気と
その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ
【恥ずかしながら】
小説を読んでこんなに笑ったり泣いたりしたのは初めてです
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これも再読。
一回目より面白く読めた。自分はあんまり鋭い読者ではないから、面白さが分かるのに時間がかかる…。
トラルファマドール星人的な時間進行でヴォネガットさんのドレスデン空襲体験が語られる。時間が何回も遡ったり進んだりするけど、「ええと、これはいつの話だったけ?」てならないのは各時代に登場するわき役たちがとても印象的だからだと思う。
とくに憎たらしい登場人物たちは、本当に憎たらしく、でもどこか滑稽に書かれているので、読んでる途中に忘れてしまうことはなかった。
あと、ローズウォーターやキルゴアトラウトとか、他のヴォネガットさんの小説に登場してた人物がたくさん出てくるのも少し嬉しかった。
この話の中には(戦争の話だから)様々な死の話が出てくるけど、それらがすべて「そういうものだ」という言葉で締めくくられているのが印象的だった。悲しい死に方も、間の抜けた死に方も、イエスの死まで、すべて最後は「そういうものだ」という文章で終わっている。
たぶん、序盤で主人公が語っているように、「大量殺戮を語る理性的な言葉など何ひとつないから」なのだと思う。
そして、物語の最後は「プーティーウィ?」という鳥の鳴き声で終わる。
それにしても「トラルファマドール星人的に言うと、…」っていうジョークを一回言ってみたい。機会があればいいけど。
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アメリカ60年代の作品のはず…。浮遊する精神。ヴォネガットのSF要素。極めて斬新な宇宙人の哲学。ピース。
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So it goes. 「そういうものだ」
「神よ願わくばわたしに変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ」
everything was beautiful,and nothing hurt.
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日本の小説を読んでいてもたまーにでてくる「そういうものだ」というフレーズ。
この言葉だけを聞くと「まぁしょうがないよね」「そういう運命なんだよ」といった諦めちゃった的印象を持ってしまうが、諦観の裏にある優しさなり美しさには心惹かれるものがある。
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最初は、筋も山場もよく分からないまま、漫然と読んでしまったので、再読。
集大成的なキャストやすわ名言という文章も多いのだけど、やはり無性格に描かれた登場人物たち、ブツ切りにされた筋、感じのいいエピソードなんてほとんどない、カート・ヴォネガットの作としてはやはり実験作、あるいは失敗作と言えるのかもしれない。ただ、そこまであの手この手を使ってまで伝えたかった(それもどうやっても伝わらないと確信しながらも)ことがある、ということだけはひしひしと伝わって来る。
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これは何度か読み返しても面白いと思う。(難しく理解できないから、という意味ではなく。)
ユーモア溢れた戦争小説。
自身の第二次世界大戦での経験を、時系列を無視した展開で引き込んでいくところがいい。
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フィクションで間違いないが、ビリー・ピルグリムは間違いなくドレスデン空襲を経験した作者。KVらしいSF劇場と戦争描写の交錯は面白かった。
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「『スローターハウス』シリーズの1~4巻がどこを探しても見つからない…」と思っていた人、恥ずかしくないから手を挙げなさい!(笑)大丈夫です、シリーズものじゃないです。『5』まで含めて作品名なんです。
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カート・ボネガットのスローターハウス5を読みました。30年前に読んで、とても感動したSF小説です。今回、このSF小説に関する話題を日記に書いたことから、仙台に戻ったついでに文庫本を持ち帰ってきて読み直しました。筆致は軽いのですが、戦争は互いに殺しあうものだ、という当然のことが重く物語の底に流れています。この小説は私の人生観を変えた小説で、トラルファマドール星人の時間についての考え方は今でも私の人生に対する考え方の基本です。うるさいくらいに出てくる「そういうものだ(So it goes.)」という言葉も忘れられなくなります。ぜひ、一度は読んでみていただきたい小説です。""
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主人公ビリーが深夜映画で空襲を逆向きに見る場面が美しい。寓話的な、でも真逆のような。
トラファマドール的にはひとはどれほど死にきっているように見えようと、我々は永遠にいき続ける。
そういうものだ、というようにすべてはもう決まっている。
わたしはそれにスッキリと解釈をあたえられなかったけど。
映画ではグレン・グールドのバッハが流れるらしく、それもみたいな。
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主人公は過去、現在、未来を行き来できるようになったという設定なので急に話が飛ぶ?
文は読みやすかったのですが一瞬自分もどこにいるのか分からなくなったな…
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時間軸、概念、おしゃれな言葉。著者の得意とするところだろうし、それが読者に心にグイグイ刺さるんだろう。そういうものだ