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こりゃ一回じゃ読めない小説だわ。最初全然面白くなくて、仕方ないから、何度も出てくる「そういうものだ。」の回数を数えながら何とか半分読んで一旦やめた(たぶん全部で50回弱)。で、読み始めたら前半のストーリーさっぱりなのに急に面白くなったんだけど、やっぱりよくわかんなくなってまた数え出してそのまま終わった。うーむ、村上春樹に影響を与えたとよく言われるから、少し期待してたんだがよくわからん。未完成の文体実験につき合わされているような感じがして読みづらい。でも妙に印象に残る小説ではある。爆笑問題太田のお気に入りの「タイタンの妖女」を読んで見極める。
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人間てこんなもの。それを分からせてくれただけでもすごい傑作だと思う。戦争に対面する勇気のないわたしが知れる精一杯。でもそれでも、ほんとに馬鹿みたいで悲惨でどうしようもないことは分かってしまう。
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変えられない物事を受け入れる落ち着き。
時間旅行を通じて、過去に経験してきた多くのつらい瞬間を、繰り返し体験しなければならなかった主人公は、「タイタンの妖女」にて、無意味な時の流れに逆らえない人生を送ることを強いられたコンスタントを思わせる。
人間の卑小さを訴える作品は多くある。その中でも、この作品は、そんなちっぽけな存在に生まれた者へ向けて、それにふさわしい生き方を提示しようとしているんじゃないかな。
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個人的にはタイタンの幼女のほうが好きだけど、いろいろとリンクしている部分があって楽しめた。「そういうものだ」。たった七文字だけど、すんごい。なんかすごい。
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繰り返される「そういうものだ」の一言は村上春樹の世界観を彷彿させる。SFなんて初めて読んだけど、私にとっては近代アメリカ文学の導入になったと思う。
なんと驚きなのが、今読んでるアーヴィングはアイオワ大学でヴォネガットに師事していたそうだ。びっくり。文学は果てしなくつながっている。
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奇想天外さにヤラレた。戦争を描いたものとして、ヘタにドキュメンタリータッチでいくより、よっぽどリアルにその狂気を伝えてる。でもなんだろう、根底にはやっぱり愛とモラルがある気がする。
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昔、図書館で借りて読んだとき、
非常に面白くて夢中になって読んだ。
以来。ほんとうは、文庫版なんかじゃなくって、ハードカバー版が欲しいんです。
作品は大好きだけど、、、
これほどの大作名作。文庫版じゃぁ満足できません。。。なので、マイナス☆1つです。
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著者が実際に体験した第二次大戦下のドレスデン爆撃をテーマに描かれた作品。いかにもSF然とした設定で書きながら、随所随所に著者カート・ヴォネガットが登場する(冒頭も著者による手記といった形で始まる)ところに、完全な架空のストーリーとして描く事も、リアルに起こり、また体験した事象についての回想として描く事も選択しなかった著者の苦悩を見て取ったのは私だけだろうか。逆に痛々しい。
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大学の卒論の時にテーマにした小説
(実際にドレスデンにも行ってしまいました。空襲の跡がはっきり残っていました)
人が死んだ時に発せられる「そういうものだ」というフレーズの重み。
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授業で発表するための読書。とはいえ、アメリカ小説は読んではみたかったので良い機会。。
最初は読みにくい気もしたものの、設定とかを頭に把握してしまえばそこまでではなくなった。ただ、込み入ってるのでもう1回整理して読まなきゃ発表はできない気がする。
頻発する「そういうものだ。(So it goes.)」とか、戦争が与えた影響とか、色々ツッコミどころはあるのかな…?ただ、半自伝的小説となるともしかしたら扱いにくいかも?困った困った。。
こういうのがSFなんだなぁと実感。でも、あんまり他の『タイタンの妖女』とかに手を出す気にはならないのは、私がSF苦手ってことなんだろうな。。
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この本は、生涯で最も繰り返し読んだ一冊だ。
10代のときに購入した文庫は、卒業制作のモチーフにしたため、
赤がいっぱい書き込まれている上、相当ボロボロになった。
2007年4月のヴォネガット逝去の際、書店に平積みができ、
「さよならヴォネガット」のPOPが、ゆらゆらゆれている棚があった。
そこからわたしは一冊取り、購入した。二冊目だ。
値段は当時のほぼ倍になっており、物価の推移が伺える。
新版も、結局付箋だらけになってしまった。いい言葉がたくさんあった。
けれど、ヴォネガットのよさは、コトバひとつだけを取り出して
眺めるものではないなぁとも思った。
前後のモチーフがあってこそ輝きを放つエピソードも相当ある。
もちろん、一部を引用したとしても、それはとても美しかったり、切なかったりするし、
十分すぎる魅力に富んでいる。
しかし、それを上回る魅力は、本一冊を通じて貫く芯にあると思う。
あたりまえですが。
それにしても。改めて、伊藤典夫さんの訳文は無駄がない上、美しいと思った。
そしてヴォネガットは、どうしてこんな本が書けたのだろう。
多くの人が、この「調子っぱずれな」本のことを受け入れた事実にも祝福したい。
トラルファマドール星人の言うところの
「なぜわれわれが? なぜあらゆるものが? そのわけは、この瞬間がたんにあるからだ」。
過去も現在も未来も、常にそこにある。
この本が、単純な反戦小説の枠に収まりきらないのは、
このトラルファマドール星人の言葉に理由があるように感じた。
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けいれん的時間旅行者ビリーは自分の人生のそれぞれの瞬間へタイムスリップする。ドイツ軍の捕虜になったとき、幸せな結婚生活、自分を拉致した異星人のUFOの中に、晩年、そしてドレスデン爆撃とその後。SF小説の皮をかぶった反戦小説とかるく構えていましたが、そんな程度のものじゃありませんでした。むしろ直接、反戦をうったえるような文章は一つもありません。
第二次世界大戦を、13万人以上が亡くなったドレスデン爆撃(著者のヴォネガット自身もこの空爆を体験している)を、そしてその後のさまざまな死をひたすらに「そういうものだ」と受け止めています。また過去・現在・未来の出来損ないのどうしようもない人間を冷たく突き放すのではなく、黒いユーモアを交えつつ、抑制のきいた文章で細かく丁寧に描いているところがすごく好みに合いました。
レビューを書いてもこの本の面白さを伝えられる気がしません。ヴォネガットの著作全部読みたくなりました。
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・グレングールドが弾くゴールドベルグ変奏曲
・どこか外で―電車の中や、都市の一角、大きな公園の緑の下
・心の目が霞んだら、この本の扉表紙をひらくこと
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ビリー・ピルグリムまで読み進めるのにえらく時間がかかったが、本編に突入してからはスムースに楽しく読めた。
ドレスデン爆撃を軸に、全体的にものすごく斜めな視点で書かれた戦争の話。
第二次世界大戦しかり、September 11、イラク戦争しかり、戦争はいろんな形で創作(芸術)を生むものなんだなと感じる。
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乱暴に言ってしまえば、ドレスデンの空爆についての本なのですが、
ドレスデンの空爆についての具体的な記述はほとんどありません。
あまりに鮮烈な体験を何らかの物語に変換するという問題について
読みながら、考えをめぐらせました。