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高い城の男 みんなのレビュー
- フィリップ・K.ディック (著), 浅倉 久志 (訳)
- 税込価格:1,056円(9pt)
- 出版社:早川書房
- 発売日:1984/07/01
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紙の本
SFが嫌いな人達に
2003/01/12 22:23
12人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは小説は読むがSFは嫌いだ、読んだこともない、という人に
奨めたい作品です。
長編に関して言えばディック氏はとてつもなく落差を感じる作家です。
良い意味でも悪い意味でも…
ツボにはまると、とんでもない傑作に仕上がるし破綻すると
麻薬患者(ピー)の戯言になってしまいます。
傑作を読んだ時には宇宙に達するような高峰から下を覗き込む
ようなクラクラした感覚に陥りますし、違う場合は何でこんな物を
読んじゃったのかな〜頭痛がグラグラしてきます(笑
この作品はアイデアに降りまわされずプロットも破綻せず
淡々と話が進んでいきます。普通の小説のように…
しかし、その中にも異世界がちりばめられているのです。
易経という形で、枢機国という形で、登場人物の言葉の中にも…
ストーリーの中にちりばめられた異世界はサブリミナルのように
貴方の心の中に染み渡っていきます。
そして読了後の自分自身の中に何を見出すのでしょうか?
ちなみにその後の作品に関係する単語やプロットがいくつかありました。
SF好きな貴方は、いくつ見つけられましたか?
1964年に早川書房から出版され1984年に文庫になっています。
64年版の故川口正吉氏の訳を一度読んでみたいものです。
紙の本
読後すぐよりも時間が経ってからじわじわくる独特の雰囲気
2016/05/21 14:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もし・・・だったらというifものですが、読んですぐよりも時間が
経ってからの方がじわじわときます。
全体を通して「陰の世界」何をするにも易経で占ってからという所に、
現実とは違う戦後の人々の不安と不信を見るような気がします。
そして物語に書かれた世界が、逆(本当の歴史通り)だとしてもどこか違う。その違いが奇妙な違和感となってざらざらとしています。
決して読みやすくはなかったけれど、それでも登場人物たちの憂鬱感は、
著者独特の世界。
紙の本
何故か現実感あり
2016/01/11 00:44
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディックの作品は、近未来を描いたSFなのだが、妙に現代社会と重なるところがあり、彼の考えた近未来と現在とが妙にリンクしているような気がする。
電子書籍
ディック再見。
2015/09/29 14:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:easygoer1963 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディックの最高傑作と誉れ高い本作がAmazon Studiosによってドラマ化されるというニュースを見て、およそ30年ぶりに読み返してみました。
今までは電子書籍に抵抗がありましたが、いろいろな端末で読めて場所も選ばず便利ですね。
久しぶりに自我を揺さぶるディック・ワールドを堪能しました。
これを機に他のディック作品も再読してみようと思います。
紙の本
最高傑作か?
2019/03/07 01:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディックはそれほど得意ではないが、これは傑作。かなり有名な小説でもチープさというか安易さが鼻につくものばかりの中(暗闇のスキャナー以外)、この作品では枢軸陣営が戦勝した改変世界がしっかりと描き込まれていて、むしろ作品が短く感じるほど。作中で人物たちが易に左右されているのもユニーク。筋書きが波乱万丈ではないが、物語の結末にたどり着いたある認識が、微妙なアンビバレンツをうまく表現していて納得のいくラスト。ディックを見直した。