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妻が殺され、アリバイが見つからず死刑に決まったヘンダーソン。
死刑が行われる日までアリバイを捜す友人と刑事、
ギリギリに何かが明らかになると思いながらよむものの、えーっ??という展開が待っていました。
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名作中の名作として好きな本の1つにあげたいくらいだがよく考えると1回くらいしか読んでなくてストーリーもうろ覚え。しかし出だしにあるような表現がとにかくかっこいい。話としてはツッコミを入れたくなるところも確かにあるが一気に読ませるのは素晴らしいストーリーテラーの証拠だろう。恥ずかしながら最後あたりまで核心は思い出せず。おかげで新鮮な気持ちで読めた。
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上質の古いシネマの中に入り込んだような、クラシックな都会の雰囲気と登場人物たちの洗練された物腰を楽しめるポエティックなミステリ。
最初、この作品が1942年に執筆されたものとは知らず、何の気なしに、最近の作品だろうと漠然と考えながら購入した。読み始めて数行、美しく古典的な描写に「…あれ?」と思い、出版年を確認、なるほど、この文庫本でさえ、1976年の出版、ということは現地での初版は…ふむ。
物語のあちこちに、現代では到底醸し出すことのできない独特の華やかさや人々の生活の姿が描き出されていて、まず、その絵画的な描写に読み惚れる。いかにも、50年前のニューヨークなのだ、ここは。
そう、この頽廃的な美しさは、モノクロームの表紙写真からもうかがえる。小雨の降る夜の街、ぼんやりとガス灯がけぶる。美しく、神秘的で、ここから何かが始まりそうな、シックに謎めいた雰囲気に満ちている。
殺人の罪を着せられた男、男を追いつめておきながら無罪だと信じる刑事、愛人の若い女、出張先からすっ飛んできた親友の男、そして…「幻の女」。幾人かの登場人物の目を通して語られるいくつかの事実。そこを辿ることで少しずつ見えてくる恐ろしい計画。何もかもが劇的で、美しい嘘に包まれていて、ふと気がつくと一心に読み耽っている自分がいる。
結末は、多少、強引なところがあるというか、やや無理矢理な印象を抱かざるを得ない点もあるのだが、それにも増して印象的な全体像があるので、細かいところはさして腹も立たない。素敵なモノクロ映画を1本堪能したような気分というか、美術館を一回りしてきた感じというか、とにかく、こっくりとした充実感と共に最後の1ページを閉じられる。携帯電話もパソコンも登場しない、素敵にオールドファッションな、でも抜群にファッショナブルな、ひとときの甘い夢を見せてもらった。
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図書館で借りました。昭和62年19刷の稲葉明雄訳の物を読了。
づっと読みたいと思ってたけど、ブックオフとかにも出て来ないほど古い本なので、図書館で探しました。
「夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」のインパクトのある文章で開始する、歴代ミステリーの人気リストに常に顔を出す名著。
メインとなるストーリーは結構単純。
男が女房との喧嘩の腹いせに、出会った最初の女性を誘うことを決意。バーで隣り合わせた女性に声をかける。
デートを終え家に帰ると奥さんが殺されていた。
殺人推定時刻に男は女と一緒だったので、その女が証言さえしてくれればアリバイが成立するはずだった。
女は見つからず、しかも、誰もその女の存在自体を覚えていないのであった。
話は、その幻の女を探すという流れになる。
不思議な設定なので、どうなるのだろう?というサスペンスで本の世界に引き込まれた。
なんでこの人を殺す必要があったのだろうという疑問が残る殺人もあったが、推理小説ではなくあくまでミステリーなので、細かいことは置いとくことにします。
ただ、やはり翻訳本なので、少し読みづらいかなと感じた部分はあります。
もっとも、翻訳者が悪いのか、原文が悪いのかの判断はつきませんが。(外国の人は日本人が使わないような比喩を使ったりするので、それが翻訳臭いと感じるのかもしれませんが、それは翻訳者のせいではないので、どーしようもありませんが)
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無実の罪で死刑判決を受けた男。彼の愛人と友人、1人の警官がそれぞれ、事件当時に男が会っていた幻の女を探すお話。
最後のどんでん返しが良かった。
海外の文化に疎いため、理解できないところもあった。
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"夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。" はもちろん有名だけど "正札はあたしが自分でつけたのよ、値切らないでちょうだい。" の言葉も好き。
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なんとなーく、Alexぽい雰囲気かと思った。が、はじめだけだった。
走れメロス感もあるかな? まぁ走るのがセリヌンティウスだし、そもそもセリヌンティウスが・・・・・・だけども(笑)
一つ一つを辿って行くも、決定的な証拠にはならない。その気持ちを思うと辛くて辛くて・・・・・・。
その分、掴めた!って時は嬉しかった。が、そこからの「アレ、おかしいな」感はぞわっとした。
金パワーと偶然に助けられた犯罪か。
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いやいやありえないよ〜とか思いながらも面白かった。
白黒映画が似合いそうだなと思って調べてみたらやはり映画化済みでしたね。
是非とも借りてみようと思います。
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ネットで見かけて。
素晴らしい。
古典に選ばれるだけのことはある。
途中で犯人を当て推量することができるが、
それでも最後までハラハラドキドキがとまらない。
アリバイ証人になるはずの謎の女性、
死刑執行までのタイムリミット、
証人を追うのも謎の女性、
積み重なる死、
髪の毛ほどのか細い手がかりでなんとか突き止めた謎の女性と、
非常に見事だ。
解説で「黒衣の花嫁」と同じ著者だと知って驚いた。
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サスペンス。
文章も内容も、非常に現代的な印象を受ける。洗練されている、という感じ。
ただ、純粋なサスペンスというのが、自分には合わないと痛感。
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「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」
冒頭の名訳が有名な本作。
スコット・ヘンダースンという男が、冤罪にかけられた。
妻殺しによる死刑を回避するには、彼のアリバイを唯一証明できる、かすかな記憶の残滓にある名前も知らない「幻の女」のゆくえを探すしかない。
死刑執行まであと18日。親友・ジャック・ロンバードによる、「幻の女」の調査がはじまった。
50年以上前に書かれた古典。
ミステリとして見ると、粗削りでムリヤリな点が多い。
また、全433ページのなかで、親友が初登場するのが137ページ。
4分の1を過ぎたところで、やっと登場するのだ。
やや冗長にも感じてしまうところもあるが、ちかづいたと思ったら遠ざかる「幻の女」のスリルはたまらない。
本作が評価されている理由は、フェアで見事なトリックではなく、理性より感情に訴えかけるサスペンスの要素だろう。
最期のどんでん返しは、素直に驚いた。
けなげでチャーミングなスコットの愛人、キャロル・リッチマンも魅力的だ。
そして、読了した今でも目を閉じれば、燃えるようなオレンジ色の帽子の「幻の女」が、念頭にうかぶ。
実際に見たこともない彼女の存在が、心にのこる作品だった。
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文庫で表紙も値段も違うが検索で出なかったので、この本を登録する。主人公は嫁殺しの容疑で死刑囚になるが、ちゃんとアリバイがあった。名も知らぬ地味な女をナンパし食事と舞台とBarに一緒に行き数時間共に過ごしたのだが、店員やタクシーなど誰からも女と一緒だったと証言してもらえず何かが変だと思い始め、大親友の男に死刑執行の前までに、その幻の女を探してもらうようになったのだが…犯人はこいつだ。と自己流推理しながら読んでたから真相が楽しみだった。だが犯人は想像と違ってた。図書館で借りた本。
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名作として名高いこの本は、1人の女性を探すことで話しが進む。主人公の男がある女性と一緒に居る間に家で殺人が起きる。アリバイの証明のためにその女性を探すが、だれ1人として女性を覚えていない。これはどういうことだろうか。
この作品は文庫本ですら1976年に発行されており、古典と言えるだろう。当時、この作品が世に衝撃を与えたことは想像するに難くない。しかし、ミステリ小説が溢れるようになった現在、その衝撃を未だ持ち続けているとは思えなかった。
ミステリという視点ではどうしても、都合が良すぎると思ってしまう点がいくつかある。ミステリのような整合性が重要視されるジャンルでは、気になってしょうがない。
最後の方で驚きが用意されているものの、私はあまり驚けなかった。確信は無かったが、なんとなく思っていたことが当たっていたのが残念でならない。ただ、読者の焦点をずらす設定にしている事は本当に上手いと感じた。やはり有名作だけあって、読み応えもあり、先が気になる展開を見せてくれている。人に薦めるのにはうってつけの作品だと思う。
それと、冒頭が素晴らしい。やはり有名らしいが、この表現は痺れた。
夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。
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いわずと知れた名作です。名作中の名作なんです。
彼の作品には、エドワード・ホッパーの絵画が似合います。こちらも「ナイトホークス」という代表作が御座いますが。
絵心のない私ですら感ずるものを覚えて、PCの壁紙なんかにもしていました。併せてご覧になられる方が居たら幸いというか
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読者の期待をふくらませ、いかに裏切るか、というのがミステリの醍醐味なら、この小説の読者の騙しかたはなかなかすごい。
流石に不自然な部分もあるが、裏切り方が鮮やかなのはやられた、って感じ。