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主人公の性格というか考え方というか生き方が、どうにも好きになれない・・・
まあ、そこがこの話の軸なんだろうけれども。
風美子が主人公にくっついているのも、よく分からず・・・
でも、角田さんぽく、最後はキレイにまとまってます!みたいな感じ。
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苛められた側は怨み骨髄に入るも、虐めた側は毛ほども記憶にない。清く正しく生きれば最後には勝つ、というのは小説とドラマだけの椿事なのか。因果は巡りめぐる。応報とは何なのか。不幸な出来事はあったけれども不幸な人ではない。不幸にするもしないも自らの自覚。巻き込まれたのを人のせいにするのは、とんだお門違い。巻き込まれたくないのなら巻き込まれないように生きればいい。巻き込まれるのも巻き込まれないのも自らの意志。笹の舟でも海は渡れる
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女性の一代記であり家族小説でもある。左織のような受け身の女性は現実にいるだろう、と思わせる説得力があった一方で、風美子にはリアリティを感じにくかった。左織と彼女の娘のような関係性も珍しくないことと思う。時代のディテールはこだわって描かれていたが、この本で著者が何を伝えたかったのかはよくわからなかった。
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本の雑誌で絶賛だったので
図書館で見つけ次第貸出
いままで読んだ角田光代みたいに
これがテーマでぐいぐい読める
というのとはちょっと違う
正直面白さだとほかの角田本が
面白かった
でも読み終わった後
ほかの人に感想を聞きたくなる
どう読んだか聞きたくなる
そんな本
今33歳だが
老後になってこの本を読み返してみたい
今読んでおいてよかった
タイムカプセルのような本かもしれない
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女同士ってやっだなー(;´Д`Aと心から暗い気持ちになる反面、まあこういう関係性とか人生もあるよな…とは思う。主人公の嫉妬心は、まあ、分かる、かな…
でもこの主人公に人としていまいち共感できないから、いやだわーこの女、と思いながら読む感じだった。それでも読めたんだから、エンタメとして面白いんだろうな。
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これはなんだかオドロオドロしい
復讐の物語なのかと思いきや
長い長い物語を読んだ末、
そうじゃなかったと分かり、ほっとしたような
肩透かしをくらったような。
でも「人生への復讐」という言葉には激しく納得。
左織の人生を読みながら、時代は違うけれど
結婚生活や、子育ての難しさ、虚しさに
ついつい人のせいにしてしまいたくなる
気持ち、分かるわ~。
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ある女性の(ほぼ)一生を描く物語。
昭和の実際の出来事と重ね、主人公の生涯をたどる。
様々なエピソードが描かれるが、読み終えるとどこにも無駄が無かったとシミジミ。
きっと、人生ってこういうものなのかも知れない。
少なくても今の自分には、すごく”ストン”と腹に落ちた。
読み終えてなお、物語の世界に中にはまり込んでいるような錯覚を覚える。 読む者を離さない小説だ。
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義理の妹との長い関係を描いただけでこれだけ読ませるのはさすがです。左織と同じようにずっと疑い続けて読みました。
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角田さん好きやけど、今回はなかなか読み進められず、苦労した。
最後はストンと納得がいったけど、そこにたどりつくまでが長くて・・
いつもみたいな方が好きだな。
内容紹介
『本の雑誌』が選ぶ 2014年ベスト10(ノンジャンル)の第1位 獲得! !
終戦から10年、主人公・左織(さおり)は22歳の時、銀座で女に声をかけられる。
風美子(ふみこ)と名乗る女は、左織と疎開先が一緒だったという。
風美子は、あの時皆でいじめた女の子?「仕返し」のために現れたのか。
欲しいものは何でも手に入れるという風美子はやがて左織の「家族」となり、
その存在が左織の日常をおびやかし始める。
うしろめたい記憶に縛られたまま手に入れた「幸福な人生」の結末は――。
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64歳の左織の半生。疎開先で一緒だった風美子と再会し義理の姉妹として40年以上も人生を共にする。タイプが全く違うふたりの嫉妬が混ざった女の友情。普通の人生だけれど結婚、子育て、病気、死別、事業の失敗と人生のドラマが昭和の出来事と共に進んでいくストーリーに引き込まれました。全て人のせい、時代のせいにしているように見えるヒロインの暗い性格に母を重ねてしまいました。
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人の心の裏側をえぐるような嫌な感覚。それを見事に表現する筆致。いやだいやだと思いながら、ぐいぐい引きこまれて読んでしまった。
佐織は戦争中の疎開をともにしたという風美子と再会する。彼女と出会ってから、自分の人生に疑問を持つ佐織。昭和の時代を平凡に、それなりに幸せに生きてきた。もし風美子がいなかったら、自分はどんな人生を送っていたのか。いつもそんな思いにとらわれながら生きていく佐織の心のなかが、克明に描かれる。
人間の姿を、良いところも悪いところも余すことなく知らされると、自分自身のことすら、まだじつはわかっていないのではないかと思わせる。角田さんに書いてみてほしいとさえ思う。でも、怖い。
私は風美子が嫌いではなかった。誰も持っていない強烈な個性と、生き方が。丸ごとの人間が。
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昭和の時代とともに生きた佐織。
特別何が起こるわけでもないのに
ぐいぐいと惹きつける文章力は素晴らしい。
風美子バージョンの作品も読んでみたい。
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新刊はあまり読まない私が、「どうしても!」と職権乱用して職場の図書館に購入しました。
読み終わった今、自分の中に何が残ったのかは定かではないけれど、ジメジメ、ミシミシ、グルグル・・・
そんな気持ちが読んでいる最中ずっとあったのは覚えている。
ある日急に目の前に現れた「かつての疎開先の友人」を名乗る女性が、主人公のありふれた毎日にどんどん食い込んでいく。主人公より楽しそうに、贅沢に、楽しそうに、時に優しく手を差し伸べてくれるときもある。
「彼女はいったい、誰なんだ」
大きなトピックやショッキングな題材を取り上げなくても、普通の生活の中に潜む恐怖。それが本当に恐ろしかった。
主人公の左織は私であり、友人の風美子もまた私であった。
最後まで真意は語られないが、読み終わった後は本当に疲れ切っていた。
角田光代さんの作品の中で、今までで1番のお話だったと思う。
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「人生」ってなんていうか、本当に不安定で危うくて行先もわからなくてどこかにたどり着いてしまったあとでようやくその意味が見えたりするんだろうね。
いや、たどり着いた後でも意味なんて分からないのかも。
自分の舟を自分で漕いでいるヒトと、いつも誰かの舟に乗っているだけのヒトと。
そりゃ、そのどちらの航海かによって途中が変わるのは当たり前。
その違いによって、だけじゃなく、航海自体を楽しめるかどうか、によっても変わるし。
対照的な2人の女の60余年の年月。
どちがより幸せか、なんてわからない。
条件的には幸せのはずでも中身は全然からっぽだったり。
って、なんか、時代が違ってもきっとこういう問題ってのは普遍なんだろうな、きっと。
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主人公の左織は戦後の銀座で、
疎開先で一緒だったという女性風美子と再会し、
仲良くなる。
その後風美子は左織の結婚相手の弟と結婚し
義理の妹となる。
風美子と一緒にいるうちに封じ込めていた
疎開先での嫌な記憶を思い出す左織。
自分がいじめにあったり、いじめられないために
集団で特定の子をターゲットにしていじめたり。
風美子は逆に疎開先で陰湿ないじめにあっていたと言う。
風美子は左織への復讐のために義理の姉妹にまでなって
左織の人生に入り込もうとしているのか、否か。
そのミステリー要素でどんどんひきこまれて
読んでしまった。
ただし一人の女性の一生を淡々と追いかけているので
読後感は本当にくたびれた。お葬式につぐお葬式。
人間が生きていることって、人の死を見届けること
なのではないかと思うほど、お葬式が区切りとして
出てくる。そこが重く、自分とシンクロさせて
しまって、読後に疲労感が残った。
また左織と娘との確執が角田さん特有の
いやーな感じで書かれていて、それも読んでいて
本当にくたびれた。
戦後の急成長の様子や歴史の中の出来事が文章に
盛り込まれているのでとても面白く読めたけど、
また読もうとは思わないかな。最後もうーん
さっぱりしたようなしないような・・・。