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おもしろかった。日本に生まれて自分が当たり前だと思ってる育児のやりかたが当たり前じゃないんだと思えた。(逆に、ここは本質的に当たり前のようだと分かったところもあった。)著者は台湾生まれだけどアメリカでアメリカ人夫婦のもとに育ったアメリカ人。いろんな世界の子育てを調べただけでなく、自分の娘にやってみている。
たとえば、おむつはずし。中国では生後6か月からおむつはずしを始めてマスターもずっと早いそうだ。「またわれパンツ」というのをはかせて、とにかく子どもがしそうになったら、ゴミ箱の上でもどこかの洗面所の上にでも移動させて、させようと試みて、うまくいかずに床や地面を汚してもそれを掃除する手間をいとわない。著者が1歳7か月の娘でチャレンジしたところ、子供の排泄中心に生活が回るのに疲れたけれども数週間で日中のおむつは外れたとのこと。
またたとえば、ベビーカー。そりゃ世界の各地にはベビーカーなんて使っていられない場所もたくさんあるわけで、本来、おんぶ・抱っこで移動があたりまえ。ベビーカーはもともと英国の特権階級が「子供の遊び道具に可愛らしいものを」と作らせたディスプレイ品だったそう。抱っこやおんぶで親と日常的に行動をともにする子のほうが前庭刺激をたくさん受け座る、立つ、歩くなどの能力の発達が早いという研究があるらしい。アフリカのキプシギス族は赤ちゃんが安全に寝転がる場所もそんなにないので生後1か月の子も1日の60%を座ってすごし、練習を早く始めることもあってアメリカのこどもよりはるかに早くたって歩けるようになるそうだ。
それから驚いたのは、アカ族は非交戦種民族のためか、父親が赤ちゃんの面倒をみる割合が世界一で、なだめるために父親の乳首を吸わせたりもするらしい。父親母親の役割分担は世界的に所与のもののように思えていたけれどもそうでもないらしい。(この章の著者の、夫との育児分担とその気持ちや顛末はとっても共感できるものがあった。)
日本についての章も面白かった。たしかに幼稚園児同士のけんかとか、あんまり止めない。自分たちでやれるとこまで解決してご覧と、先生たちは見守るのがふつうと思っていた。その功罪など。「アジア人の学業成績優秀さ」の理由とあわせて、いじめ・自殺といった社会問題と通ずるものも。
「こうしないとだめ」というんじゃなく「こうやっても育つしこうやっても育つ」というのがあると、ゆったりした気持ちになれていいと思います。
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世界各地の子育てについて、アメリカ人の著者が書いた本。どんなやり方をしても、概ね健康に育つものなんだな、と思う一方、つまり育児というのはかなり社会文化的なものであって、自国の文化とは違う育て方をするというのは、長い目で見るとやっぱりリスクというか、不都合を生むこともあるのかな、と思わされた。
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目からウロコ!夜更かしも気にしないアルゼンチンの乳幼児。中国の股割れパンツでトイレトレーニング。そして、父親までおしゃぶり代わりに乳を含ませるアカ族。父親の子育てのポテンシャルを奪っていないか?という問いかけにぐっときた。
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幼い娘を持つ母親でもある記者が、世界各国の子育てを取材し、自らも実践していくルポルタージュ。常識として両親や産院で教わる子育て方法も世界を見てみればバラバラで、親子の数だけ子育てのやり方も違っていいんだと気付かされ、楽になった。
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アメリカ人の著者がブエノスアイレスで子育てをしながら、世界各国の子育てに関する事情や研究を調べた本。
アルゼンチンではたまの夜更かしもかまわず、フランスでは子どももコース料理を食べ、ケニアではベビーカーは使わずにスリングのような布で赤ちゃんを巻いて運び、中国では股割れパンツで所構わずトイレトレーニング、アフリカのアカ族のお父さんは育児に柔軟で47%参加して、ポリネシアでは子どもの中で年長さんが幼児の面倒をみる。
子育てを始めた私は、子育ての何かにつけて、昔はどうしてたんだろう、もっと原始的な暮らしの地域はどうなんだろうと考えを馳せていた。その疑問に答えるようなさまざまな地域の特徴的な子育て方法が書かれていてとても興味深い内容だった。
日本人が気にする細かいことなんてあんまり気にせず、いろんな文化圏のいいとこ取りをしていきたいな。
点を下げた理由。そこの人の名前から家族の歴史から暮らしぶりから、記述が詳細かつ多すぎて本論までたどり着くまでが読みにくかったかな。
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タイトルままですが、筆者が世界各地の子育て方法を、各有識者の見解や、現地の家族の話などを入れて紹介している本です。
筆者が一児の母であることから、様々な国の育て方についての疑問点や不思議に思ったことを調べていく内容です。
アルゼンチンでは子供も夜更かしは当たり前。
フランスでは食事をただの栄養摂取でなく、「食事」を楽しむ。
中国の有名なおしり開きパンツのトイレトレーニング効果
アフリカのアカ族は父親が子どもと一緒にいる時間がとても長く、母親代わりに乳首を吸わせることもある
日本の子供同士の喧嘩は大きなことでなければ当事者で収める
アジア人の子供の学力成績はその家庭の名誉に反映される
などなど…
筆者も感化されつつも、「そういう子育てもあるのか。私はこうだったな。取り入れられる所は取り入れよう」というくらいの内容なので、押し付ける感じもありません。
個人的には2章のフランスの食事文化については大変気に入り、今は「ながら」ご飯は控え、家族と話をしながら食事をしています。
日本でやるには周りの目もあるから難しい子育て法もあるとは思いますが、1つの違う見方・捉え方を知るだけで世界が広がり、また自分の子育ても人と少し違ってもいいんじゃないか、と思わせてくれた本です。
内容は☆5つの面白い書籍でしたが、有識者の見解や現地家族の語りの紹介が色々な所で大量に出てきて、大変読みにくいです。
構成がもっと良ければ…と思い、☆4つです。
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母親という同じ立場で著者が明かす育児の自虐ネタに親近感。「子供は不愉快な人物との付き合い方を学ぶ必要がある」という日本の保育園の言葉に共感。「現実社会を力強く生き抜いていける子に育てたい」というゴールは万国共通、そこに至る各地域性に沿った多様な育児のやり方は興味深く読めた。
「良い親になる方法は世界中にいくらでもあふれている」の本書の言葉はフッと気を楽にさせてくれるけれど、そこから自分と子にとっての有用な方法を選び取っていくのがまた一苦労。
読みにくさを除けば視野が広がるおもしろい内容だった。
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結局どんな風にしても、
とりあえず子供は育つ。
ただし正解というものが
あるかないかはわからない。
フランスの幼稚園の給食が羨ましすぎる!
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当たり前と思っていた出産育児が自国の文化に基づいていたことを知る。知的でおもしろい本!
既成の離乳食は?ベビーカーは?全く使わない国もあるんですねー。
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世界の子育ての多様性を著者の実体験を交えながら人類学的に示した本。翻訳なので少々読みづらい。
子供に家事労働をさせること、アジア人が学業優秀な理由など、文化的な要請もかなり大きいのだと感じた。どれが正解というわけではなく、これだけの多様性があるということは正解がないということ。著者のように色々なやり方に刺激を受けながら、良いところは取り入れていけば良いと思う。
我が家も遊びの代わりにお手伝いを取り入れても良いと感じた。できないと決めつけるのは親。家族の役に立っているという本人の幸せにもつながるものである。
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著者は台湾生まれのアメリカ育ちで、当時3歳くらいの娘さんをもつフリーランスのジャーナリスト。
ママなので、実際に誰もがぶち当たる子育ての苦労や悩みあれこれを、世界のあらゆる人種の風習や文化の観点からかなり深く子育て事情を掘り下げた内容。
なるほどと思うことばかりでした。
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日本をはじめ、先進国では「育児のグローバル化」に巻き込まれており、今当たり前、こうして当然、と思っていることは必ずしも世界のどこかではそうではなく、あらゆるビジネスや世界進出が作り上げているモノ、コトに過ぎないこともあることを知れました。
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「子育て世代の親とその子供を営利の対象としたことで、多くの文化圏で育児のやり方に変化が起きた」
・
何が子供にとって、自分たち家族にとってベストかを常に個人レベルで考えることが大事で、
その上で広く視野を持てるようにするためにこういう本を読めたことは良かったなあと思います。
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著者は台湾で産まれてアメリカに養子に行き、
アメリカ人の両親に育てられた女性。
韓国人の旦那さんと、娘が一人おり、アルゼンチンに住んでいる。
台湾の実の兄妹や、韓国人の義兄妹、いろいろな国籍、人種の友人達の子育てを見ながらも、基本的にはアメリカで一般的な方法で子育てをしている。
ジャーナリストとして、少数民族を含めて、いろいろな子育て方法を取材したり、調査したりもしている。
この本には、どんな子育てが良い、悪い。と書いてあるわけではなく、この地域ではこんな子育てをしている。といろいろな事例が紹介されている。
特に、アメリカ的な子育てと違う点について、寝かしつけ方、食事、遊び等書かれているのですが、日本人の私から見ると「アメリカ的な子育」の方が馴染みがなく、また、世界各地の事例と比べても、アメリカ的なやりかただけが違っているように読める所も多かった。
しかも、一昔前のアメリカでの子育ては、現在のアメリカの子育てよりも、日本や他の地域の子育てに近く、短期間で子育ての仕方が変わってきていて、アメリカ的なやりかたが世界に広がりつつある事がわかった。
アメリカ的なやりかたが悪いわけではないのだけれど、変わってきた理由が、その方が子供にとってよりよいからではなく、商業的な戦略による所が多いようで…母として、企業の戦略に乗せられるだけでなく、必要な物を選び取れる知識は必要だなと考えさせられた。
欧米のやり方が世界に広がっていく傾向があるけれど、昔から行われてきた、その地域に根差した子育て方法というのも、その土地の風土にあっていたり、理に叶っているものもあり、昔ながらのやり方も見直しつつ、世界各地の子育ての知恵を、自分の子育てに生かしていきたいなと思いました。
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社会的規範が子育て方法を決めている。母子手帳に書いてある内容も、日本社会の要請が形になっているものだと思う。何にせよ、親子が精神的に満たされていることが大切だと思った。当事者でないのに子育てのやり方について文句を言う人に読ませたい。
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各章のタイトルだけで大体の内容が分かり、あまり読みやすさや読むことによるメリットを感じなかったため。
マイルドな装丁と異なり、内容は結構驚きの連続。
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いろんな方法で子どもは育つ!という勇気がもらえた本。日本の保育園が目線を変えると「放任」に見えるのは面白い。価値観のアップデートができる柔軟性をもっていたい。