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巷では迷走しているとかいわれている国連。
その存在が気になって読んでみた。
どこで働きたいかより、何をしたいかってことが大切なんだなって改めて思えた一冊。
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著者は国連職員になれたことを
単なる幸運・まぐれといった表現で書いているけれど
経歴(経験)を見るとそうでもないと思う。
自由に生きるアーティストたちがたくさん出てくるので
「私たちきらきらしてます!」で終わられると辛いなーと思いながら読み進めてましたが
国連組織で年金をもらうまで働くという安定の道を選んだ人も
肯定していて安心しました。
国連も、組織という点では会社と同じということがわかるだけでも
十分おもしろい本だと思います。
サッカーワールドカップ、日本と相手国、どっちを応援するの?
この質問が印象的でした。
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面白くて一気に読み終えた。
国連の仕事(正確には著者のやっていた仕事)はわりあい退屈でやりがいがあるわけではない、というのはちょっとびっくりした。でも考えてみると国連というのはどう考えても官僚組織だし、国際政治をそのまま反映しているのだと考えればそれこそ妥協と矛盾の産物であって、融通が効くはずもない。ぼくも会社で働いていて、仕事を始める前に社内政治と根回しで疲れ果ててしまうことがたびたびあるが、きっとそういうレベルではないのだろうな。
そういうところに放り込まれて、四苦八苦しながらいろいろ考える著者の彷徨が楽しい。確固たる哲学や野望があるわけではなく、割合その場の勢いで、でも真剣にがんばる姿は、そこらの一生懸命なサラリーマンとあまり変わらない。
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パリは美しいだけじゃなく、
人間らしい、懐の深い街。
国連(本部、フィールドじゃなく)は、
もちろんと優秀な人が集まっていて、
個性的だけど、特に特別な職場じゃない。
暮らした街で感じていたこと、
働いて感じていたことが、
遠からずシンクロして、
読みやすく書かれていた。
おもしろくて、とても共感した。
自分の感じ方を文章で再確認するような感覚もあって、
一晩で読んでしまった。
p197 驚いて窓辺に行くと、確かにおじさんが窓を大きく開け放ち、通りに向かって全身全霊で声を張り上げているではないか。バックにはバイオリンとピアノの演者が一人ずついる。曲はなにかのオペラのようだ。
前触れもなく空中に現れた小さな舞台に。私たちはすっかり見入ってしまった。街行く人々も「なんだろう」と頭上を見上げ、立ち止まっている。
十分ほどで劇的なクライマックスを歌い上げると、おじさんはパタリと窓を閉じ、あたりには
いつもの日常が戻った。
パリに対する描写は、特に共感できた。
ー こういうことが、日常的にあるのだ。
色々あるけど、懐の深い街。
人間臭くて、
ふとした日常に心をギュッと掴まれる街。
そうなんだな、
やっぱりそうだったんだな。
p107 私は、この街を好きになってきていた。それはただ美しいからではなかった。パリはとても人間的な街だった。多くの場所に歩いて行けて、人々は路上で議論したり、けんかしたり、歌ったりしている。通りにはギターを抱えたストリートミュージシャン、セーヌ川沿いには日光浴やピクニックをする人が増えた。いつも何かが路上で起こっている、そんな街に見えた。
p174 彼らはやり方は違うものの、みな表現すること、卓越したものを生み出すことに飽くなき情熱をぶつけていた。彼らが生み出す作品は、リアルな世界そのものだ。人が感動し、生きる活力を得る、そういう種類の作品だ。そういうものに触れると、心が震えた。
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軽い気持ちで履歴書を送ってしまった国連職員の募集。それから2年後、突然の採用面接案内。パリで面接を受けて、あれよあれよとパリの国連で働くことになった著者。国連職員は帰国旅費つきの長期休暇アリ、買物の免税特権アリ、残業ナシ、25年勤務で死ぬまで年金支給という超ホワイト労働条件だ。2000倍の就職競争率はダテじゃない。
そんな恵まれた職場だが、そこは言葉も文化も主義も宗教も異なる人々がバラバラに働くカオスでもあった。通常の企業であれば、「利益」という共通目標に全員が向かっていくが、国連にはそれがない。世界各国から集められた支援金をどう使い切るか、どう配分するかという、お役所的な内向き論理が幅を利かせている。そのため、予算がない部署は何もできないし、何もしなくていい。コピー用紙すら不足する。そのうえ、正規社員と非正規社員の格差はとてつもなく大きい。
そんな職場での働き方は2つ。ひたすら出世して予算を使いまくれる部署を目指すか、アフターファイブを満喫するか。著者は後者だった。大学講師になり、趣味ではじめたパリ在住者へのインタビューを経て、作家になりたいという夢が仕事のモチベーションを上回ってしまう。
こうして、著者はパリ国連生活を5年半で終わらせ、帰国してフリーライターに。著者の夢の実現に対する貪欲さと行動力には、すごい爽快感を感じる。そして、世界平和を目標にする国連の非効率さを知ると、戦争はなくならないはずだと納得。
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こちらもおもしろかった。
国連の仕事なんてどんなにエキサイティングなんだろうと思って読みはじめたけど、部署によってはほんとに役所みたいな、退屈っていったら役所に失礼だけど地道でわりにヒマな仕事なんだ、と知る。
パリで国連で、いかにもバリバリ働くって話かな、と予想していて、そういうんじゃなくて、けっこうヒマで仕事もルーティーンで、ってなったときに、さてどうするかこのままでいいのか、って考えていくところが好きだった。
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仕事に追われる毎日のなか、本人がすっかり忘れた頃に舞い込んできた国連の採用試験の通知。彼女は現状を変えるために、ほぼ見切り発車でパリへと飛び、「国際公務員」としてパリでの勤務をスタートさせる。
「国連」と一言でいってもその中身は多岐に分かれます。事業内容によって予算面も大きく異なるなど、なかなか知りえない国連の内部が垣間見え、国際色溢れる刺激的な日々の様子をユーモラスに描いているため読んでいてとても惹かれるものがありました。
国連という社会的にも経済的にも安定した地位を手にした著者。傍から見ればきらきらと眩しい世界に見えますが、数年現場に居るなかで見えてくる職場への不満、ふと考える身の振り方などは、仕事をするほとんどの人が共感する身近な問題のように思います。
ひとりの女性が経験する華やかな都市パリでの生活、ユニークな人々との有意義な交流、先にあるひとつの決意。それはそれは清々しいほどの潔さです。バイタリティに溢れた彼女の決断をとやかく言う周りも居るでしょうが、彼女の人生は彼女のもの。自分のものさしで判断して、夢に向かって突き進んでいく著者を素直に応援したくなります。
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すごい人が、すごいお仕事のことを、軽く書いたお話。
軽いと書いたが、読みごたえがあった。
こちらも元気になる、ポジティブになれるお話ではあるのだが、ちょっと能力がありすぎるから、誰もが彼女のようには生きられない。
自己啓発になるというより、あ〜、すごいなあ、おもしろかった〜で読み終わればいいのだろう。
もともとそんなつもりで読み始めたのではないのだから。
感想がちょっとひがみっぽい⁉︎
大丈夫か、私…
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かる~い読み物のつもりで手に取ったら、面白い!!!
本人は国連で割り振られた仕事には退屈気味のようだけど、なんせソルボンヌ大学で講義もっちゃうくらい(そしてそれを学生から支持されるくらい)有能な才女だから、その辺は割引いて読まねばな…?しかし自慢風は一切吹かせず、素直に書かれていて好感度抜群。恋人ができた経緯も書いてくれてるので、その辺も大満足。仕事よりも家族が大事だというのが国連の精神なら、恋人との付き合いだって大事なはずだものね。
ちょうど新書で読んでたバンリュー(クレテイユ)の話も出て来てそこは胸が痛んだ…。黒人の自分が不動産に付き添うと部屋を借りられないだろうと若い女性に言わせる街、それもパリ。
しかし、もしも私だったら「国連」の「パリ」支部で働く自分という環境に満足しちゃってぬくぬくぬるま湯の中で暮らしてしまいそうだ…。(そもそもそこへ辿り着けない、というツッコミはさておき)
「マイプロジェクト」への憧れも無いし、自己顕示欲の強いクリエイターはむしろ苦手な生き物だし…。うっかり自分と比較してしまうとしんどい本ではあるね!作中では「幸せは人それぞれ!」と、多国籍な人と付き合った人ならではな柔らかな物腰で提案されてるのが救い!
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パリの国連本部で働いていた時の経験を綴った女性の話。元シンクタンク勤め。激務の職を捨てて国連に行った彼女の話は参考になったが、本部勤めの彼女とフィールドに出たい自分とはまた違う話なのかもしれない。それにしてもパリに一度住んでみたいなぁ。羨ましい。
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☆3.5
ミーハー心が擽られる、そんな憧れパリ生活。
誰もが羨むステータスの異質さを軽やかに遊び心をもって紹介されている。
でもなんだかな、この人は国連で何をしたかったのかな。よくわからない。
国際公務員だからお役所仕事は大前提で、その制約の中でももっと熱く真正面から頑張ってる人をたくさん知ってるからすごく違和感。
どこの組織か知らないけれど、国連って一括りにしないでほしいな。
なんだかな。
でもある意味では、リアルな側面が追体験できて面白く、
マイプロジェクトのモノ書き然り、大学での授業然り、さらっと書かれているようで物凄い努力に裏打ちされたものなんだろうな。
好きに貪欲になること、見習いたい!
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世界って広いなぁ!と強く思わされるとともに、日本を飛び出して、人種や国籍、文化的背景を問わず、様々な人たちと共に働きたいと思わされる作品でした。
母国とは全く異なる常識や価値観の中で生活することって、辛い時も多いと思うんだけど、エキサイティングで刺激的で絶対楽しいんだろうな。
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読みながら、まるで自分もそこにいるような錯覚に陥った。様々な国の人と一緒に仕事する空間てこんな感じなんだろうなあと思った。
日本人として世界の第一線で活躍し、パリで奮闘する著者の苦労や国連のイメージと現実とのギャップに奮闘する様子がとても面白く、一気に読んだ。イギリス留学時代を思い出した。
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タイトルが適切でおもしろい。世界の人々・芸術家が集まる国際都市パリの国連の正規職員に、奇跡的(?)な幸運から選ばれる。しかし、そこは想像とは異なり、カオスに満ち、非効率的で、自由なのに規律に縛られる世界だった。国連で働くいろんな国からきた仲間たち、そしてパリに集まってきた日本人や外国人たちは、様々な夢をもちながら生きて行く。生き生きした文章が描く彼らの生き方とパリの描写が面白いが、またある意味では切ない。
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公募で国連の職員になった筆者の、5年間のパリでの生活と、国連での仕事について書かれたエッセイ。
日本からパリに渡ってのアパート探しや、色んな国の人たちとのやり取り、国連での仕事とそれに対する意識の違いなど、実際に国連で働いてなければわからないことが書かれていて、これから国連で働こうと思っている人は読むといいかも。
日本と全然違うことや、国連なのになぜ?と思うことも多々。
国際協力、NGO関係に所属してた人や、現場を知っている人から見たら国連なのにって思うことがたくさんある。
熱い想いを持っている人ほど、思い描いてたものと実際の国連の仕事とのギャップに悩むのかも。
それを知れる一冊です。