紙の本
寒い冬にまた読みたくなる
2016/12/06 11:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:coco - この投稿者のレビュー一覧を見る
渡り鳥のローザのひと冬のお話。
絵がとびきり素敵です!
特に、ローザの頬や「ほっぺのはな」等の赤色の使い方が印象的。
居場所を見つけながらも旅立つローザの静かな余韻を残すストーリーも心に残りました。
投稿元:
レビューを見る
ソーニャ・ダノウスキの絵がすごいです。
感動しました。
絵とストーリーぴったりとマッチしています。
翻訳の蜂飼耳さんの文が、これまた美しい。
今度、蜂飼さんの詩集を読んでみます。
投稿元:
レビューを見る
とにかく美しいこの絵の虜になりました。ページをめくる事に、その絵の中の全てが、生活が、読み手の想像力を掻き立てるのです。
秋から冬の終わりの柔らかなひかりを、グレーから茶色のグラデーションと、ほっぺのローズ色だけで描いているところが、語りすぎない情緒となっているような…
渡り鳥ローザを助ける犬のミール。ミールのかいぬしアンナ。アンナの家での暮らしは、それは素敵。サンルームのようなお部屋で、ほっぺの花の種の成長をなんとなくしんみりと、でも楽しげに待つところなんて、素晴らしい絵で表現されています。
春が近づき、ほっぺの花も咲き誇る頃、ローザの仲間たちがやってきます。
ローザはどうするのでしょうか…
絵本の中に作者、役者の言葉がつづられた冊子がはいっていました。もともとは、ベルリンに住む画家のソーニャさんが描いた絵が始まりだそうです。
その絵を、海を隔てたアメリカオハイオ州の、マイケル・J・ローゼンさんが見て、ベルリンとの繋がりを感じ、物語にしていったのだそうです。ローゼン氏はミールのような愛犬と暮らし、家にはほっぺの花(クリスマスローズ)が9ヶ月も咲き誇ったところだったそうです。出会うべくして生まれた、奇跡のような絵本なのですね。
ローゼン氏は言っています、それぞれのページに描きこまれた豊かな時間。そこにはストーリーの陰に隠れた秘密のかけらの物語が、読者である私たちが、想像の中で出会うために残されている…と。
素敵ですね。ずっと眺めていたい絵本です。
投稿元:
レビューを見る
季節は冬から春へ、渡り鳥のローザの出会いと別れの物語。
仲間たちと渡りの途中、宝物の〈ほっぺのはな〉の種を抱えて飛ぶローザは力尽きて川に落ちてしまう。彼女を助けたのは犬のミールと飼い主のアンナ。「みんな それぞれ じぶんの こころのなかに おたがいの いばしょを みつけていった」という表現がとても気に入った。
でも穏やかに流れる楽しい時間は同時に変化と別れも運んでくる。
「とおくに いても ともだちだよ…。さよなら きっと また あおう」の絵のないそのラストのページを無言でずっと見つめていた6歳の息子だった。
一羽と一匹と一人の「こえに ならない それぞれの おもいが あおい そらに とけていく」お別れの光景は、これから迎える卒園式の日の息子たちに自然と重なってしまう。