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騙されたと思って読むのではなく、読んで騙されて楽しむべき本です。
内容としては、江戸時代の人間が現代にタイムスリップした時に見たものを浮世絵に残した…という設定の壮絶なネタ本。
「それらしさ」をかもし出すための細かい工夫に感心させられます。
(詳しくはネタばれになるので、本書内でご確認ください)
もし江戸時代の人間が現代の日本(東京)を見たら…という思考実験の追体験を楽しむもよし、家族や友人と「これなんだ?」となぞなぞ的に楽しむのもよし、1冊のギャグマンガとして楽しむもよし、人それぞれ色々な楽しみ方ができると思います。
半面、正直人を選ぶ本だと思います。
私自身はこういうネタ本は大好きですが、一方で自分の友人・知人を思い浮かべては「この人は絶対ハマるから勧めたいけど、あの人には合わないだろうから勧められないな」と、勧める人を選んでしまいます。
ただ、ネタのためには多少のお金を払ってもよい、という方にはぜひお勧めの一冊です。
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面白い!絵は上手いし、文章もいい。ちょっと頭をひねらせるところも。
「冬至老人」や「南瓜祭り」などすぐわかって笑えるものもあれば、一瞬何だろう?と思うものもある。「地伝鹿」「穴熊」はすぐにわからなかった。
それにしても、スマホやPC、蛍光灯やルンバなどの電化製品には無理があるが、「猫茶屋」「明恋」「男の妓楼」「女芝居」なんかは本当に江戸にあった、と言われれば納得してしまう。ということは、人間あまり変わっていないということね。そんなことに気づかされて感慨深かった。
中世の銅版画家が、現在のヨーロッパにタイムスリップしたという設定で同じような本を作ってもこの面白さは出ないだろう。
ヨーロッパで電気製品や乗り物以外の生活の基盤は日本ほど変わっていない思う。異教の祭りを祝ったりしないし、住居もさほど変化なし。
日本人の生活の変化は凄まじかったのに、気質的なことは変わらなかったからこそ、このような面白い本が生まれたのだ。
著者が次にどんな仕事をするのか大いに期待したい。
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フィクションかやられたな。
これ実在だとすごい歴史的価値なのだからもっと大きく取り上げられても良いのにそんなことはなかったわけでそこに期待を持つべきではなかった。
それはそれで分かって読めばすごく面白いと素直に言える内容。現代の事実を過去の風俗に当てはめうまくと当時の様子を描ききれれば新しいジャンルとして楽しめる。そしてまたこの本が未来へと伝わるといったいどのような扱いを受けるのだろうかそれもまた楽しみだ。
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昭和47年、前橋の旧家で発見された、幕末の絵師・歌川芳細の手による『うろ覚え草紙』の現代語訳・解説本。という体裁のウソ本。
『うろ覚え草紙』は平成にタイムスリップした芳細が、江戸時代に戻ってうろ覚え(笑)で平成の風物を描いた本であり、昭和の発見当初は「何のことやら?」と思われていたものが近年「もしや大発見では!?」と再研究されている、というもの。
発見された旧家の写真や、芳細本人についての解説(※全部ウソ!)を載せるなどその徹底ぶりが面白い。元ネタは書いてないので推測するしかないけれど「フリスビー」や「地デジ」であろう物が載っている。「ああ、いろいろ間違っちゃってるよ、芳細さん……!」と、腹がよじれました。
こういう本、大好き。くだらない本が出版される余裕のある世の中は素敵です。一冊とっても、楽しめました。
どこからでもパラパラ読めるので、空き時間に気軽な気持ちで読めます。
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図書館にて、ちらっとめくって面白そうなので借りたのですが、中身読む前に、あとがき読むまで気付かなかった!この絵と質感は卑怯だー!
いやぁ、もうその感性まで江戸時代にせまってるー、と感心しきり。だって、江戸時代の人たち、よく理解こえたことを、当時の感覚に落として書いてたりするじゃん!そこが真に迫っていて、もう引き気味です。
「屑吹桶」は絵を見るとほぼ妖怪ですが、猫と相性良い!ににまにま。
あと服を着た犬ちゃんがかわいらし過ぎました。
地傳鹿もやばい、千里の鏡への貢献度がやばい。
あ、怒られたんだ。
HPを拝見し、沢嶋に爆笑。
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ハロウィンとかAKB48とか、あまりにも具体的に書かれすぎてて、えぇー!ほんとに?って言いながら読んでいたけど、まさかこんなオチがあるとは想像もしませんでした(笑)
江戸時代に描かれたにしては綺麗すぎる絵だなとか、ちょこちょこ引っかかるところはあったんだけど、まさか(笑)
やられた〜と思ったけど、面白かったので良しです!
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歌川芳細(うたがわよしこま)という絵師がいた。その絵師が描いた『虚覚草紙』という本がある…その内容から世間に混乱をもたらすものとして、幕府から発禁処分となり人目に触れることがなかった幻の本。その本が発見され、学界に大きな波紋を投げかけている。
平成の世にタイムスリップしたとしか考えられない、江戸時代の絵師が描いた「平静」という時代の社会風俗。彼は21世紀の日本をどのようにとらえたのでしょうか。
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『へいせい』の御世にはやるもの、をんな四十七士に爪絵描き、童は毬入玩具に札合戦。名所を訪れれば穴あき衝立が必ず立ちて、水辺にゆけば潮浴び、山にゆけば杉風邪なるもの流行りける……(全部フィクションです)
「はて、これは何のことであろうか」
と、推理しながら、江戸の人の文章(フィクション)を面白く読めました。
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絵師・歌川芳細が、平成にタイムスリップして見たものを江戸時代に戻って書き残した、という設定の本。
すぐに分かるものも、少し悩むものもあって考えながら読むのも楽しい。
「書き間違いだろう」とか、リアル(笑)
芳細本人についての解説まであって面白かった。
P.102は何だろ?