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惹かれ合い、お互いを思いながらもいつのまにか自分を着飾り、本当の自分をさらけ出すことはできなかった冬子と三束さん。結末が切なかった。
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意外にストレートな恋愛小説だった。
短編ではけっこう変わった小説を書いている印象があったので、普通っぽさに驚いたw
ややたどたどしい印象の文体が、主人公の性格に合っていたように思う。
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多分、冬子さんみたいな人はどこにでもいるし、こういう人同士の恋愛もよくあるんじゃないかと思う。こんな風に、なんの形にもならない恋、のようなものも。
だけど、人とのかかわり方の下手さが自分と重なりすぎて、慣れていないから恋をした時の何もかもが新鮮な気持ちとか、これから先に起こるかもしれないことを想像して夢にまで見てしまう、その純粋なようで痛々しいくらい経験不足なところとか、何だか客観的に突きつけられた気がして悲しかった。たとえそこまでではないとしても。
全体的に優しくて、でもところどころ厳しかった。
言い合いになった時に聖が言ったことは、厳しいけれど
正論だなあと思う。他人とうまくやっていくにはエネルギーを使うから、しんどいんだよね。だけど、それを放棄したらどんどんひとりになっていってしまう。それでいいと思っていても、実際そうなってみないと分からないことの方が多いんだけども。
あってもなくても何も変わらないような小さなことを書いた話かもしれないけど、心が痛かった。
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とても文章は綺麗なのだけど、淡々とした日々と主人公のなんだかわからない心情に後半読み進めるのが辛かった。
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たまには、
と思ったんだけど、向いてないかな。
とにかく読み切るのに時間がかかった。
作中のどの人物にも肩入れできなかったし、
ラストも今ひとつ好みじゃない。
俺には向かなかった。
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突き刺さる言葉、まだ痛みを感じることができるなら。
自分を映す鏡になってくれるのは、自分のなかにいる
もう一人の知らない自分。
とてもゆっくりと、でも確かに忘れていく大切なこと。
いまを見る、明日を見る、過去を見続ける。
信じる気持ちがあれば。
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冬子と三束さんが出会い、心を交換し合えたこと。
みじかくとも、その奇跡みたいな美しさをうらやましく思う。
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(レビュー・感想というより、読むに至った経緯)
平台に置かれているのを発見。題名に惹かれて読むに至る。
"選ぶこと"をしなかった主人公が、
恋したおかげ(?)で自分の道を進みだすお話。
切ないけれどそれも恋。
愛していたら、なんでも、よかったんだろうか。
例え相手が嘘をついていたとしても。
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途中断念。
出てくる登場人物が皆、自分の事ばかり話している。人と人との交流が、会話が、愛がない。途中で嫌気がさしやめましまた。そういう人々が苦手なので。
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今日本屋で買ってきたのだが、すでに以前図書館で借りて読んでいた…。
その時のレビューはこちら。
http://booklog.jp/users/leepon/archives/1/4062172860
読みながら、静かに泣いた。
三束さん、と冬子が呼ぶたびに心がきゅっと絞られた。
ふたりは、光のことについて真剣にしゃべる。
そこだけが照らされているような。
忘れられていく日々の、確かな愛しさ。
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ゆっくり読み終えた話でした。
仕事してお酒飲んで…昼間から飲んで。
自分もある時期そんな生活をしてた時を思い出しました。悪い事ではないと思う、
そうでもしてないと自分をコントロールできず。
今はすっかり生活に慣れ、冬子さんと重なった部分に共感した話でした☆
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「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。私は、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信が持てない、誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々の中で三束さんにであった--。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
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水筒に日本酒を満たして、冬子さんは外出する。
光と色の関係は、冬子さんと三束さん、双方の関係性であったのかもしれない。
三束さんは、冬子さんよりずっと年上の年配の異性だったけれど、彼女のわずかな光を受けとめ、わずかに反射するその色を彼女に見せてあげることができた。
一方で三束さんも、冬子さんの心の拠り所となっていくにつれ、彼自身の光も受けとめられ、反射する光のなかに語られることのなかった彼の姿を見せてもらえたのだろう。
すべて真夜中の恋人たち。
ショパンの子守唄が聴こえる。
20141206
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ひらがなと漢字の独特なバランス(アンバランス?)が目をひく。主人公の不器用さ、周囲の猥雑さ、どこかみんな生きづらさを抱えている感じ。。etc。その痛みが、空気感や温度まで伴って、拒否したいぐらい生々しく伝わってくる。静かながら圧倒される文章でした。
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土砂降りと落雷。
動く予定だった電車は、落雷による信号機の故障で動かなくなり、その影響で、行く予定だった場所に行けなくなってしまった。
ぽっかりと空いた時間。
まるでこの作品を読み終える時間が用意されたかのように、そこにすっぽりとはまり込んだ。
この作品は「静謐」という言葉が似合う。
土砂降りと静謐。
この対極の空間。
その空間の中で。
ひとつひとつ紡ぎ出される言葉が、それらがまるで濁点のないひらがなだけが、はらはらと降ってくるような、静謐な文字の世界。校閲という主人公の職業と、ぴたりと重なる。
ひらがなの使い方、句読点の打ち方、段落の分け方。
それらすべてが美しく、絶妙なバランスでもって支えあって、緻密に計算されたように構成されている。
ある三角形があるとして。
頂点Aが動けば、それに合わせて頂点Bも動き、全体のバランスを調整している。この三角形は、常に流動的に頂点が動き、移動を繰り返す。動きながらにして、その三角形は、常に美しいバランスを保っている。
それほどまでに、美しい言葉で構成された、究極に繊細な世界。
その世界で、一粒の結晶も逃さないように、上に手を伸ばす。しっかりと歩く。言葉が雪のように静かに降り、しんしんと積もってゆく。
じっくりと足で踏む雪の感覚を味わうように、ミシッという一瞬の音を聞き逃さないように、読み進めてゆく。
恋そのものが苦しいのではない。きっと、主人公自身の苦しみが、恋を苦しくさせているのだろう。彼女はその、主人公が抱える痛みを、静謐な世界で描ききる。主人公の生きづらさにフォーカスしながら、恋の美しさを描いた、長編傑作。