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第二十四回鮎川賞受賞作。
僕――中央(あたりあきら)――は、大学院に通いながら、元世界チャンプ・英雄一郎先生が経営する、良く言えばレトロな「ビリヤードハナブサ」でアルバイトをしている。
ビリヤードは奥が深く、理論的なゲームだ。そのせいか、常連客たちはいつも議論しながらプレーしている。いや、最近はプレーそっちのけで各人が巻き込まれた事件について議論していることもしばしばだ。
今も、常連客の一人が会社で起きた不審死の話を始めてしまった。いいのかな、球を撞いてくれないと店の売り上げにならないのだが。気を揉みながらみんなの推理に耳を傾けていると、僕にある閃きが……。
この店には今日もまた不思議な事件が持ち込まれ、推理談義に花が咲く――。
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チューオーくんを始めとしてハナブサ先生も木戸の姉さんもみんなバランスよく個性的。それぞれの役割をきちんとこなしてる感じ。
ひとつひとつの物語がどこかに連載されていたような体裁になっていてまとめて読むにはちょっとしつこい気もするけど。
けどビリヤードと謎というなんともハイソ(死語?)な雰囲気が上品でいい。
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小綺麗にまとまったなー&タイトルがネタバレ
前者はさておき、後者はは致命的ではなかろうか。スリークッションのルール、やっと分かりました!\(^o^)/
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ビリヤード場に持ち込まれた事件をアルバイトの主人公が解決する安楽椅子探偵ものです。
ビリヤードからヒントを得て事件を解決するというアイデアは感心しましたが、トリックは真新しさがなく小粒。ストーリーは堅実過ぎて意外性がなく面白味がありませんでした。
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バリバリの本格探偵小説。鮎川賞受賞作品でバリバリの新人作家のデビュー作。
ビリヤードがモチーフなのが新しいが中身は平凡な謎解き。
物語構成と語りが滑らかなのが受賞の要因だと思う。独自性が背景だけなのが物足りない。
次回作で新天地を目指して貰いたい。読みやすい文章なので期待したい!
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大学院生の中央(あたりあきら)が働く、レトロなビリヤード店「ビリヤードハナブサ」。
僕こと中くんがお店の常連さんたちと巻き込まれるミステリ。
ミステリ自体は新鮮な感じがしないけれど、ビリヤードのプレイをみていて閃く推理が面白い。
ビリヤードも少しわかるようになったかも。
何より、お店の常連さんたちが曲者ぞろいなのが楽しい。
Aチーム?っていうくらいのチームプレイも出てきたり。
元世界チャンプでビリヤードのことしか頭にない英先生。
かつて世界を飛び回っていた元商社マンの佐藤のご隠居。
いろんなお店を成功させ、今は珈琲専門店を奥さんに任せて愛犬と散歩を楽しむ、小西さん。
運転手付きの車で現れる、年齢も謎の美女、木戸の姉さん。
英先生の教えにビリヤードに嵌められていく、中くんの友人の日下くん。
なんだか読みの難しい名前が多いのが難なんだけど。
もっと常連さんのことが知りたくなる。
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鮎川哲也賞受賞作です。ビリヤードハナブサというビリヤード店に持ち込まれる不思議な事件をビリヤードせずに推理談義に花が咲き、アルバイトの中央(あたりあきら)がビリヤード用語を使いながら解決していく物語です。結構、強引ですが、ビリヤード知識がないだけに、へぇ〜っと感心しながら読んじゃいました(笑)
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第24回鮎川哲也賞受賞作。
先日読んだ「探偵は教室にいない」と違って、こちらは楽しく読めた。
タイトルの「B」とは「ビリヤード」のこと。<ビリヤードハナブサ>はビリヤードを楽しみながら珈琲も飲めるちょっとレトロなお店。
オーナーは『ビリヤードの世界チャンピオンに輝いたことのある凄腕の持ち主だが』、一見『老境にさしかかったしょぼいオジサン』にしか見えない英(はなぶさ)雄一郎。常にビリヤードのことで頭がいっぱいで店の経営はそっちのけ、ビリヤード絡みでふらっと出かけてそれっきりということもしばしば。
従業員はプロのビリヤードプレイヤーを目指している遅刻の多いボーイの『カネちゃん』こと金子と、アルバイトの大学院生・『チューオー』こと『チュウちゃん』こと『ナカちゃん』こと中(あたり)央(あきら)。難読名のために誰も本名で呼んでくれない。
常連客は年齢はじめ何もかもが不詳だがお金持ちそうな姉御系『木戸の姉さん』に、元大手商社の商社マンでいくつもの外国で働いたことのあるという『ご隠居』こと佐藤さん、今は珈琲専門店のマスターだがかつてはいくつもの店を手広く経営しては飽きて売り払ったという経歴を持つ小西さん。
央の友人で急速にビリヤードに嵌りつつある日下も常連客となりつつあり、皆揃いも揃って姦しい。
こんな<ビリヤードハナブサ>を舞台に事件の謎解きが行われる。
レストランで起きた殺人事件と現場に居合わせた四人の男女。
オフィスビルの屋上から転落死した男とその場に居合わせた三人の同僚。
セキュリティ万全の研究所フロアで起きた不審死と同じフロアに居合わせた四人の研究員仲間。
個人宅のビリヤード専門室で起きた殺人事件と居合わせた四人の客や秘書。
これらの事件の謎解きの構図が面白い。
<ビリヤードハナブサ>の従業員や客が事件に巻き込まれたり事件の話を持ち込んでくる→常連客と従業員たちがワイワイと謎解き話で盛り上がる→英先生が何気にビリヤードを始める→それをヒントに央がひらめき事件関係者や警察に気になったことを確認→謎解き、犯人解明!
つまり、普段ビリヤードのことしか考えていない、殺人事件に巻き込まれ目の前に遺体があってもビリヤード台の心配をしている英先生が実は探偵役なのかと思いきや、一見地味で珈琲を淹れるのが得意なだけの(失礼)完全脇役にしか見えない央が探偵役なのだ。
しかし周囲が個性的でやかましい面々だし、英先生は実は色んなことを見通している出来る人なのかと思っていたら、本当にビリヤードのことしか考えていない人だったので、常に冷静で俯瞰できる存在の央が探偵役というのも至極適役といえるだろう。
ビリヤードそっちのけで殺人事件話に盛り上がる常連客や店員もどうなのよとも思うが、そこはあくまで他人事だからか。最終話で英先生が事件関係者になってしまったときは流石に一丸となって考えたりそれぞれ調べごとをしたり現場に乗り込んだりとチームになっていたし。
ビリヤードといえばナインボールくらいしか知らない、そのナインボールもルールくらいしか知らない私にとっては穴の空いていない台で行うスリークッションというゲームは初めて知ったし、さらに様々なビリヤード用語も知った。
実はこのビリヤード用語が事件の謎解きに大いに絡めてあって、それは各話のタイトルになっているのでネタバレではないのだが、知らない用語ばかりだったので次の話のタイトルが出る度に「これはどういう意味なのか」「事件とどう絡むのか」という楽しみがあった。
しかしさすがにビリヤード用語にも限りがあるだろうし、続編を書くにはネタ切れで無理がありそうだ。
調べてみたら受賞後も書かれている作品があるようなので、そのうちに読んでみたい。
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主人公はBハナブサ=ビリヤードハナブサのアルバイト。みだしはビリヤードに関わることみたい。昔、ビリヤード場には行ったことがあるし、遊んだこともあったけれど、知らない言葉ばかりだった。
アルバイト店員の主人公。ビリヤードしか興味のないオーナー。常連客。安楽椅子探偵?