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◯山はどうしてできるのか、海はどうしてできるのか、から最後の一冊とのことだが、すっ飛ばして山の次に川を読んでしまった。しかし、内容的には特に問題ない。それでいてわかりやすく面白い。読み物としての工夫がふんだんに凝らしてあり、読者を惹きつける。
◯四万十川の下は、ブラタモリで出た話でもあったため、興味深く読んだ。しかし番組の方が詳しいのは紙面の問題もあると思われる。
◯巻末の著者による試論も面白い。超大陸の川の話はロマンがあると思う。
◯しかし、川は流れていくものだけに、物的客観的資料も流されてしまうことで研究も難しくなるという面があるが、地学も近年でも大きな進歩を遂げていることから、いつか川の歴史も判明していけば、今後の治水にも役立つ上に、何よりも面白かろうと思う。
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小さい頃によく川遊びをした人、川の流れや音に癒されたことがある人は多いのではないでしょうか?昔から私たちの生活と深いかかわりがあり、何気なく見たり遊んだりすることが多い川ですが、実はまだ解明されていない謎がたくさんあるのです。日本国内ですら数えきれないほどの川が存在するうえに、その長さや形がまったく同じという川はおそらくないでしょう。そもそも、川はどうやって誕生するのでしょうか?
本書では、そのような川の誕生から今まで考えたことがないような川の不思議まで、世界各地に存在する川に起きている謎を例に挙げながら簡潔に説明されており、誰もが川という地形のおもしろさに気付くことができます。また日本列島でも、途中で川がずれたり、存在していた上流が消えてしまったりと不思議な現象を起こしている川はたくさんあります。それらの川の謎についても述べられており、もしかしたら、あなたになじみのある川が出てくるかもしれません。
読み続けていくほど筆者が描いている川のミステリーツアーに引き込まれ、本書を読み終わったときにはきっと川というものの見方が大きく変わることと思います。そして今後川を見かけたときには、今まで以上にあらゆる想像をめぐらせることができるでしょう。ぜひ、本書とともにミステリアスな川の秘密を学びましょう! (地球惑星科学コース 4年)
この本は世界の大河や日本の川に対する謎や、川が生み出した風景や地形、そしてそれらから著者が考え出した仮説について紹介と解説をする本です。この本がおすすめなのは川の特徴や現象を学べるだけでなく、それに関連する他の地学の知識や歴史と結びつけて解説してくれることで、川と今まで学んできた学問とののつながりを知れることです。ここで一例を紹介したいと思います。
中国にある黄河と揚子江は長さ世界7 位と3 位の長さを持つ大河で、頻繁に氾濫が起き、大きな文明を興してきたとされています。中国にとってこれらの川は長い歴史の上で多大な影響を与え、多くの人が国語で読んだことのある李白の詩などにも登場します。そしてこの2つの川の源流は意外なことに青海省の非常に近いが全く違う流路をしており、蛇行で有名な日本の石狩川と比べものにならないほどの大迂回をしていることが分かります。なぜ源流の近い川が、異なる方向に流れるのか、そして大蛇行をするのか、この答えは中国特有の地質構造を持っていることに起因します。中国は「中朝地塊」と「揚子地塊」の2 つの地塊が衝突したことでできた大陸で、この地塊に沿って流路が分かれ、制限された流路により蛇行するようになっています。
このように川から学べる知識をこの本ではおもしろく、そして優しく解説してくれています。日頃考えることの少ない川ですが、身近にある存在として再認識できるいい本ですので是非読んでみてください。(地球惑星科学コース 4年)
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川にまつわる様々な考察。
「たかが」川にこんないろんなコトがあるのね。
Google Earthを横に置いて読んでると、ほんま面白い。
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あまり知識のない人にも楽しめるように、工夫して書かれている
著者の地学以外の知識の広さも感じられ、面白く、
良書であった
ヒマラヤを乗り越える川、河川の争奪、流れる川、さまよえる川、海底を流れる川
このようなタイトルだけで「ハテナ?」でいっぱいになる
気になったものをピックアップ
■富士山には川がない
静岡県にある柿田川は源流がない
いきなり平地から現れる
正確には崖下からいきなり川が始まるらしい
これを柿田川湧水地という
しかしながら柿田川の水は実は富士山から来ている
だが富士山には川がない
なぜか
富士山というのは山内の内部に3つの山が隠されている
一番古い「先小御岳(せんこみたけ)」は今から約27万年前、順に「小御岳」、「古富士」で、この「古富士」が約10万〜1万年前にできたと言われている
これらの山の上に噴火により今の富士山が乗っかったいわば4階建ての構造
この噴火で流れ出したのは玄武岩の溶岩でさらさらしており、流動性が高い
そのため、富士山に降った雨や雪解け水は表面を覆うそれらの割れ目や穴を通して山体の中へ浸み込んでしまう
ところが古富士の溶岩は同じ玄武岩でありながら、緻密で割れ目や孔がほとんどない
よって古富士に浸み込まず表面を流れ下りる
(これを伏流水という)
柿田川は富士山からえんえんと流れてきたこの伏流水が顔を出すところなのだ
ちなみに柿田川は四万十川、長良川とともに日本三大清流のひとつ
(初めて知った!この辺りだと富士山にばかり魅せられちゃうからなぁ…行ってみたいものだ)
■川の終着駅は
川は海に注ぎ込まれ終わりといえばそうであるが、さらに海の傾斜に沿って流れ下る
その行き先は海溝で、ここが終着地である
■海底谷
なぜ海に入った川の水が拡散せず海底を流れるか
海底には陸上の川を延長した谷である「海底谷」という海底を流れる川がある
■海底谷が運んだ堆積物
海底谷が陸上から運び込む堆積物のとてつもない量に驚く
相模湾の中央に4000m以上、富士山より高く積もっている
もっと凄いのはベンガル湾
こちらは9000m、エベレスト以上
このように堆積物が大量にたまるとその中に含まれる有機物が変質する
これが天然ガスや石油などの有用な資源へと生まれ変わるのである
やはり川の規模の大きい場所は石油資源が大量に埋蔵されている
(だから日本には石油がないのね…)
川が地球の物質循環の大きなサイクルとなっている
多摩川を例にし、源流から海までを下りながら、川の基本を教えてくださる…と読者への見せ方がなかなか面白い
他にもたくさんの興味深いトピックがあった
もう少し知識を増やしてから再読してみたい
子供の頃、断然「川」より「海」!
と川の魅力を理解していなかったが、年を重ねたせいか?近頃は奥深い川がとても気になっている
立派な一級河川である最上川を見た時は圧倒され、黒部の���流近くでは力強い生命を感じ、長良川はもう見てるだけで清められていく…(笑)
もちろん視覚的だけでなく、音も大好きだ
(癒されますよね!)
著者も日本人が川に独特の思い入れを持つのは「流れ」があるから…だと言い、はかなさや無常さを感じ取るからではないかとのこと
この「流れ」が生み出す地球上の神秘をもっと知ってみたい
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思っていたよりも難しかったです。
身近な川の話が出てこないのが原因かもしれません。
分水嶺の元々の意味を初めて知りました。
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川の雑学を集めた本。やや雑多な内容が多く、体系的な理解を求めるには苦しい内容。
最終章の妄想?は面白いが、だから何?という感じがしないでもない。
川についての小ネタを知るにはもってこいの書籍だった。
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川はどうしてできるのか?
あまり意識したことはない問いだったが、タイトルに惹かれて購入。
一言でいうなれば、私には少し難しかった。そもそもの地形学?に関する予備知識がないと理解は難しいのではないかと感じた。
大きく三部構成になっていて、①世界及び日本における様々な川について、②上流~下流それぞれにおける風景、③川についての著書の仮説で書かれている。
私としては②が一番興味深かった。山に落ちた一粒の雨が、上流から下流に流れて、最終的に海溝に到達するまでが描かれている。分水嶺という存在も初めて知ったが、ぜひどこかの分水嶺を一度見てみたいと思った。分水嶺というある地点から北と南、どちらに落ちるかでどこの川に流れていくか決まるというのは何ともロマンがあるものであった。
最初に書いた通り予備知識がなく自身の理解が追い付いていないために評価は低めであるが、予備知識がある中で読めばもっとおもしろい本であると個人的には感じた。
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中央構造線にぶつかった川はその後すべて構造線沿いに流れることを余儀なくされる。
紀伊半島の紀ノ川、四国の吉野川はかつて陸地だった紀伊水道で合流し、南海トラフ側に流れ込んでいた…そしてこれには淀川も合流していた…
壮大やなあ…
そんな川にまつわる知識の詰まった一冊。
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https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057356
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様々なトピックを交えながら、わかりやすく解説。
川、河にはロマンと文学の香り…
楼蘭、敦煌、柿田川、多摩川の源流などに特に興味を惹かれた。
学問的考察は少なめ
読了60分