紙の本
吉田松陰の指導によって幕末から明治期に多くの有能な人材が輩出された松下村塾の全容を徹底解剖した一冊です!
2020/03/23 09:18
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、江戸時代末期に、長州萩城下の松本村に吉田松陰の叔父であった玉木文之進が八畳一間を利用して開いた私塾・松下村塾について書かれた一冊です。松下村塾は、吉田松陰が指導を行った短い期間において、幕末から明治維新にかけて、我が国を主導した多くの人材を輩出したことで知られています。 高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文らの俊才がそうです。一体、この小さな私塾では何が教えられていたのでしょうか?また、そこでの門下生はどのように教えを乞うていたのでしょうか?同書では、塾の成立から閉鎖までを徹底検証し、吉田松陰の感化力と謎の私塾の全貌に迫った書です。同書の内容構成も、「第1章 開塾まで」、「第2章 割拠の思想」、「第3章 指導と感化力」、「第4章 何を教えたか」、「第5章 対外活動」、「第6章 塾生架空座談会・村塾のころ」となっており、非常に興味深く読み進められます。
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松陰先生の松下村塾について、先生の略歴も交えて解説している書。
タイトルが松下村塾なので、基本的には村塾周辺を解説していますが、松陰先生のこともわかります。
松下村塾からは新生明治日本を作った傑物が何人も出ていますが、彼らが何をどのように学び、活かしたのかが簡潔にわかります。
どちらかといえば事績に関する部分が多いので、松陰先生の考え方が知りたくなったら留魂録なども併読するとより深く理解できると思います。
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20171015
山口県にゆかりのある人が書いた作品。
学術的な歴史考察とはいかないが、丁寧に古文書を記載し、松下村塾を客観的に見せに行く。
吉田松陰のストイックさと、人に対する温かみを感じずにはいられない。また、塾だからこそ横の繋がりもあり、切磋琢磨して塾生は成長していった。
社会を揺り動かせる原動力を生んだ塾のルーツに迫る。
旅をする中で吉田松陰に影響を受ける
学は、人たる所以を学ぶなり
相労役
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わずか一年ほどの塾の活動期間で、教え子を友として遇し維新の原動力を育てた吉田松陰という先生の「感化力」の凄まじさ。
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「初めて先生に見え、教を乞ふものに対しては、必ず先ず何の為に学問するかと問はる。これに答ふるとの、大抵、どうも書物が読めぬ故に、稽古してよく読めるやうにならんといふ。先生乃ちこれに訓へて曰く、学者になつてはいかぬ、人は実行が第一である。書物の如きは心掛けさへすれば、実務に服する間には、自然読み得るに至るものなりと。この実行といふ言はわ先生の常に口にする所なり」
入塾料なし
行動を顧みるノート的なものがあった(今で言うポートフォリオ)
学習の心得として、礼法や規則によって効果があがるのものではなく、師弟の人格的接触によって互いの心が融合するとき、意義・道理が理解できるようになると考えた
咸宜園や適塾ではテストの実施と結果の公表を行うことで競争意識を利用したが、松下村塾では知識の量ではなく学問に向かう姿勢を評価基準とした。しかも、その基準や評価を学生には発表しなかった。
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松下村塾でどのような教育が行われ、どんな生徒が集まり、吉田松陰は何を教えたのかが分かる本でした。吉田松陰は身分や年齢にかかわらず共に学ぶことを第一として、「学びなさい」と学生に伝えたという。志を立てること、行動すること、自分で問を立て考えることを教え、後に討幕を起こす志士を何人も輩出した。僕もこの時代に生きていたら吉田松陰に学びたいと思った。松下村塾で寝起きし、共に生活しながら議論し学んでいく環境がとてもうらやましい。今の自分にできるのは本を読んで、自分の頭で考えて、文章に起こしたり行動することだけだが、がんばってみよう。
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相労役を重んじた
→お互いに学び合う
→勉学だけでなく草むしりなどもさせた
禁欲的
→酒やタバコは否定派
誰でも受け入れる
→身分も年齢も関係ない
→入学金も基本なしで授業料は米も可能