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書店、出版社、電子書籍など様々な角度から見た「本」について。書店が減っていったのは、活字離れやアマゾンのせいだけではなかったという事実が衝撃的でした。
ヴィレッジヴァンガードなど、小さくても新しいコンセプトの書店について好意的に取り上げているのもいいです。
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町の本屋がどんどん消えていく。若いころ町に出ての楽しみは、本屋と映画館だった。どちらも無くなった。本屋には2年ほど勤めていたこともある。本屋をしたいなとも思っていた。
それは無理なんだという事は勤めてすぐ分かった。自分が売りたいと思う本が仕入れられないのだ。大きな書店だったので、無理押しをして、若気の至り、取次に出向いて思う本を仕入れ、店内に一つのコーナーを設けた。「ニュースを売る本屋」そうしたタイトルで、取材も受けた。
そうした懐かしい「本屋時代」を思い出してながら、親身に読んだ。
取次まかせの本の配本、売れなければ返品できる。存続の危機は、確かに昔からあった。
身の回りで無くなったもの、ことも、少し考えた。
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書店・出版・取次業界にまつわる四方山話。
主旨としては『本を売』る最前線である書店側に軸足を置いたあれこれが中心。
本書の刊行は2014年、記載のグラフや話題は2013年の内容なので私が読んだ時点でも3、4年前、今となっては一昔前という事でやや経年を感じるかも。
『村上海賊の娘』ってもう10年前の作品なんですね。
言及は多岐に渡るので以下、個人的に気になった点を抜粋。
第2章「雑誌不況」は肌感覚でわかる。私が学生だった20年前でも電車やバス内で週間少年ジャンプを読む人が沢山おり、網棚に’どうぞ’という感じで置いてあるジャンプを拾って読むのが割と普通の感覚だった。’どうぞのジャンプ’である。それに週刊誌やギャンブル情報誌はたまた新聞ときどき堂々とエロ雑誌を読むおじさんが普通に日常の光景だった。
現在では、週刊誌とエロ雑誌を読む人はまず見なくなった。ジャンプも少ない。それに、総じて雑誌を読んでいるのはどう見積もっても30代半ば以上である。
確かにこれでは広告効果は乏しいだろう。
第4章「本の販売マージン」の話も、私が小学生時代に通っていた本屋さんの張り紙に’仕入れた本一冊分の利益を出すには10冊の本を売らねばなりません(だから万引きはしないでね)’というような事が書かれており、もちろん万引きはいかなる場合もダメなんだが、非常によく覚えている。あれから30年くらい経つが未だにほぼ同じ条件で卸流通されている事がまず根本の問題では。
そもそも人件費や光熱費、物流コストetc.あらゆる部分は値上がっているのになぜマージンは据え置きなのか。
一方で、時々テレビや何かに出演する一流ファッション誌の編集長とか一流グルメ誌の編集長とか、いかにも儲かっていそうな感じで現れるが、もちろん演出やネタなのかもしれないけど、ああいうのがもし真実なのだとしたら如何なものか。出版社の取り分が過剰でないのだとしたら、もはや全体的に価格を大胆に上げる以外に道は無いのではないだろうか。嫌だけど。
そして配本の問題。刊行点数は落ちないのに部数は下がり、輸送費は高騰して運び手もいない…と取次も疲弊している事はわかるが、にしても一部の店舗に偏り過ぎではないか。
当然、作りゃ売れる時代ではないのだから初版が下がるのは仕方ない。仕方ないのだが、都内の某店舗には山積みになっているのに全国的には品薄とか、どうなんだろう。
特別目新しい内容ではないけども、本が好きならば一読しておくと書店に足を運んだ時にまた違った感慨が湧き上がる一冊。
1刷
2022.2.28
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本が売れないらしい。ほんとかな。この本でいう「売れない本」は、主に街場の書店で扱われる本。
取次と本屋の関係だとか、本屋のマージンがどのぐらいだとか、本の流通の知識が並ぶ。アマゾンはやっぱり脅威。街場の書店はどんどん閉店する。
出版不況の原因はいろいろあるだろうけれど、やっぱり粗製乱造と、本屋大賞のようなランキング至上主義に結構な原因があると思った。
年間8万点といわれる出版数。僕も最近日々の出版タイトルをチェックしているが、チェックするのやめようかな、と思うほどに、どうでもいい本(それは、相対的に僕にとってどうでもいいのはもちろんだが、出版社や本屋にとってもどうでもよさそうだと思えてしまう)がものすごく多い。
そして、多くの本の値段が安いということ。買う側からすればありがたい面が大きいが、一方でどうでもいい本が出版されやすく、また変なを掴んでしまったりということにもなる。もっと真剣に本を選ぶべきかもしれないなあ(と、読み散らかしている身でよくいうけど)。
いろいろとシステムのしくみと問題点、一部解決策などが提示されている。なにぶん僕は一読者なので、どうすりゃいいのかわからない、と文句をいいたくなるが、たまたま読者という遠巻きな関係者なのでそんな感想がうまれてくるだけで、他の本で提示されている問題なんかは、もっと完全に傍観しているなあ。←行動しないことへの言い訳でした。
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新刊書の短命や如何に。
買おうか逡巡してると
その翌週には出版社に
返品され、
棚から姿を消している。
図書館やブックオフに
人々が集まるのは倹約
のためだけではなく、
新刊書店からとっくに
消えてしまったあの本
が手に入るから。
オンライン書店も然り。
けっきょく品ぞろえの
豊富さなんですよね。
でも小規模な書店では
それはかなわない現実
・・・
個性的で魅力あふれる
街の小さな本屋さんが
いつまでも在り続ける。
本好きのひとりとして
そんな世界を望みます。