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森氏お得意の、メディアリテラシーについて書かれています。
久しぶりに森氏の本を読んだけれど、面白い。
内容はかなり主観的です。
もっとも、本当の意味で客観的たりえることが困難であることが、この本に書かれているのですが(^^)
中高校生でも十分楽しめる。
読むと、世界の見え方が変わると思う。
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「戦争を起こすことはそれほど難しくありません、国民に向かって、我々は今、攻撃されているのだと危険を煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。」
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森さん、よくこんな文章の書き方できるよなぁ、といつも思う。ここまで本人の人柄が表れた文章を書けるのはすごい。いっつも、ためらいまくりの文体。あと、細かいところですがタイトル、『「たったひとつの真実」なんてない』のほうがよいのでは? と思った。
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2016/1/1.
2015年半ばからのんびりと読み進めていて、ようやく読了、というのが2016年の読書始め(と言い切れるのか果たして)。
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「真実は多面体であり、たったひとつの切り口で見知ったことが全てのように捉えるべきでない。」と、本のタイトルを見ただけで、中身を読んだも同然の本でした。
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大学時代のメディア社会の講義を久しぶりに受けた気分。これからの時代を生きてく上で、読んでおくべき一冊。
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現代社会のメディアとの向き合い方を分かりやすく解いた本。
現実とは常に多角的なもので、どの視点から誰が切り取るかによって大きく変わってしまう。また、マスメディアなどは視聴率やスポンサーの影響もあり、不用意な情報の切り方などをすることもある。我々は常にそれを認識する必要がある。
活字メディアから映像メディア、そしてインターネットに移り変わるにあたって、よりメディアとの向き合い方が難しくなり、逆にプロパガンダが形成しやすくなった土壌ができているとも言える。
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メディア・リテラシー(情報の読み書き能力、意訳として「読解」と「アウトプット能力」とも言えると思う)から、メディアがどう情報を編集し演出しているかなどを、平易で読みすい文体で、しかし、しっかりした質感の深さでもって読者に説明し、ではメディアとどう付き合うべきかを問いかけてきます。テレビ、新聞、SNS、などなどから発信される、巷にはびこる情報がどうつくられていて、どういう性質で、といったことにはあまり注意をむけない人は多いのではないか。著者は情報の四捨五入という喩えを用いて、切り上げられる情報と切り下げられる情報とがあるのだ、と説明します。また、客観的で中立的な情報などないということも、本書の中で説き明かしてくれる。さらに、メディアと、メディアの受け手である僕らとの共犯関係についても、戦前の日本が戦争に向かった例を出すなどして、腑に落ちる形で教えてくれます。ここがもっとも大事なポイントでした。真実はひとつ、とするから間違うのであり、物事の真相はいろいろ複合的な要因に拠っていることがほとんどです。そうしたことを踏まえて、メディアに接し、情報を扱う。メディアが進化し多様化する中で、それに振り回されず、欺かれず、真に受けず、そして間違って情報を咀嚼した結果、自らも過ちを犯してしまうことを防ぐ意味でも、本書に書いてある内容を、一度、自らに経験させておいたほうがいい、つまり読んで考えてみた方がいいと思うのでした。
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「いのちの食べ方」で結構衝撃を受けたので他の本も読んでみました。
メディアは真実を伝えているのか?またメディがもつ影響力とは?
読む進むほどに考えさせられる内容です。
この本のタイトル通り「たったひとつの「真実」なんてない」ということをまざまざと突きつけられる本でした。
ステレオタイプにならない為にもおすすめの良書です。
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見なくちゃいけないのは、その後ろにあるもの。
オウム真理教のドキュメンタリーを作った著者らしく、メディアの報道姿勢や、視聴者の受け取り方をかみ砕いて書いてある。確かに、望まれているものを放送しないと、スポンサーが離れてしまう。だから、極端に言えば、面白おかしく、大勢の好むように番組を作る、記事を書く。それがたとえ戦争に向かって行っても。さらにメディアが発達していき、大手と個人に発信力の差がなくなっていけば、もっとカオスになるだろう。その時、示されているものの後ろにある、切り取られた、隠された情報に思いを馳せることができるように。
こういう本を読むと、メディアを批判的に見ることは大事だと思い、けれどもこういう本を読まない人がメディアを鵜呑みにしていき、また先導していくのではないかと思い。トランプ大統領の支持者と不支持者の学歴とか収入とかそういうのの分析にもあったけど、いやそれ以前にバックボーンが支持政党の差につながるのは当然のことではあるのだけれど。
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メデイア・リテラシーあるいは批判的思考について学ぶのにちょうどよい本。ただし、強く歪んだメディア観もしくは認知的バイアスをすでにもっている人は、この本を読んでもメディア・リテラシーあるいは批判的思考が身につくことは期待できないだろう。だから著者が中心的に訴えかけたいのは、本書の「あとがき」にもある通り10代後半から20代前半ぐらいまでの若者なのだろうと思う。ちくまプリマー新書だし。
それにしても、この本がこの時期に出版され、出版直後にたまたま手にとって読むことができたというのは幸運だった。というのも、つい最近、次のような出来事があったからだ。
2014年12月14日に行われる衆院選の公示前に自民党は在京テレビキー局の責任者を呼びつけて「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」という名目の下、実質的には報道機関への圧力ともとらえられ得る要請を行っていた。これは11月20日のことである。そして、この本はそれよりも前に書かれ、出版されたのも11月10日なのである。公正中立とは何かを問いながら、上記の問題について直接切り込んでいるのである。しかしそれは自民党による上記の問題が取りざたされたからではなく、問題が取りざたされるようになったのは本書が出版されたあとなのである。
偶然との見方もできるだろうが、起こるべくして起こったと見ることもできるだろう。いずれにせよ、リアルタイムで読むことができたのは本当によかった。
ぜひ周りの人にも一読することを勧めたい一冊である。
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メディアはすべて、事実と嘘の境界線上にある。それをまず知ろう。ニュースや新聞は間違えないという思い込みは捨てよう。でも嘘ばかりというのは間違い。私たちに不可欠となっているメディアを正しく使う方法とは?
目次
第1章 自分の眼で見ることの大切さ
・北朝鮮はどんな国?
・メディアから受ける情報だけでは偏る ほか
第2章 メディアは必要か?
・戦争がどのように始まるかを語り継ぐこと
・戦争が起きるときメディアはストッパーにならない ほか
第3章 メディア・リテラシーとは?
・国家がメディアをコントロールするとどうなるか
・メディアは怖い。使い方を誤ると… ほか
第4章 映像メディアを理解しよう
・テレビの副作用
ニュースの順番を考えているのは誰? ほか
第5章 事実と嘘の境界線上にある、それがメディアだ
・今見ているものは現実の一部でしかない
・メディアは最初から嘘なのだ ほか
著者等紹介
森達也[モリタツヤ]
1956年広島県生まれ。映画監督、作家。明治大学情報コミュニケーション学部特任教授。テレビ・ディレクター時代の98年、オウム真理教の現役信者を被写体とした自主制作ドキュメンタリー映画「A」を公開。ベルリン映画祭などに正式招待される。2001年に続編「A2」が山形国際ドキュメンタリー映画祭で審査員特別賞・市民賞を受賞。11年著書『A3』で第33回講談社ノンフィクション賞を受賞