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大阪からの新幹線の出発5分前に本屋駆け込んで目についたタイトルだけで、手にとったのだけど、読み始めてからシリーズ3作目だと気付く。
まぁこれ単体で読んでもほとんど問題はなかった。
「大物国会議員や地検トップまで敵に回して検事としての矜恃を貫く」という本の裏表紙書きの通り、佐方は検事としての矜恃を持っている。日の名残り然り、仕事に対する矜恃を持つということが人生に満足を与えると、最近特に思うようになった。
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郵便物紛失とか痴漢とか、事件としては決して大きくないものにも、大事件と同じだけの手間暇をかけ真摯に向かい合い、真犯人に罪を償わせようとする佐方貞人。
「本懐を知る」で、佐方の父の生きざまを見、その父の思いも受け継いで、法曹界にいるのだなと思ったのですが、まだまだ甘かった。
佐方の父が抱えていたものは、もっと深く、もっと厳しいものだった。
弁護士という仕事と正義を守ること。これはイコールではない。
佐方の父は弁護士という職業を全うし、もちろん法律上も罪を犯してなどいないが、それでも自分で自分を許すことが出来なかった。
そんな父の真実を知った後に、佐方は検事としての岐路に立たされる。
いや、立ってないか。
迷うことなく、真実を追究し、犯人を断罪する。たとえ上司に恫喝されても。
でも、佐方は周りの人に恵まれていると思うよ。
普通権力にあからさまに逆らおうとするとき、周りの人たちって見ない振りするもの。
なんなら、足も引っ張りますし。
ドキドキしながらも佐方の味方をする周囲の人たちに対して、涼やかに正義を貫く佐方ではあるけれど、その心のうちには亡き父の生き様(死に様)が確かにあったはず。
そして、それを踏まえて「最後の証人」を思い返すと、佐方が弁護を引き受けたこと、証人を説得する姿が、前とは違って見えてくる。
もっと重いものを持っていたんだ、彼は。
あえて言えば、「死命」の二編で一冊にしてほしかった。
やはりページ数が足りない感は否めない。
具体的に上層部からの妨害とかの描写もなく、淡々と検察対弁護士だけで公判が進んでいくのは、あっさりしすぎ。
そしてまだ、佐方が検察をやめるに至った経緯が明かされていないので、シリーズはまだ続くと思うんですが、どうでしょう?
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真摯な検事、佐方の活躍。
「死命」・・・カッコいいです、
主人公のブレない強さと、グイグイ迫ってくる
文章で、やっぱりイッキ読みでした。
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面白かった!4編、すべて面白かった。思わず一気読み。
事件の大きさにかかわらず、細部までとことん追求し真実を導き出す佐方検事はとてもかっこいい。
真実を捻じ曲げようとする輩は何なんだ。。それが弁護士とか法曹界の人間だなんてありえない。こういう人は罪にならないの?
諸事情により第2弾を読めず、先に本作を読んだことを悔やみます。。そして続編を求む!
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パターンとしては、出世につながらないような正義を貫こうとする検事と事務官と、警察、検察のキャリア官僚、政治家などがでてくる点で、Heroと踊る大捜査線を足して二で割ったような作品ではあるけど、プロットがしっかりしてて読みごたえがある。
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佐方シリーズ第3弾.決して権力に屈しない男たちの熱い想いが胸に響く.今作も読み応えがあってとても面白かった.オススメします.
以下あらすじ(巻末より)
郵便物紛失事件の謎に迫る佐方が、手紙に託された老夫婦の心を救う「心を掬う」。獄死した佐方父の謎の核心が明かされる、感涙必至の帰郷小説「業をおろす」。大物国会議員、地検トップまで敵に回して、検事の矜持を押し通す「死命を賭ける」。検察側・弁護側―双方が絶対に負けられない裁判の、火蓋が切られる「死命を決する」。全4話を収録した、佐方貞人シリーズ最新刊。圧巻に人間ドラマが、胸を打つ!
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貞方氏の検事時代の痴漢事件の話が面白かった!素行の悪い少女対名門一家の男性。
冤罪か。圧力。さまざまな難問を越えていく姿勢が素晴らしい。
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派手な描写無く綴られるにもかかわらず、佐方検事の実直な人柄がありありとわかります。タバコやお酒の趣向、頭を掻く仕草、口元をほんの少しあげて感情を押し隠しながら笑うなど、ああこの人なら法の番人にふさわしいと感じ入ってしまいました。他のシリーズもあるみたいなので、読んでみたいです。
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弁護士と検事という似て非なる役割を持つ法曹関係者。司法試験合格後にどちらの道を選んでも、本人の意識次第で善にも悪にもなるという教訓に満ちたシリーズです。
愚直なまでに己の倫理観を全うする佐方検察官の姿に心を打たれます。
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2015/4/7
おもしろかった。
「業をおろす」は「検事の本懐」でこうなればいいのにって思ったことがそうなっててまんまとうるっと。
欲を言えば社長が真実を聞かされたときの様子も見たかった。
でもなお父さんはもっと上手くやるべきやったよ。
息子もじいちゃんもばあちゃんもエライ目にあったじゃないの。
自分が罰されるだけじゃ済まないんだから。
全体的に読後のスッキリ感がすばらしい。
やっぱ正義は勝たないと!
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人々の生死を全面から肯定し,それを丁寧な構成で地に足を付けて描く筆致は,ページを捲る手を止めさせない重力を生じさせている.初作に比べ此程迄に成長したと感じることができるのも一読者として嬉しい.次作が楽しみ.
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あれ、!「心を掬う」は、何処かで、読んだ覚えがある。
郵便物の紛失事件の謎に、浄化槽まで、さらう 佐方検察官の、姿を、考えて、そんなことまでするだろうか?と、思った小説である。
後ろのページで、2012年4月に「しあわせなミステリー」に掲載されていたらしい。
「業をおろす」は、十三回忌で、やっと、佐方検察官の父親が、獄中で亡くなる経緯が、分かるが、それまでの長い期間、祖父母たちの苦しみは、どうであったのだろうか?
狭い世間の目に、押し潰れないで、良く、頑張ったものだと、思う。
父親派、意志を貫いたかもしれないが、やはり、残された者のつらさも、考えて欲しいと思った。
「死命を賭ける」と、「死命を決する」は刑事部編と、公判部編であり、痴漢事件を事をほっするが、エリートコースや、昇進を目指さず、罪をいかに、まっとうに裁かせるかを目的を持って遂行して行く姿が、恰好いい!
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佐方シリーズの3冊目にして、ヤメ検弁護士だった佐方の 若手検事時代 を描いた短編集の2冊目、という位置づけの続編、読了。
今回も、胸に迫る良いエピソードでした。ラストの前後編に分かれた中編作品「死命」は、本当にグッときます。
決してブレずに真実追及を貫く主人公が、普段から自分を律しているけどタバコだけはやめられないという人間臭さがたまりませんw 筒井も南場署長もいいキャラを出してきて、まだまだこのシリーズが続くことを願わずにいられない、て感じになりますね。弁護士の佐方というのもまた読んでみたいですが、検事時代の短編がこんなに面白いと、もうどっちでもいいから続きを書いてくれ、としか言えないw
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久しぶりに佐方検事に会えました。仕事に対する姿勢がとても素晴らしい。「業をおろす」では亡くなった父親の名誉を回復することが出来たのではないか。「検事の本懐」でも出ていた話だったのでホッとした。
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最高の一冊。佐方弁護士のまっすぐな姿勢に、こちらも背筋伸ばしながら読んでました。
シリーズ化して欲しいですね!