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経済学の素人なので、まず用語がよくわからないので、字面を追うだけで、批判的吟味もできず。特に数字がたくさん出てきて実証的なのだろうが、頭がついていかず。現代のマルクスという声もあるが、著者は決して社会主義や共産主義を目指しているわけではなく、その方向に関しては否定的である。資本主義の中心的な矛盾としてr>gは避けられないし、このままだと資本主義は破綻してしまうので、著者の提案は「累進資本税」を導入しようということ、しかしこれを導入するには、高度な国際協力と地域的な政治統合を必要とする。資本主義に民主主義を取り戻そうというのが簡単に言うと著者の主張のようだ。600ページの大著で読了に時間がかかったが、わからずに読み飛ばした部分も多く、読了の満足感のみが残る結果となった。
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読破に1年以上経過。途中他の本に何度と浮気しましたが、何とかあきらめず。歴史的な視点で経済の歴史を語っているので、別途読んでいた歴史関係の本との接点が見えてよかった。次はタックスヘイブン関係の理解を深めたくなる。
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昔読んでいたマルクスを思い起こしながら読み終えた。
21世紀の資本論 の書名が相応しい気がする。
資本・労働・利潤・地代・利子、資本家・労働者・経営者、について 18世紀以降のヨーロッパ・アメリカの入手可能な限りのデータにより分析が続く。
21世紀の資本主義社会では富の集中、格差の拡大は不可避であり、国際的な累進的な資本税必要性を主張、
もちろん、容易なことではないと、断りながら・・・
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理解できたとは言わないが、思いの外興味深く最後のページまで行くことができた。ピケティの結論には賛同できない人もいるだろうが、彼がこの大著を書き上げようとした気持ちの部分、不公平に対する単純な怒り、憤慨、そしてそれがよくないことのように思う気持ちはよく分かる。この本は理屈があっているかどうかだけで判断してはならない。彼が何故この本を書いたか。それを抜きにして語るだけでは意味が無い。
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r>gつまり、資本収益率は成長率を上回る。
資本/所得の値は先進諸国では、6から7倍の大きさを持つという。貯蓄率の高さと成長率の低さは、資本収益率をより大きなものにして格差を大きくする。例外は戦時中であり、資本/所得は3倍程度まで落ち込み格差を解消する景気になった。
平等が当たり前に言われる社会だけど、長い歴史で見たら不平等は当然のように存在してきた。絶対王政から民主主義へと移行する過程で発生したからこそ出てきた考えかもしれませんが、現実は理想には追い付いていないのかなと思いました。格差が悪なのではなく、機会の平等がなくなっていくことが悪なのだと思います。
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これから先、資本というか、金融資産を持っておく必要性を感じました。
ちょっと前まで、子供に資産を残さず使い切る。子供には自分で稼いでもらうのが良いことと思っていました。
でも、それは20世紀初頭の世界大戦から復旧する過程がもたらした価値観だっただけ。そう気づかせてくれました。
持ってる資産を働かせ増えていくように、子孫に繋ぐように相続していかないと。
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200ページでふらふら、400ページでいっぱいいっぱい、読み終わった頃には息もたえだえになりつつ読了。要約本とか、新聞・雑誌の関連記事でわかった気になってたけど(というか、それで十分な気もする)、読んでみると別な楽しみもあった。18~19世紀の経済、植民地や奴隷制度の経済、初期の税制なんかは、読み物として面白い。それにしてもいったい何人が最後まで読み通したんだろう? ま、おいとくだけで賢そうに見える、インテリアとしての価値もあるけど(笑)。
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少しずつ少しずつ読んで、足掛け3ヶ月。ようやく読了。
わかりにくいところも多かったけど、全体としてはとても興味深い本だった。
主要なポイントは「おわりに」にある通りだけど、以下に一応メモ。間違いが大いにありうるけど。
・r > gの法則により格差は広がる。
・初期の資産の保有量の差は格差を助長する。
・ベル・エポック頃の世界にはとても極端な格差があり、今の世界はその頃に戻りつつある。
・戦後の高度成長のような状況は、歴史上とても特殊な出来事だった。それまで0〜1%程度であった成長率が急上昇し、また二度の大戦によって格差が大幅に縮小した。
・格差に対策を講じるために、資産保有状況(?)の情報共有が重要。
・対策としては世界的な資産課税が必要。これはインフレ等、他の代替案のどれよりも優れているが、国際的強調が必要であることから容易ではない。しかしながら、大陸レベルで実施することから始めるべき。
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r > g
資本の収益率 > 経済成長率
20カ国以上の所得と富の分配をめぐる世界的な動学を研究し、過去15年にわたり30人以上と集めた歴史的データを活用。
<以下引用>--------------------------
資本収益率が長期的に成長率を大きく上回っていれば、富の分配で格差が増大するリスクは大いに高まる。
この根本的な不等式を
r>g
と書こう。
rは資本の平均年間収益率で、利潤、配当、利子、賃料などの資本からの収入を、その資本の総価値で割ったもの。
gは、その経済の成長率、つまり所得や産出の年間増加量。 p.28
<資本主義の第一基本法則> α=r×β
資本/所得比率βは、国民所得の中で資本からの所得の占める割合(αで表す)と単純な関係を持っており、以下の式で表される。
α=r×β
ここでrは資本収益率だ。 P.56
<資本主義の第2基本法則>
長期的には、資本/所得比率βは、貯蓄率s、成長率gと以下の方程式で示される単純明快な関係を持つ。
β=s/g
たとえばs=12%、g=2% なら β=s/g=600% となる。
p.173
α=r×βという式を使うと、ある国全体、さらには全世界についてさえも資本の重要性を分析できる。
また、個別企業の財務も研究できる。
たとえば、500万ユーロの資本を使い、年に100万ユーロの財を生産し、うち60万ユーロが労働者の賃金、利潤が40万ユーロだとする。
この会社の資本/所得比率は β=5
(資本が産出5年分に相当)
資本所得のシェア αは40%
資本収益率 r=8% p.59
インフレは事実上、有閑階級に対する税、もっと正確には、投資されていない財産に対する税と言える。 p.470
だが現代のインフレは、きわめて切れ味が悪い道具であると認識しておくことが重要だ。 ・・・・ 累進資本課税のほうが、民主的透明性と、現実の有効性の両方において、もっと適切な政策だ。 p.473
いったん通貨が貴金属への兌換性を失うと、中央銀行がお金を作る能力は潜在的に無限になってしまうので、厳格な規制が必要だ。これが中央銀行の独立性に関する論争の核心だし、無数の誤解の源にもなっている。
p.576
世界の金融資産の大部分がすでにさまざまなタックス・ヘイブンに隠されていて、世界的な富の地理的分布の分析に限界をもたらしているという点だ。 p.483
課税における20世紀の大イノベーションは累進所得税の考案と発展だ。
この制度は、20世紀における格差低減に重要な役割を果たしたが、今では、国際税制競争により深刻に脅かされている。 p.514
累進課税は、格差削減のかなりリベラルな手法だと言える。自由競争と私有財産は尊重されつつ、私的なインセンティヴはかなり過激にもなりかねない形で改変されるが、それでも常に民主的論争で検討されたルールにしたがって行われるのだ。 p.528
<以上引用>----------------------------------------
↓ ネットで公開されてる。どのピケティ本���り参考になった。
ピケティ『21世紀の資本』
訳者解説 (v.1.1) 2015.1.23-2.1
山形浩生
hiyori13@alum.mit.edu
↑ 山形浩生が必要最小限の図式化で明快解説。必見。
山形は、ピケティはインフレーションに対して、この本の中では賛成とも反対ともとれる書き方をしている、と述べている。
しかし、オレは、ピケティはインフレに対しては否定的だとしか思えない。
「だが現代のインフレは、きわめて切れ味が悪い道具であると認識しておくことが重要だ。 ・・・・ 累進資本課税のほうが、民主的透明性と、現実の有効性の両方において、もっと適切な政策だ。」 p.473
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最初、図書館で予約「7人待ち」だった。順番がきて今、読んでるんだけど、ネットで予約状況を確認すると「116人待ち」になっててビックリ。
すげー人気だ。
先に『東洋経済』『エコノミスト』その他の雑誌のピケティ特集が何冊も届き、そちらを先に読んだ。『21世紀の資本』入門系の本も、アレコレ先に読んで、最後に、この本が届いた。
オレのイメージでは、ピケティの『21世紀の資本』は膨大なデータを集めて分析した本で、彼は、人口学者エマニュエル・トッドをエコノミストにしたような人だと思っていた。
ピケティ自身が、雑誌のインタヴューなどで何度も口にしているように、彼はマルクスには何の興味もない。
少なくとも『21世紀の資本』は『資本論』とは何の関係もない本だと思っていたんだけど、「第Ⅱ部資本/所得比率の動学」で、マルクスに言及していることに、逆に、びっくりした。
オレもそうだけど、現代人は、いまさらマルクスの話など聞きたいとも思わないし、マルクス経済学は過去の話だと思ってる。
ピケティは数学の大秀才なんだけど、現在の、数学モデルだけで構築される経済学からはみ出して、政治歴史経済学をやろうとしてる。
これが正しいことなのか、間違ったことなのか、50年後や100年後に評価するしかない。
ただ、彼の文章見てると、計量経済学の秀才とはいえ、なんだか経済学者じゃないみたいな気がしてくる。
アメリカの経済学者が、純粋な科学者であろうとして、数学やデータ分析を崇め奉るのに比べ、フランスの経済学者は、教養や哲学を有難がる風潮がある。
どちらも、偏りすぎると、現実から乖離した架空の経済学になってしまう。
純粋な経済学にとって、政治学や哲学は、できるだけ介在しないほうが、イデオロギーに左右されない科学的な結論が引き出せる、というのが現代の経済学であるのに対して、ピケティは経済学に自ら政治や歴史を導入しようとしてる。
これは正しいことなのか?間違ったことなのか?
「私がボストンで教えていたときの夢は、パリの社会科学高等研究所で教えることだった。その教授陣には、リュシアン・フェーヴル、フェルナン・ブローデル、クロード・レヴィ=ストロース、ピエール・ブルデュー、フランソワ・エルティエ、モーリス・ゴドリエをはじめとする導きの光が多数存在していた。
・・・・
私はたぶん、ロバート・ソローやサイモン・クズネッツと比べてす��、こうした学者のほうをもっと崇拝しているのだ。
」 p.35
この人の資本論は、格差が広がる21世紀に殺意を募らせる我々にとって、希望となるだろうか?
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やっと読み終えました。とはいえ、内容はそんなに難しくないので、ベストセラーになったのでしょう。持つものはどんどん豊かになり、持たざるものはどんどん貧乏になるという、シンプルな原理を調査範囲をできるだけ多くの時代範囲とエリア範囲で取得し、分析することによって証明した画期的な著作。これに対してどうするか?この原理に対し、著者同様ネガティブな評価をする人たちにとっての解決策というのも、一応提示されてはいるが、現実性の観点から見るとハードルは高そうだ。
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興味深いのに
まだまだ他人には説明できない
もどかしさを感じた。
自分の人生におとしこむには
もっと読み込むべきか。
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なんとか読んだ。読み飛ばしながら。
抽象的に何が言いたいのかは分かった気がする。
具体的にどうすればいいか、は
もう少し考える。
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注目を集めているトマ・ピケティ教授の経済学の本。ようやく読了。
本文だけで約600ページあるのでかなり分厚い。
前半は歴史経済学とでも言うべき内容で、約200年間にわたるフランスの税務データを中心にイギリス、ドイツなどのヨーロッパ諸国、アメリカ、日本などの先進国のデータを分析してr>g、つまり資本収益率は経済成長率を上回るということを示している。
ただしこれは一般的な経済法則ではなく、歴史的事実だと言うことである。
これが意味するところは金持ち(正確には資本を持っている者)にどんどん富が集中し貧富の格差が拡大すると言うことである。
ところが、第1次、第2次大戦で大きく経済的な打撃があり資本収益率は低下し、復興のための経済成長で富の再配分が行われた。このため、戦後の一時期を見ての経済分析・経済理論は長期にわたっての視点には耐えないと言うことである。
従って、ピケティ教授は15年かけて膨大な財務データを分析し議論している。
経済学の常識があまりないこともあり所々よくわからないところもあったが概要は理解できる。
テレビ番組「そこまで言って委員会」で、この本がブームになっていることで取り上げられ、金美麗さんが「(金持ちにどんどん金が集まることは)そんなこと昔からわかっているわよ!」といっていたが、ピケティ教授がデータを示して具体的に議論していることの意味は非常に大きいといえる。
後半は穏やかな論調ではあるが言ってみれば「金持は民主主義の敵だ。金持ちの資本、不労所得に課税しろ。」と言っているように思える。
また、労働所得についてもビル・ゲイツについて、彼がどうやって巨額な富を築いたのかは知らないがと断りつつ、パソコンにマウスをつけただけでどう考えても使い切れないほどの巨額の富を持つことについて疑問を呈している。
結論としては課税による富の再配分機能が社会国家にとって必要であることを訴えているが、グローバル化した現代にとっていくつもの問題がある。それでも、累進課税は実施する必要があるだろう。
高校の時に社会正義の面から言っても相続税は100%にするべきだと議論していたことを思い出す。
分厚いだけに取り上げている内容は多く、面白く勉強になる。
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600ページと大部だが読みやすく、わかりやすい。数式が2、3出てくるが具体例をあげて解説してあり、ゆっくり考えれば頭に入る。
経済学というより社会学、政治学のテーマ「社会はどうあるのがよいか」について考察した内容である。
格差について論じているが、イデオロギー的な「結論ありき」の展開ではなく、まず富の偏在について現状、時系列の推移、国別の比較、十分位・百分位・千分位... のデータを提示し、経済成長率(生産性向上+人口増加)のパラメータを調整したシミュレーションによる将来予測を語る。その上で、考えられる案をいくつか提示し、現実解を導く合意形成プロセスを語る。わかりやすいプレゼンを見ているようだ。
著者の主張は歴史的・長期的視点に立脚した経験主義にもとづいており(フランス人なのに?!)、とても共感できる。
提案されている資本税について「実現性が低い」という批判はあるが、著者が真に提案しているのは解決案そのものではなく、解決案を民主主義的プロセスにもとづいて検討するための情報の共有、金融情報の「透明化」であり、それもいきなり世界的な情報データベースを構築するのではなく、「できるところから」始めようとしている。
経済成長の鈍化、資本それ自体の自己増殖性、暴力的な金融グローバリズムの発展、新自由主義の隆盛等、将来について楽観できる要素はほとんどない。過去を振り返ると、格差を解消したのは二つの世界大戦だったという非情な現実がある。
それでも著者は民主主義への信頼を失っていない。何ももたない下位50%の人々に教育と福祉を提供することで、庇護ではなく社会に参加する道を閉ざさない方法を模索している。
良書だと思う。
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えらい世の中が来てたことを知った。
今まで旅行した海外には既に根強かった。
レーガン政権の政策で考えられていたトリクルダウン。これは貧富の格差を拡げただった。鄧小平の先富論。結局これも格差を拡げただけだった。
21世紀最大の不等式" r 〉g"
理解できない者は、自分の立ち位置も理解できないはずだ。