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怖い、怖いよピケティさん。本書では格差を縮小する政策の提言がされているが、表向きのものともう一つ、裏向きのものがある。
かつて格差が縮小した時期と同じことをすれば、そのときも縮まるということだろう。
読んでいて背筋が寒くなった。
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連休中毎日読んで、連休後の土日でやっと読み終わった。確かに長いが、文章は読みやすい。データ満載、よくもここまでデータを拾って集めてきたなという感じ。日本にいると格差をあまり感じないが、この本に書かれている金持ちは桁が違う。確かにそれだけ資産を持っていれば、r>gの恩恵を享受できるだろう。しかもそれは世代を超えて、、、今後も富の格差は過去最高を塗り替えて行くのだろう。過去にその格差を縮小させる事ができたのは戦争だけ。
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人口と所得の関係、19世紀のヨーロッパの資本形態がオースティンやバルザックの物語から読み取れること、各国の格差の程度差、歴史と格差の変遷など
資本とは何か、多角的に見れて面白い。
途中までは基礎知識的な内容で、よくわからないままページをめくったが、第三部あたりから俄然面白くなった。
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やっと読み終わった。長い。長いよー。
さんざん言われてるように、r > g(資本収益率 > 経済成長率)が議論の出発点。そしてそれが資本の集中と大きな経済格差につながること、その格差を是正するための政策を議論する。話としてはとてもシンプル。
それがこんな大著になるのは、世界中の膨大なデータを収集し、詳細に実証して見せているからで、そうして構築された議論はやはり力強いし説得力がある。
ただ、あまりに長く込み入っているので、通読するのはやはりしんどい。かといっていろいろ出てるピケティ本も玉石混淆ぽいし。とりあえず手っ取り早くおさえるには、山形浩生(訳者)の解説PDFがいちばんいいと思う。
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1900〜2010年の所得や資本のデータを分析。高成長で格差が減少したのは大戦後の一時期だけであり、全体でみるとむしろ異常。通常の低成長期では、資本が所得に与える影響が大きい。政策の力も大きい。
マスコミの話題。だからどう格差を少なくするかより、如何にして勝ち組に入るかが興味の的になるというのは、残念なことかも。
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富のトップ百分位内の超高所得層の世界では、もはや人間一個人としてその富を独占することの正当性なんぞどこにもない。百歩譲って、それが己の能力で得た労働所得であるならば理解できなくもない。でも、相続での資本所得によるならば、まあ生まれもった運不運はあるから、いくらかの世襲は容認するとしても、再分配せんとなりません。そこでピケティ氏は、厳しい累進所得税の実現を説いておられるんですな。しかし、この二百数十年のデータを解析した彼をもってしても、経済予測というのは極めて困難なんだね。
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帯文:”r>g 《資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出す》”
目次:謝辞、はじめに、第I部 所得と資本、第1章 所得と産出、第2章 経済成長―幻想と現実、第II部 資本/所得比率の動学、第3章 資本の変化、第4章 古いヨーロッパから新世界へ、第5章 長期的に見た資本/所得比率、第6章 21世紀における資本と労働の分配、第III部 格差の構造、…他
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簡潔かつ論理的に書かれているので面白く、一気に読み終えてしまった。
資本を持つ者と持たない者の格差が広がっていくこと、そして格差是正への提案を、長期的データを基に論理的に展開する。
こうしたテーマに興味がなくても、データを論理的に読み解くトレーニングとしてうってつけの一冊だと思う。
この本を読んでから、成長率2パーセントとかいうと、ものすごく大きな努力なんだと感じるようになりましたw
手元に置きたいが、値段が高いのがネック。
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よくこんな膨大な資料をまとめたもんだと思います。トップの0.1%について、今まで異常値として処理していたところに注目したところはすごい、金融は各国の思惑が大きいので、金融口座を監視して資本税ととるのは机上の空論だと思いますが、税金を取りたい政府はこの理論歓迎するわけです。
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「(略)数字との取り組みを拒絶したところで、それが最も恵まれない人の利益にかなうことなど、まずあり得ないのだ。」
上記は最後の一文を引用した。エリートと同じやり方なんてしなくても、市井の人々はどんどん間違って良いと思う。
とにかく現代必読の書。読むのにとても時間がかかったがその価値はお値段以上と思う。
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長らく本棚の肥やしにしていたのを一念発起して読んだが、長かった。正直言って読んだことの9割方は経済、歴史の知識不足で理解できずにすぐ忘れてしまったが、600ページの本書の主張を、僕なりにまとめると次の通り。
・20世紀になって先進国における貧富の格差が縮まったことは人類の進歩(工業化)の結果と思われていたけど、実のところそれは2度の世界大戦で富裕層の資産が破壊されたという異常事態が誤解されただけ。
・普遍的な法則「r>g」によって今はまた19世紀以前のような大きな格差の方向に戻りつつある。
・政策で意図的に調整しないと「r」は下がらないから、各国政府はちゃんと政策介入しましょう(クズネッツ曲線は前述の異常事態時のデータを基に考案されたものだから、普遍的な正しさはない)。
・介入の方法はインフレ、経済成長、教育への投資などいくつかあるけど、累進資本税が一番副作用がなく、うまいやり方だと思う。
・累進資本税は世界各国で一律にやることが重要(単に金持ちが自分の財産を外国に逃がすだけで終わってしまうから)。ただ、世界一緒にやるのは…みんな色んな思惑があるから難しいよねえ。
ということで、「これが答えだ!」ということを断定的に書いている本ではなかった。
ただ、この本の真価は主張そのものなのではなく、これまで空中戦に近い議論だった(らしい)経済学(特にマルクスあたりまでの近代経済学はほとんどデータなしの思考実験ベースだったようだ。最初にデータを活用し始めたクズネッツは上述のとおり結果的にデタラメ)に対して、「思い込みで議論するはやめましょうよ。はい、これデータね。」と議論の根拠を示したことではないかと思う。実際、本書に書かれている内容の大半はデータとその根拠や妥当性、読み取り方であって、思想ではない。このへん、「当たり前の内容とつまらん結論」なんてクサす人もいるが、それが確認できたことが大きいのではないかと。
上っ面な理解で済まさないようにするには知らなきゃならないことがまだまだあるけど、とりあえずはこんなところか。
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あまりに有名となった不等式「r>g」すなわち、過去に蓄積された富である民間資本の収益率r(利子、配当、賃料など)が、新たに生み出される富(所得や算出)の増加率である経済成長率gを上回るとき、富の分配は既に資本を持つ層に収斂する。これは資本主義というシステムに内在する不可避なメカニズムであり、つまり資本主義とは自ら持続不可能な格差を生み出すシステムである。
著者はこのことを時間・空間両面で広大なスコープによって検証しており、本書の大部分は著者が集めた古くは18世紀頃まで遡る世界各国に現存する数値データや文学作品に至るまでの膨大な史料を用いた丁寧な分析に割かれる。例えば、20世紀に縮小したように見える格差は、“文明の発展”によるものではなく、二度の世界大戦がもたらした偶発的な富の再分配だったことを証明し、むしろ今日では、相続社会の再来とスーパー経営者への所得の偏りなどによって、19世紀までの格差社会に戻りつつあるという。
このような状況に対する処方箋として著者は「資本に対する累進課税」を提唱するが、そのためにはグローバルに最適な税務環境を目指してタックスヘイブンなどに“逃げ回る”資本を捕捉し、「資産台帳」として透明化し適正に管理する必要がある。資本税の実現可能性については議論があるだろう。ある意味でチャーチルの「資本主義は最悪のシステムだ。ただし過去存在した他のすべてのシステムを除けば、だが」という言葉が真であることを、膨大な史料分析によって実証した一冊といえる。
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やっと読み終わったが、行きつ戻りつしながら半年近くかかってしまった。
もうブームは去ってしまったのか・・・
富と所得の分配について再度考えさせられるきっかけになったこと、関連する日本経済構造のベースはアメリカではなくヨーロッパに近いことが再認識できたことは大いにメリットであったが、正直それ以外いまいち得たものがなかった。
私の意識が低すぎるのかも知れないが。
2回目
発刊当時は上記の様に感じたが、今になって書かれていることがようやく理解できるようになった気がする。
ピケティ少し先を行き過ぎていたのかも知れない。これから再評価されるのではという気がする。
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足掛け2年、正味2ヶ月もかかってしまった。データを用いた歴史的な経済格差の動学は、目の先のレベルを超えてしまうが、実感として納得できるものだと、思いました。
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読みごたえがある。体調を崩していたのもあるけど、読むのに1ヶ月くらいかかりました。
まず何より、この本を多くの人が読んだらしいということに驚きますね。それくらい時間と知識が必要になります。要点はともかく計算方法などはよく理解できないところもありました。