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東京オリンピック目前、過去に確かにあった街や人の空気を味わえる気持ち良さがある。
なぜか一気に読めず推進力は弱かったが読書中の気持ちの昂りはかなりあった。
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奥田英朗を初めて読んだ本。
この本めっちゃ面白いやん!
その後伊良部シリーズのエンタメ性にもやられ、群集劇の「最悪・邪魔・無理」など、あれよあれよという間に20数冊を読了。
奥田のおっさんの本は読みやすくっておもろすぎ~
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上巻なので評価が難しいですが、やっと物語が動いてきた感じがします。
戦後どのようにして東京オリンピックが開催されたのか、その時代背景や人々の暮らしなど垣間見れます。
今年の夏に東京オリンピックが行われる前によみたかった作品でした。
話が日付ごとに区切られていて、さらに前後するため、簡単にメモするとより小説を楽しめるかもしれません。
基本として、主人公のターン、警察のターン、マスコミのターン。という構成ですね。
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犯罪者の方に肩入れしてしまうのは、「レディジョーカー」に似ている。でもあちらの読後があっぱれ、清々しいのに対し、こちらは胸が締め付けられるように切ない。
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前から読みたいと思っていた一冊。
いつもの奥田英朗さんとは別人のような内容です。
時系列はバラバラですが、読み始めると違和感なく内容が頭に入ってきました。
東大院生の島崎国男。
同級でテレビ局に就職した須賀忠。
警視庁の落合昌夫。
3人の視点から語られます。
何も怖い描写があるわけでもないのに怖いような気持ちになりながら読み進めました。朗らかさが返って怖い。そして今のこの時代にも当てはまることが多すぎて尚更怖い気持ちです。
この後どうなっていくのか下巻が気になります。
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犯人、刑事など、複数の登場人物の視点で描かれています。「あの時は、そうだったのか。」と読むにつれて、引き込まれました。
書かれている時間が、前後するので、途中、何度も前のページに戻って日付を確認してしまいました。オリンピックの光と影。社会の光と影。この犯人、嫌いになれません。
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前回の東京オリンピック開催前を描いていて、オリンピック主催に沸く当時の日本の国民全体での高揚感が読んでいて興味深かった。
本作は犯人が最初から分かっているので、何故犯人が犯行に及んだかの経緯を追う形だが、その心理が丁寧に描かれており、当時の日本の貧富の格差を読むにつれ犯人の動機には納得してしまう。ただ薬物に手を出す辺りからあまり共感出来なくなった。
後半がどのような展開になるのか楽しみだ。
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オリンピックイヤーということで、昔読んだこれを文庫で。
オリンピックイヤー、なんて言いつつも、私はオリンピックに全く興味がないし、「今やることかなあ?」と疑問にすら思っている方なので、国男くんの言う「国民に夢を与えることで、現実から目をそらさせようとしている」というのがすごく腑に落ちてしまった。
地方が苦しんでるのに東京だけウキウキしてて、なんなの? と国男くんが思う気持ち、現代にも通じるものがないだろうか。
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オリンピックに向けて劣悪な環境で働かされる人夫、進化する東京と貧しいままの地方、弱いものに寄り添う気すらないが日本を強国に導く使命感に燃えるエリート、高揚する市民、支配層への怒りを持つ犯人、日本を護ろうと犯人を追う刑事、どの人物も丁寧に描かれていて、感情を揺さぶられた。日本が大きく変わろうとした時代だったことも感じた。
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うん、面白い。
国男がいい人故に、その正義感から
悪い方に進んでいるのが読んでいて苦しい。
日本はこんな風に復興してきたのか。
2011/11/1
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『オリンピックの身代金』上・下巻
先日読んだ『罪の轍』にも登場していた
警視庁捜査一課5係の面々
数年前に読んだ
『オリンピックの身代金』にも登場してたということなんだけど
もの凄く面白かったという以外
殆ど記憶に無かったので、意を決して再読
本書も、文庫で上下巻
新刊に至っては、2段組みの分厚いハードカバーだったなぁーと
長い道のりに、少し腰が引けたけど…
結果、再読して正解!
えぇー!こんな結末だったっけー⁈
私の記憶とは、こんなモンです…笑
昭和39年10月10日に
アジア初のオリンピック開催を控えた日本
敗戦から約20年が経ち
先進国の仲間入りが果たせると
日本中が湧き上がる
主人公である、島崎国雄は
東京大学で、マルクス経済学を学ぶ大学院生
ある日、秋田の貧村から
東京に出稼ぎに来ていた兄の死の知らせを受け、両親に代わって身柄を引き取に行く
別人のように変わり果てた姿の兄と対面し
ただ勉強ができると言うだけで
違う生き方をさせてもらっていたという現実に絶望を感じる
地方から、出稼ぎをせざるを得ない
プロレタリア層の実態を、体験すべく
工事現場での過酷な肉体労働を始める
全国から集められた、出稼ぎ労働者の中でも
ヒエラルキーがあり
賭博やヒロポンの売買が横行している
最下層の労働者内ですら
搾取が行われている現実を目の当たりにした国雄は
「東京だけが、富を享受するなんて、断じて許せない」と
オリンピック開催を阻むべく、一人テロ活動へと突き進む
当時、鳴りを潜めていた爆弾魔「草加次郎」の名前を使い
都内各所で、爆弾を仕掛けるも
全く記事にも話題にもならず
諸外国や、オリンピックムードに沸き立つ国内に対して
報道規制が掛かってるコトに、更なる苛立ちを覚える
公安、警視庁、全学連、やくざなど、全てを敵に回し
運を味方につけて、緻密な計画を
着々と実行していく国雄
そんな中
とても印象的だった、国雄の独白
「いったいオリンピックの開催が決まってから、東京でどれだけの人夫が死んだのか
ビルの建設現場で、橋や道路の工事で、次々と犠牲者を出していった
新幹線の工事を入れれば、数百人に上回るだろう
それは、東京を近代都市として取り繕うための、地方が差し出した生贄だ」
なんともやり切れない気持ちにさせる
オリンピック開会式当日
2回目の身代金受け渡しから
最後の爆弾を仕掛ける場面では
手に汗握る、刑事との攻防戦
勧善懲悪を嫌い、作品内では
決して人を裁かないコトをポリシーとしてる著者らしい展開で
登場人物全ての事情を、余すコトなく丁寧に描いている
本書は、もちろん犯罪小説ではあるものの、細かい時代描写も秀逸
刑事と公安の確執
とか
当時のBG(ビジネスガール)の生態
とか
地方と東京の激しい格差社会
とか
若い夫婦の文化的生活
とか
当時のカルチャーも、ふんだんに散りばめられているので
どのシーンをとっても、充分に楽しめる
2020年
56年振りに、日本で開催される東京オリンピック
個人的には、全く思い入れはありませんが
開催直前に、本書を再読できたコトに関しては
なかなか感慨深いモノがあるなーと
#オリンピックの身代金
#奥田英朗
#読書好き
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続きが本当に気になって面白かった
時系列がバラバラになりすぎておらず混乱しないですむちょうどいい塩梅だったので読んでいて楽しい
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真面目な東大生が罪を犯すまでの心情変化が良く絵ががれており、読み応えがあった。奥田英朗のサスペンスはいつも終わり方が物足りないが、人間の心理描写を描くのはとても上手い。ただ毎度ながらオチが弱い。
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小生 東京オリンピックのカイサイをボウガイします―兄の死を契機に、社会の底辺ともいうべき過酷な労働現場を知った東大生・島崎国男。彼にとって、五輪開催に沸く東京は、富と繁栄を独占する諸悪の根源でしかなかった。爆破テロをほのめかし、国家に挑んだ青年の行き着く先は?吉川英治文学賞受賞作。
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これは面白かった。オリンピックに向かう日本、前のオリンピックのときはこんな感じだったのだろうなぁ。と思いながら読んだ。首都高速、新幹線、国立競技場を作る工事現場の出稼ぎ労働者たちの姿も非常にリアル(と思われる)で興味深かった。