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よくオリンピックは「平和の祭典」って言葉を使われるけれど、多くの部分で権力の行使が蔓延ってることを体現した本だと思う。
外国人には見せられない汚い部分を隠してるみたいなこと書いてあったと思うが、一昨年のオリンピックもやってること変わらないなと感じた。(オリンピックの選考会の時に、「東京は福島から遠いから放射能の心配はない」ってアピールしてたような記憶がある。)
平和の祭典の裏に隠された闇を見せられた感じがしました。
物語の構想もなかなか面白かったです。
下巻もきっと一気読みでしょう。
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文庫を購入して再読シリーズ第三弾。圧倒的な臨場感、登場人物のリアリティ、巧みな筆致、どれをとっても素晴らしい。
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大人しげで好青年だったのに、自ら過酷な労働者となり、自ら薬や更なる苦労を背負って自爆の道へ進んでいるような気がした。
わずかなのか長期になるのか1ヶ月で豹変して行くのは納得がいかない。
国男はどうなってしまうのだろうか。
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1964東京五輪直前の東京での話。建設業界のヒエラルキー、格差社会など、2020東京五輪後とさほど変わらない部分もあって、昔話という感じがあまりしない。
東大の学生さんを中心に話が展開していくが、なんというか残念な部分が多くて感情移入しづらい。貧乏なのに文系の院生で、学問を究めたいわけでもない。確たる信念が見えないというか何も無さそう。人をダメにするアレに手を出す。お騒がせな行為の疑い。
若気の至りには賛成できないが、今後の展開は気になるので早めに下巻に手を出そう。
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なぜ?
ドがつくMなの?
私には国男が何故そこへ向かうのか わからなかった。
お兄さんの事がなければ、彼はそのまま何も抱かず生きていたのか。
それはただのキッカケで、遅かれ早かれ彼はそこへ向かってたのか。
揉み消されてる事は沢山あるんだろう。
危なかった事もあったんじゃないだろうか。
私たちは何も知らずにいるけれど。
自国で大きな催しがある時、無事に終わってほしいと願ってしまう気持ちはすごくわかる。
大多数の人がそうだとも思う。
見えていないものは沢山ある。
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『罪の轍』、『リバー』に続いて奥田さん作品3作め。
早い段階で犯人がわかります。
頭脳明晰、容姿もよくて、性格も穏やか。そして、女性にモテる…。
きっと将来も安泰なのに、どんどん道を踏み外していく彼が、どうなるのか夢中で読みました。
彼は、自分に好意的な人を見抜いて、利用できるだけ利用する。そんな残酷な一面を持ちながらも、同じぐらい優しさも持っている。
彼の運がどこまで続くのか…下巻も楽しみです。
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東京オリンピックを通して再興する戦後の日本が舞台ではあるものの、利権争いが蔓延る国家のあり方はついこないだの2020東京オリンピックの話と聞いても違和感がない。東京オリンピックが終わって続々と不正疑惑、汚職などのニュースが出てくる中で読んだため、日本も成長しないなあと他人事のような感想を抱いた。
爆破事件を起こすことで、オリンピックで浮き彫りになる階級格差、地域格差な一矢を報いようとする主人公はびっくりするほど純粋で正義感が強く、なぜか嫌いになれない。
出稼ぎの描写、これから衰退していく日本ではどんどんこういう家庭が増えていくのでは、、と怖くなった。
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タイトル、どういうことかと思ったけど、途中であぁそういうことか!と腑に落ちる瞬間が。
時系列も順番に行ったり来たりするから、どう繋がるのかと思ったら上巻ラストでまた腑に落ちて。
戦後日本の経済格差にびっくりするし、すごいリアリティ。
頭が良ければ勉強できるけど、できなければ出稼ぎに行くしかない貧しい村。
そんな格差への反発でオリンピックの開催で沸く東京の人たちへの脅迫。
最初疑われた学生がどうしてそんな大それたこと?と思ったけど、読み進めると納得というかなるべくしてというか。
下巻でどうなるか楽しみ
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東京オリンピックに沸く日本の陰で確かに存在しただろう闇の部分を、暗くなりすぎずテンポよく、陽の部分と共に見事に描かれている気がした。
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東京オリンピックの時代の街並み、流行など当時の描写がリアルに描かれ、当時の様子を脳内で再生する面白みがあった。また、高度経済成長の背景には、低賃金で過酷な労働を強いられる出稼ぎ労働者、東京を発展させるためにないがしろにされる郊外の犠牲があったこと、見える部分のみを大事にする警察の黒い部分など、国の裏事情の描写が鮮明で、今の二極化社会、政府の国民に都合の悪い内容を隠す体制など今にも繋がる内容になっているように感じた。
主人公がよくモテる。
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随分と前に図書館で借りて読んでたけど
『罪の轍が』を読んだら東京オリンピックの時代で、柳美里のJR上野駅公園口を思い出し
この時代の作品を他にもと本作を思い出し購入
事件が軸なんだけど時代背景とか
ゴーギャンの『我々は〜 』を思い出した
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プロレタリアートに敢えて飛び込んでいく青年の心理や時代背景がとても丁寧に描かれている。オリンピック景気に沸く人もいれば過酷な労働環境に身をおいている人、都市部と田舎の経済格差等々様々な視点から物語が進行していく。身代金を要求するに至るまで何があったのか、深くえぐっていくさまが刑事の目線だったり、伏線回収の匠さでどんどん引き込まれてあっという間に上巻読み終えてしまった。伊良部先生と同じ物語を書く人とはとても思えない(笑)
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伏線を張ってる序盤は眠くなることが多かったが
回収し始めるとどんどん面白さが増していった
田舎生まれの東大生が後戻りできずテロリストへと変貌していくなんとなく可哀想な内容
時系列が前後するのが面白い
あたかも作者自身が体験してたんじゃないかと思うくらい細かな情景が描かれていて凄い特に飯場のところ
最後国男と村田はどうなったのか気になる