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見当たり捜査員の話。
一度に三千の顔を記憶にストックしている警官が街中で指名手配犯への見当たりを行う。しかしただ探すことが仕事ではない。成果が無言のプレッシャーとしてのしかかり、何も起こらない空白の期間が長くなればなるほど、捜査官は精神的に追い詰められていく。あせればミスを誘発する悪循環にも陥る。
警察官にこうした職種があることを初めて知った。しかし仕事とプライベートの境界がつけられないだろうな。手配犯らしき人物が視界に一瞬でも入っただけで体が反応していては、正常な生活なんて望めない。常に緊張感がつきまとう中で精神は崩壊していく。
羽田さんの作品はあまり読まなくて、良くも悪くも軽いからどうしても入り込めないのだけど、この作品は良かった。見当たり捜査員というモチーフが単純に面白いのだと思う。「顔」をテーマにもう少し掘り下げてほしかったけど、サスペンス的な要素もあって楽しめる。ドラマ版の玉木宏の美形は見当たり捜査員には向いていないだろうけれど(見つける側が目立ってどうする)。
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警視庁捜査共助課の白戸は指名手配犯たちの顔を脳に焼き付け、新宿の一角に立っていた。一日で百万もの“顔”が行き交う雑踏で、記憶との照合作業を密かに行う。犯人の罪状も動機も関係ない。覚えた顔を見つけるだけ。不意に目の奥が弛緩した。親しみを感じる顔が目に飛び込んでくる。すぐに五百の“顔”が並ぶ手帳を確かめた。間違いない、指名手配されている男だ。来る日も来る日も、勘を頼りに繁華街を彷徨い、いつ現れるとも知れない手配犯を探す“見当たり捜査”。見つける側であり続けるはずだった白戸が見つけられる側に転じたのは、一人の中国人マフィアを歌舞伎町で逮捕した時だった。
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見当たり捜査。
手配犯の顔を記憶して、歩き回って探し出すというなんともアナログな捜査があるらしい。
さぞ大変で気が遠くなる作業と想像はつくが、どれだけ大変なのかは想像の域を出ない。
警察小説であるが、こういう切り口で入っていくのは新しく思う。
見当たり捜査で犯人を特定する時の観察眼から、
読まれてしまう"動き"ってあるんだと思った。
今でもおそらくこういう地味な捜査って、あるのだろう。
AIなどでは処理できないこと。
人の努力で成り立っていること。
警察以外にもきっとまだまだたくさんあるんじゃないかと改めて思った。
小説自体は、少し言い回しがくどく、飽きてしまった。
もう少し心理描写、情景描写が短いといいと思った。
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テーマが面白かった。
なにか特定の事件を追うわけではなくて、顔を覚えて居るかも分からない街中で探し続ける。
地道過ぎる捜査で、しかも見つけられない日が続くと周りや自分からのプレッシャーが重い。居るかどうかなんて分からないのに、見つけることが当たり前。なんて世界なんだと思った。
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見当たり捜査。
あんまりない警察小説でした。
人の顔と向き合うことで自分と向き合う。
とても特殊な世界です。
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警察小説でした。
警視庁捜査共助課(?って 本当にある部署かわかりませんが)の方々の お話でした。
手配犯の顔写真を 暗記して
大勢の人ごみの中を 歩いて (昔の刑事ドラマのように 足で捕まえる?!)
逮捕していくお話でしたが
犯人を あげられない ストレスや
何故か 追いかけてるのに 追われちゃったり、
小説ならではの 展開で した。
中国マフィアが出てきた時は
人間関係の構造が こんがらがってしまいましたが
どうにか 納得して読みきりました。