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脚本家として順調に生活する鈴音のもとに、高校時代の友だち水絵が子どもを連れ転がり込んでくる。
離婚し、リストラにあった水絵は、就職先を見つけるため、一週間鈴音の家に泊まらせてくれと泣きついてきた。
ずーっと水絵にイライラ
厚かましいにもほどがある。
鈴音はもっとクールな人かと思ったけど、
やさしいというか、お人好しというか…
茉莉花さんという友だちがいて良かったよね
そうじゃなきゃ、ホント水絵のいいようにされてたと思う。
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一章のラストで既に、無理っ!と思いました。でも沢山の方が読まれているのでなにかあるのかなとイライラしながらも最後まで頑張りました。私自身夫の仕事の関係で2歳まで親も頼れないほとんど母子家庭のような状況で子供を育てましたから、子供を一人で育てるのがどれだけ大変かは少しは分かるつもりですが、それでもこの選択は絶対ないです。十年ぶり?!よほど親しくても私には理解できません。主人公が中途半端に助けてしまうのもわからないではないけれどかえって良くない。ラストに少し救いがあったけど本当にこの読書は辛かったです。
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可愛くて可哀相な耕太。
私だったらどうしてたかな。断れたか。。自信はない。
非常識な水絵。しかし最後の最後で鈴音には恩を感じていた面が伺えて憎みきれなかった。
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2人の心理にイライラしたり、共感したり・・・
それぞれの立場からでしか相手の気持ちを想像できない、
人間関係って難しいけど面白い
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10年ぶりに高校の同級生から連絡がきた。しかも家の近くにいるから会って話せないかと。しぶしぶ待ち合わせのファミレスに行くとそこには子連れの彼女が。離婚してリストラされて行くところがないから居候させてもらえないかと頼まれる。
主人公は独身の脚本家。そこそこ売れてそこそこ良い暮らしをしているが、そんな暮らしを同級生は恵まれているなどと言う。努力して築き上げてきたことを理解しようともせず、同居のストレスなどもあり、小さな諍いは起きていたが、主人公が紹介した仕事に採用されたにも関わらず断ると言われ、このまま居座る気なのではないかという疑心もあり、ケンカになる。そして主人公が出かけている間に子どもを置いて出て行く。
ほぼ連絡を取っていなかった友達をどこまで受け入れることができるか。境遇には同情しつつも自分のストレスも抱えて我慢すべきなのか。
主人公はかなりお人好しでドライに割り切れないところがもどかしい。そこにつけ込んでくる同級生もしたたかで、居候のわりには自分の意志を曲げないのが鬱陶しい。そんなのに巻き込まれているのが子どもでとてもかわいそう。
けっこう気軽に引き受けちゃいそうなことだけど、うっかり引き受けちゃったらけっこう面倒だな、と。そんなお互いの心理をうまく描いているなと思った。
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鈴音にも水絵にも感情移入させる作者が凄いと思いました
鈴音の友達の言う事は最もだと思うけど、それは第三者から見て言える事なんだよなあ、、
自分がいざそうなったら、って考えたら怖くなりました(笑)
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人にはどこまで優しくすれば良いのだろう。
この人と仲良くなりたい お近付きになりたいに限らず、自分の利益の為だけの打算故の優しさはいくらでも発揮できるのやもしれない。それが人間の優しさの全てならこれ以上わかり易い物は無い。
しかし、困っているから助けてあげたい の善意の気持ちだって勿論誰しもが持っている優しさの感情だ。ただそれをどこまで実行するべきなのだろう。
してあげたのに何よ
と思う優しさの提供側
それくらいしてくれたっていいじゃない
と思う優しさの収受側
鈴音のモヤモヤやイライラを募らせる人間味溢れる姿と、人の言動や立場を踏まえて 発信されない言葉を 一生懸命考えている姿に胸を打たれる。
これって凄い事だと思う。
おママ様の水絵さんに対して共感する部分はまるでなかったが、周りが見えない人 のくくりで言えば決して少数派のキャラクターでは無くとてもリアルだ。
最終的に鈴音の思いや考えは水絵に届かず気持ちの良いエンドではなかったが、鈴音の様に人の見えない気持ちに寄り添える人間性は憧れるなぁ。
【以後微ネタバレ 注意】
量産型おママ様水絵の身勝手な行動の救済措置は
物を盗らなかった という幼稚地味た物であり、結局鈴音の許容と息子の歩み寄りが最善となる。これでは身勝手の勝利ではないか。
私の心が荒んでいるのか...
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ブックオフのイヤミス特集から。この系、好きなんで。読みたいと思いながら、なかなか読めていない作家さんでもあったし。主人公の煮え切らない態度にもやもやしながら、次の展開が気になって仕方なく、ほとんど一気読みしちゃいました。面白かった。何とも救いようのないクライマックスじゃなく、読後感が悪くないのも、意外に好きだった。
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じわじわと押し寄せてくる「嫌な感じ」が、巧みに描写された、心理サスペンスの傑作と称される所以がよく分かる小説だった。
しかし、文体自体は小難しくなく、「心理」と言っておきながら理解しやすい文章が書き連ねられている点は、読んでいてページが進んだ。
最初にも言ったが、じわじわと嫌なものがやってくる感覚は癖になる。生活リズムが徐々に乱されるのは嫌だよね〜。子供を引き合い出されると困るよね〜。
居候の水絵には普通に不快なものしか僕自身は感じなかったが、彼女には彼女なりの葛藤と信頼があったのだろうし、それに気がついて追い出すことを渋る鈴音の心境もよく理解できる。かと思えば鈴音の友人の茉莉花のように、客観的にこの関係を見る人物もいる。
後半で、水絵は会っていない間に、鈴音という存在をデコレーションしていたのではないか、と言う文章があり、決して水絵のことも憎めないのだ。そしてこの「デコレーション」という言葉に、鈴音の職業である脚本家に対する皮肉が込められていると思ったのは考えすぎだろうか。
あまり多いとは言えない登場人物の中で、無駄な考えなどなく、終始考えさせられるような気分になった。
強いて言うのであれば、展開が遅いような気がした。そのせいで若干サスペンスらしさが薄れている気もする。でも、じわじわと嫌なものを味わうには欠かせないだろうから、その辺は難しい。
行方をくらました水絵に会いに行く耕太はどんな気持ちなのだろう。後味はそこまで悪くなかった気がするが、その事を思うと少し気がかりである。(それが後味悪いって言うんだよ!)
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自分自身、鈴音と似ている部分が多すぎて共感したりその優柔不断さにイライラしたりしながらも客観的に意見をしてくれる鈴音の友人である茉莉花(まりか)の存在は良い逃げ場となりほっとする場面でもありました。
鈴音、水絵、この二人の感情を表す心理描写が繊細で丁寧で女同士ならこんな会話がありえるだろうと言う箇所がいくつもありリアリティー溢れる作品でした。
近藤さんの作品は読んでいる間も読後感も決して晴れ晴れとはしないけれど毎回人間関係や女性同士の付き合い方を考えさせてくれる指南書の様です。
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煮え切らないまま終わった感じ。
歯ブラシの出来事のような人とのズレを盛りまくって嫌ミス的な雰囲気になるかなと思ったのに、結局水絵のこともわからないまま。
旦那と水絵のどちらが本当にいい人なのか、とか学生時代に助けてくれた過去からの現代に繋がる何かがあってもいいと思う。
ただ読みやすいので星3
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そんな悪い人はいないだろう。
そこまでしないだろう。
性善説で生きてるお人好しを軽く裏切る感じ、大好物です。イヤな感じですれ違っていくのが面白かったな。
使った歯ブラシ返されても。。。
ただのゴミだよ?
嫌がらせなのか天然なのか。
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かなり恐怖だった
親切にしているほうがどんどん罪悪感を感じる構図…
日常の中にもまぁあることで、そういう関係って本当はたちきらないといけないものなんだなと考えさせられてしまった…
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長らく会っていない、友人とも言いがたい友人から連絡が来て、子連れでしばらく泊めてくれなんて言われたら、即断るべきだと思う。断りきれずに短期間のつもりで承諾しても、初日に歯ブラシを貸してと頼まれて買い置きを貸し、翌日コンビニで新品を買ってきた友人が昨日使ったほうを返してきたら、そりゃもう即刻追い出すべきでしょう。感覚がズレすぎている。
そんなふうに始まるから、ものすごいイヤミスに違いないと思っていました。事実、終盤まで、盗癖もあって自己中な友人にしか見えません。だから、最後は呆然としてしまう。
彼女のことを見誤ってはいなかったか。彼女は本当に誰も頼る人がいなくて、自分のことだけを友人だと思って訪ねてきたのではないのか。
後悔のない人間関係について考える。結局、自分がどう思われたいか次第。自己満足にしか過ぎないのですけれど。
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平均台をバランスを取りながら歩くような、登場人物の善悪がどっちに振れるか、ハラハラした読書。人間の善悪など、簡単には決められないのがリアルであり、物語の中でも単純に役割を決めない事で、この小説は、人間の深みを描くと共に、ミステリアスな雰囲気を醸す事に成功している。そしてそれは、生活とは切り離せない、日々の暮らしの象徴である「はぶらし」にスポットライトを当てる事で、更に生々しさを増し、不気味さの演出に繋がる。
旧年来、しかし暫くは疎遠だった友人からのSOSに、自分なら、どのように対応するだろうか。お人好しと冷酷、寛容さと不快感の狭間で内省する女性を描き切る。そうじゃない、甘い、と読みながら突っ込みつつ、不快感側に向いたメーターの心理ゲージを気味の悪さに常時震えさせながら。イヤミスを読みたかったので、これは当たり。