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やはり桐野さんは正真正銘のストーリーテラーだなぁ。
常に新しい舞台設定とぐいぐいと読ませるスピード感。
中には合わない作品もあるけれど今回は面白かった。
舞台はナポリ。
ナポリで母と二人だけで貧しい暮らしを送っているマイコ。
国籍もパスポートも持たずろくな教育も受けていない。
整形を繰り返す母と様々な国を転々としながら生きてきた。
一体母親の正体は誰なのか、自分は誰なのか。
やはり桐野さんは日常と逸脱した物語を書く方が断然面白い。
今ドラマ化されている「だから荒野」なんかよりこっちの方が好きだ。
アウトローを描かせたらピカイチだ!
おまけにこの作品にはマイコが一緒に行動する友達それぞれの祖国の話や生い立ちを描写することによって、普段は意識することのない世界情勢や社会問題をも読者に喚起させる。
最後にマイコが選んだ彼女の生き方には賛否両論あるにせよ、存分に最後まで楽しめた作品だった。
桐野さんが国外で評価される理由がなんとなくわかるなぁ。
言語を超えた普遍的テーマを扱っているから?
いやむしろ翻訳しやすい文章ってことかな(笑)
まさにストーリーテラーです!
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ホントに深い夜。三人一緒なら。この残酷な世界を、なんとか生きていけそうな気がした。これから、舞子は幸せになってほしい。
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桐野さんの作品、好きなんだけど、これはあまりおもしろくなかった。
設定が陳腐だし、ストーリー展開も。
まあ、あまりない展開はおもしろいと感じたけど、それだけ。
七海さんも謎の存在。
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桐野夏生最新作。
だいぶ作品を読んできたけど、
この人の描きたいテーマ、みたいなのが見えてきた。
ここではないどこかへ、行こうとする魂。
『グロテスク』の、ヒロインも。
『東京島』のヒロインも。
『ナニカアル』のヒロインも。
皆、どこか、どこかへ行こうとしている。
今回の作品は、あからさまに「冒険」する魂。
冒頭、ナポリという異国で、
ヒロインがみたこともない祖国のマンガに夢中になる、
という設定に、
今の自分の環境を重ねた。
あたしもどこか行きたい。
どこか、遠く、遠くへ。
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国籍もIDもなく自分の名字すら知らない舞子・・・その謎が気になって一気読みしましたが、ああそうですか、というラスト。
エリスの境遇は、いままさにもっと残酷なことが中東などで起こっているのだ・・・と思うと辛かった。
そしていったい結局七海って何?
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うーん。そっちに行くかって感じ。
日本は漫画文化で夢の国のようで、やっぱり悲惨な現実のある国。どの国にいても生きる事は大変。自分がどう生きるかに、掛かってる。
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自分の名前、ましてや国籍も分からない
でも異国に母親と住んでいて
っていう謎だらけの人生。
なんちゅう面白い設定を考えるのだ
もう、それだけでワクワク。
オチは少し肩透かしだったけど
なんか、スカっとした。
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どこに注目して読むか、で満足度が変わりそうだけれど・・・、
ワタシは、母親の秘密とは一体何なのか?の話として読んでいたので、ラストでアレレ???って感じでした。母親の「全部ウソ」のウソの部分は説明されてないし・・・
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厚みが気にならない程入り込んで一気読み。
すごいもん読んだなーって感じだけど
最後カットアウトでちと不満。
【図書館・初読・3/2読了】
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ナポリの貧民街で、人目を避けるように暮らす、日本人の母と娘の親子の物語。娘は、雑誌を通じてしか日本のことを知りませんが、雑誌で読んだ自分と似た境遇の七海という女性に届くかどうかもわからない手紙を出し続けます。物語は、その手紙によって語られていきます。尋常ではない人目を避けた生活の様子とそこから抜け出していく娘の姿が読みどころですが、なんともいえず不思議な印象を受ける物語です。辻褄のあった結末は期待していませんでしたが、少々あわて気味ではあるものの、最後はそれなりにまとめてありました。
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桐野夏生さんの作品を読むのは、これが初めて。
冒頭からマンガカフェにマイコが入り浸るくらいまでは、七海さんて何者?書簡形式なの?あれ、七海さんと文通してるわけではないの?なんて思いながら、だらだらと読んでいたのだけれど、途中からはもう一気に読んでしまった。
二転三転しつつラスト近くで明らかになる真実、ショッキングな出来事、そして再会ー。ちょっとドタバタだったかな、最初に比べて最後の方は。被害者の会や教祖の家族たちは、結局どうなったんだろう。マイコには救いのあるラストだったけれど、シュンがどうなったのか気になった。
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内容(「BOOK」データベースより)
私は何者?私の居場所は、どこかにあるの?どんな罪を犯したのか。本当の名前は何なのか。整形を繰り返し隠れ暮らす母の秘密を知りたい。魂の疾走を描き切った、苛烈な現代サバイバル小説。
3月15日~ 途中放棄
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奴隷小説とともに購入して、奴隷小説を読んで、桐野夏生ワールドへ、どっぷりとつかってしまった。
読み始めたら、どうにも先が気になり、結局1日で読み終わってしまった。
おもしろかった。
特に、エリス、アナとの生活に入ってからの部分は圧倒的な力。
登場人物に語らせる自伝の形をとっているのに、さらっと悲劇が描かれているのが、むしろ想像力を駆り立てる。
桐野さんの小説は、どことなく乾いているところが気にいっている。
じっとりとしていないが、若干の湿度はある感じ。
桐野さんの本は怖いので、読む前にちょっと覚悟がいるのだけれど、やっぱり読むと魅了される。
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王様のブランチでやっていたので図書館で予約。面白くて一気に読んでしまった。
第一部は主人公のマイコが七海さん書く手紙で物語は進んでいく。ナポリのスラム街に母親と住むマイコの生活、閉ざされた世界でしか生きていけない自分に成長と共に疑問がわき、MANGA CAFEに出会ったことで変わり始める。
難民のエリスとアナと出会い、第二部ではもっと激しい展開と事実(?)がわかる。いろんな国でいろんな事情を抱えて生きている人たちの暗い部分がよくわかる小説だった。
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え?それじゃぁシュンは?被害者の会はどうなるの?
お母さんとまた暮らせるようになってよかったねーとは全然思えなかった。そもそもお母さんの告白は信用できるの?娘に国籍も与えず、本名も名乗らせなかったんだよ?何度も引っ越して整形して逃げ回っていたお母さんだよ?
う〜ん、ラストに納得できなかった。