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「私たち老人は、続く世代の命たちに、痛めた地球を回復して残す努力をせず、この世を去っていい筈はない」(本文より}。
国際線機長として長年空から地球を俯瞰し続け、汚れ行くその姿を目の当たりにして強い危機感を覚えるに至った著者。実際、今の大多数の人は、近年の極端ともいえる異常気象に疑問と危機感を抱きながら本当のところが把握できず、漠然と時を過ごしているといえるのではないだろうか。 本書は、そんな思いの人に向けて、続く世代の命の継承のために、祈りにも似た切なる願いから、そして、経済成長を支えた世代として贖罪の意味も込めて、書かれたものである。
地球の切羽詰った危機について、その原因を膨大な科学的データを読み解きながら簡潔にわかりやすく解説。過剰な消費とそれに伴う膨大な汚染の蓄積が地球の処理能力を超えて、その循環が破壊されている現状を明らかにし、長い目で見た地球上の命にとって本当に必要なものは何か、と問いかけ、さらに現実的な解決法を提言する。
著者は、数々の国際的な活動を経たのち、リタイア後は循環豊かな自然に沿った暮らしを求めて
八ヶ岳山麓に移住し、10年余がたつ。