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(2015/2/18読了?)
読了と言っても、斜め読みです。それも常に眠気と戦いながら。
アリス好きなので、タイトルに惹かれたんですよね〜
たくさんの短編が収録されてます。全て既にある物語の模倣やパロディーなど。
元になった作品に興味がある方なら楽しめたのかも知れません。
中島さんは他に長編を2冊読んでます。私は長編の方がいいな。
(内容)
大人のお茶会へ、ようこそ。あなた、どこかへ辿りつけるでしょうか。騙されたと思ってひと口、飲んでみてください。美味しいです。心地よく酔います。楽しいです。そして、ちょっと怖いです。魅惑のパスティーシュ小説集。
(目次)…カッコ内は、トリビュート作品
1.男と女
満願(太宰治/満願)/Mとマットと幼なじみのトゥー(吉川英治/宮本武蔵)/夢一夜(夏目漱石/夢十夜)/腐心中(森鷗外/普請中)/カレー失踪事件(コナン・ドイル/シャーロック・ホームズ)/ムービースター(映画「キング・コング」
2.ディストピア
毒蛾(宮澤賢治/毒蛾)/青海流水泳教室(岡本かの子/渾沌未分)/王様の世界一美しい服(アンデルセン/裸の岡本王様)/親指ひめ(アンデルセン/親指姫)/伏魔殿(施耐庵/水滸伝)/新しい桃太郎のおはなし(作者不明/桃太郎)
3.ライターズ・ワールド
国際動物作家会議(ケストナー/動物会議)/寒山拾得(芥川龍之介/寒山拾得)/富嶽百景(太宰治/富獄百景)/ゴドーを待たっしゃれ(ベケット/ゴドーを待ちながら)
【パスティス/パスティーシュ】
アブサンの製造が禁じられた時代、代用品として作られたアニスのお酒「パスティス」と、先行作品の模倣を意味する「パスティーシュ」は、ともにフランス語で、俗ラテン語のpasticiusを語源に持つそうです。じつはスパゲッティなどの「パスタ」の語源も同じ。もとを辿ると「ごたまぜ」というような意味にいきつくとか。
これからはじまるのは、まさに模倣だったりパロディーだったり珍解釈だったりするごたまぜ世界の作品たちですが、夜更けに傾ける一杯のパスティスのように、みなさまを酔わせるなにかでもありますように。
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難解な作品のため、苦戦。しかし、独特な世界観に吸い込まれていくような感覚が心地よい。だが、やはり難解。雰囲気だけを掴んだり、文章や作品の世界観を素直に受け止める事に努めたら楽しく読む6事が出来たので、良かったと思う。中島京子は難しい作品が多く感じるのは苦手意識からだろう。
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太宰治、吉川英治、ケストナー、ドイル、アンデルセン……。あの話この話が鮮やかに変身するパスティーシュ小説集。思わずにやりとする、文芸の醍醐味がたっぷり!
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元になった作品を読んでいるものもありそうでないものもあったが、知らなくても元の作品を思い描けるものもあり、知っていれば思わずクスリとなったり、あぁそんな裏話もあったかもしれないなと、妙に納得してみたり、ときには、元作品より腑に落ちたり。なかなか愉しい一冊だった。
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西岡兄妹(妹)の絵は魅力的。
有名な文学作品や昔話のパスティーシュ。
「満願」なんて、ほとんど全く同じで、太宰の作品よりいいところは特にない。(「富嶽百景」の方ができが良い。)
「国際動物作家会議」「ゴドーを待たっしゃれ」なんかはちょっと面白かったけど、もの足りない物の方が多かった。
著者の『FUTON』や『イトウの恋』は素晴らしかったので、きっと短編のパスティーシュも素晴らしいだろうと期待しすぎたのかも。
中島京子は長編向きの作家なのかもしれない。
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パスティーシュ短編集。『FUTON』は読んだことないんだけど、(先に花袋のほう読んでから読もうと思って、でも注文するの忘れてた)タイトルか文体で読んですぐ誰の何とわかるようなパスティーシュが多く、現代的なしゃれも効いていて良い。
お見事と思ったのは『満願』『夢一夜』『腐心中』『ゴドーを待たっしゃれ』『毒蛾』。全部読み返したくなる。一番好みだったのは『おやゆび姫』。あ、『カレー失踪事件』も面白かった!
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これは…
作者が一番楽しんだのでは…
本の作りも凝っていて
章ごとに
字体や余白のとりかた、紙質などが
変えてある。
私は「富獄百景」の字体が好き。
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装丁がお菓子箱みたいに可愛らしくて素敵。パスティーシュというよりは、いろんな小説や物語の連想から生まれたささやかなお話たちです。独立した作品としても面白いし、本家からの連想の繋がり方を知るのも面白いですね。『宮本武蔵』から生まれた『Mとマットとトゥー』は現代のダメ子っぽい文体がおもしろいし、「裸の王様」「親指姫」「桃太郎」のパロディもそれぞれ現代的でいい。でもやっぱり第3部がいちばん楽しかったなあ。「国際作家動物会議」に、エッセイと小説のアイノコっぽい「寒山拾得」「富岳百景」、それに坪内逍遥訳による「ゴドーを待たっしゃれ」。おもしろーい。
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図書館へ本を返しにいくと、珍しく(!)予約本が何もきてなかったので、久しぶりに本棚をあちこち見てまわって、中島京子の『パスティス』を発見して借りてくる。昨夏に出た本は、予約待ちがたくさんいるようだが、最新刊のこれが空いているとは!
『FUTON』に始まり、『イトウの恋』とか、『女中譚』とか、この人の"本歌取り"系の作品はスキなので、パスティーシュと語源を同じくする「パスティス」と名づけられた作品集、著者いわく、「まさに模倣だったりパロディだったり珍解釈だったりするごたまぜ世界の作品たち」(p.3)に、心うきうきわくわく。
パートは3つ、「男と女」、「ディストピア」、「ライターズ・ワールド」。字の色や紙の色、レイアウト、そしてイラストもよい。
私がとくにおもしろかったのは、パート2収録の「親指ひめ」。パート3の「国際動物作家会議」もかなりおかしかった。また古いあれこれも読みなおしたくなる。
年明けに読んだ『週刊金曜日 1/9号』で、中島京子のインタビューが載っていた。"とにかく「おかしい」と思ったら黙らないこと"、と『小さいおうち』のことにふれて語っていた。貸出の旅に出ていた単行本が返ってきたし、これもまた読みかえしたい。
"何かを「知りたい」という気持ちが執筆の原動力になっている"とインタビューにあった。いまは戦後のことが知りたくていろいろ資料を調べているそうで、小説になったらぜひ読みたいと思う。
(2/3了)
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色々短編集?
男女ものあり、推理物? あり、物語あり、な
ジャンル色々だったので、好きなものはあるか、と
思いつつ読むのも楽しいかと。
面白かったのは、カレー失踪事件。
後ろめたいからこそ、ここまで暗く考えてしまう妻の
思考回路もすごいですが、夫もすごい。
いや、むしろすべて(?)を見通した男がすごい?
後は童話、でしょうか?
桃色ケースの人もそうですが、この世界には
一体何が起こっているのでしょうか?
謎は謎のまま終わっていたりするので
それもまた非常に気になる状態。
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技巧に走りすぎた感のあるパスティーシュよりも国際動物作家会議などのインスパイアされた作品の方が面白かったですね。その辺はFUTONで証明されてます。
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パスティーシュ16作。
パスティーシュとは先行作品の模倣を意味深するらしい。
まさか「Mとマットと幼なじみのトゥー」がアレとは思わなかった。
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一話読んだがちょっとわからないかも…
トリビュートされてる作品を知らないのも要因の一つかも。
現に親指姫とかは面白く読んだし。
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短編。パスティーシュ=模倣。
いろんなオマージュ。昔話から太宰に夏目漱石に映画キングコングにシャーロックホームズまで。
最後のは、ごめんなさいちょっとわからなかった。
私の知識不足に、まだまだ知らない世界がたくさんあるということ。
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短編集なので、おもしろいのもある
◆ 水滸伝に出てくる伏魔殿
絶対に開けてはならぬと言い伝えられている
興味だけで開けてしまう伏魔殿から出てきた悪者たちとは、ありとあらゆる放射性廃棄物だった とか
◆ 富嶽百景 では子供の頃の太宰を教えた越野たけさんに いろいろ質問したりする
◆ 寒山拾得
◆ 国際動物作家会議
◆ 親指ひめ
◆ ゴドーを待ちながら を坪内逍遥が翻訳すると
などなど
もう少し笑いを取れる文章になれば 次も読みたくなるんだけどなぁ