紙の本
ありきたりの結末でないところが良い
2016/08/20 21:48
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たこやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
人と、鬼やムジナや天狗など「人外のもの」の出会いを描く、創作お伽草子。
どれも結末が全く予測できず、いったいどうなることかと、思わずページをめくる手が早くなったものです。
ハッピーでもアンハッピーでもない、それらを超越した、とでもいえばよいのでしょうか、不思議な読後感でした。
今のところ一番のお気に入りは、「天つ姫」。聡明な姫と恐れを知らぬ天狗を結ぶ絆を、なんと呼ぶのか・・・ラストには思わず涙しました。京都の貴船神社に、寄り添って立つ杉と楓の古木があるそうですが、作者はここから想を得たのでしょうか?いつか実物をこの目で見たいと思いました。
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タイトル通り、人ならぬあやかしを主人公にした短編集。
どの作品もつまらなくはないのだが、色々とあっさりしすぎていて、もう少し掘り下げて書いて欲しかったなぁ……という印象。
個人的にはデビュー作の『魚神』のような雰囲気のものをもう一度読みたい。
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妖しい世界を堪能できた。派手さはないが、それゆえに現実離れした世界が身近に感じられた気がする。文章もまさに妖艶。
あやかしの舞台で人を描き、人と人がよく描かれていた。
個人的にはむじな和尚が好き。
たまにはこういう本もいいな。
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切なくも美しい短編集。題材は古典から取っているものの、心理描写が瑞々しく、秀逸。特に前半の3話が気に入った。
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短編6作。
書き出しからの纏わりつくような妖しい美しさ、戸惑うまでもなくすっと惹き込まれるあやかしの世界。
切ない描写は身を切るほどに痛々しく、哀しみで満たされてしまう。
どの作品も読後に鮮烈な色が残る。
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人と妖の、不気味ながらも切ない交流を描く短編六作。言葉が平易なので読みやすく、さらさらと入りこんで堪能出来る一冊です。作品それぞれ、人も妖もきちんと個性が描き分けられているのが良いですね。個人的には「ムジナ和尚」と「天つ姫」がお気に入り。後者はイケメンならぬイケ天狗が男前で素敵でした(笑)
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とても不思議な空気感。しっとり濡れた土みたい。幻想的な雰囲気。昔話を聞いているようで、なんだか懐かしくて切なくもなる。
2016/1/5
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御伽噺などを元に創作された話であるが、その時代の世界に話が溶け込んでおり、元の話を知らなくとも読みやすいし面白い。どこか現代の雰囲気も漂っていると感じた。作者の妖美さの表現に浸ってしまう。序盤よりも中盤後半になると味が出てくる。
ムジナ和尚、天つ姫が好き。
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つかみどころがない話が多かった。
でも不思議な雰囲気はありました。
最後の話と天狗の話が好きかな…。
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千早さん独特の、静かでしっとりした空気感が古来の日本の獣や怪の妖しさを引き立てていて、なんとも大人っぽい日本昔話だった。日本古来の世界観を堪能できた。天狗の話が一番好きだな。惚れてまうやろ的な。
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どれも懐かしいような、どこかで聞いたことのあるような
それでいて新鮮に心がさざめきました。
優しくて、緊迫して、風情があって・・・
余韻の残る短編集でした。
「天つ姫(あまつひめ)」がお気に入りです。
最後が泣けましたよぉ~
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タイトルと表紙から、ちょっと恐い話かも…(゜゜;)と思って読み始めたけれど、あやかしが人と関わり、人の感情を持っていくさまに切なさや、哀しさを感じた(T-T)特に最後の「機尋」が良かった(*´-`)人とは違う時を過ごす あやかし にとって感情を持つ事は幸せなのかな?(--;)
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面白かったです。
千早さんの、今度は日本の妖をモチーフにした短編集でした。
こちらも妖しく暗くて良かったです。
情景や色彩を鮮やかに感じました。夜の闇、竹林の緑、夕日のままの国の赤。映像的です。
お話は、天狗と姫の間にあった気持ちが切ない「天つ姫」と、アルビノの座敷わらしが子どもを夕日の国に閉じ込める「機尋」が好きでした。
妖…畏怖する存在ですが、どこか物悲しくて惹かれます。
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あやかしと人とのふれあいを描いた6篇の短編集。
どのお話も寂しさや悲しさが残る。
「ムジナ和尚」「天つ姫」が好きでした。
千早さんのファンタジーを読むのは2作目になるのですが、彼女が紡ぎだす、どこか悲しいお話が、どうやら私は好きなようです。
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このひとの幻想作品には中毒性がある、猛烈な筆力でぐいぐいひきこまれるおもしろさ…胸をえぐる切なさ、おどろおどろしさと妙なる美しさ…。あやかしたちと、それに近い種類の人間が、いわゆる普通の人間たちの業やみにくさをかなしさを外側からあぶり出して見せてくれる。世界の不思議さと美しさを見極め、そのうえで己が選択する運命、この世のすべてを受け入れコミットして生きていこうとする力を描く。…じいんとゆさぶられてしまうのだ、ついつい。