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アダム・スミスといえば『国富論』の“見えざる手”が有名ですが『国富論』を書く前に『道徳感情論』を書いていることを知り今回手に取りました。
アダム・スミスは、私たちは人の目を気にしながら、人から評価されるように行動し、それが社会秩序の形成につながっているのだと言います。
そして、その行動の評価として他人から受けるものが“称賛”と“非難”なのです。
“人は称賛されるように、また非難されないために頑張る”
日本人は特にこの傾向が強いので、社会の秩序がしっかりしているのでしょうか。
ではどのような行為をすると称賛され、どのようにすると非難されるのでしょうか。
“適切な慈恵の通常の程度におよばないものは非難されるべきだと思われる。そして反対にそれをこえるものは、称賛にあたいすると思われる“
「適切な慈恵の通常の程度」とは何かについて、「人の迷惑を考えて普通に行動すること」と著者は解釈しています。
ビジネス上で考えると、ルーティンワークなど通常やるべきことは期日を守り正確に行うのは当然で、さらに求められている以上の成果を出すことで初めて称賛されるのです。
ですが、著者は他人の評価をあまり過度に気にしすぎてもいけないとも付け加えています。
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他人が存在すること、また同感することにより社会秩序が形成され、やる気にも繋がる。
利己心の追求が社会、経済の繁栄に繋がるが、幸福とは平静あっての享受であり、平静とは「健康」「負債がない」「良心にやましいところがない」ことである。
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『国富論』ほど取り上げられないけど、そこそこ有名な『道徳感情論』にフォーカスした一冊。昨今話題の「正義」とか「格差」にもつながる考察が面白かった。よく知られた「神の見えざる手」の「神の」部分ってのが、スミスの著書に出てこないってのは初めて知った。
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人間が最も強く求める感情は同感。
同感を得やすいものは2つ。慈恵と正義。慈恵は「やればメリットがあるもの」正義は「やらないと悪いことがあること」慈恵の方が世間一般では望ましいが、基準が不明確なため正義の方が優先されやすい。
また、人間がより良く生きるために必要な要素は3つ
負債がないこと
良心に負担がかかってないこと(嘘がない?)
つながりがあること
人間には余裕が必要。上記の3つを満たすことで余裕が生まれ、豊かな日々が送れる。
人間は称賛されたく、批判されたくない生き物。