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在ブルネイ日本大使館に二等書記官として赴任した経産省のノンキャリアの著者が、ストレス解消でバドミントンを再開しただが、ブルネイでは盛んであることを知り、やがて庶民から上は政府高官や王室ファミリーまで知り合いになるのだ。
おとぎ話のようであるが、実際には家庭を顧みずに夜も休日もバドミントンに明け暮れ、心身とも消耗したのだ。帰国のたびに何かしら体に異常が出た。まじめで真剣なのである。そのような著者には、誰もが好感を感じるのだろう。読んでてもそう思うくらいだから、現地の人にも伝わったに違いない。
実名で紹介されるそんなエピソードも赴任終了で終わりと思いきや、最後に現代日本に苦言が呈されるのだ。これが鋭い批判でズシリと重い。実行の人だから説得力がある。キリっと引き締めて本書を終わるので、印象的な読後感を味わった。
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新幹線の車中で読んだが、涙するかと思った。ブルネイの大使館に勤務することに鳴った筆者が、現地の人との進まない人間関係や仕事を、偶然、好きだったバトミントンで地元に入り込むことにより、解決していくノンフィクション。現地の人の文化、慣習などをバトミントンを通して学び、一方、家族や上司とのコミュニケーションで悩む。日本の外交のあり方まで話が及ぶが、もっともだと思う。
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ブルネイに赴任した外交官が絶対王制の国で手探りのバドミントン外交をするノンフィクション。ブルネイという国がよくわかり、とても面白かったです。行ってみたくなりました。
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東アジアで最も裕福な国ブルネイに転勤した著者の奮闘記。文化の違いから仕事が思うようにいかない著者を救ってくれたのは学生時代やっていたバドミントンだった。国が違っても共通の何かがあれば人はたちまち分かり合えるのだと感じた。もちろんそれにはあきらめない強い気持ちが必要だ。
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バドミントンを通じての外交。
家族との時間や睡眠時間を減らしてもバドミントンに熱中し、そして人脈を切り開いていく姿は、想像わ、超えている。バドミントンもしているけど、人脈作りのための努力も欠かさない。
話のネタをポケットにメモしたり、マレー語を覚え受け入れられる努力をしたり。
バドミントンばかりしているけど、そればかりでもなく、しっかりとブルネイの事も日本の事も考えており、ま、多少家族には苦労させているかなぁと感じるものの、爽快な、そしてワクワクする話だった。
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♪わがままは男の罪
それを許さないのは女の罪♫
という歌が昔あったが
まさにそれを自でいく感じ。
【チューリップ/虹とスニーカーの頃】
ブルネイという小国でバトミントン外交を武器に様々な問題を解決していくのは1つのサクセスストリーである。
昼夜関係なくバトミントン外交をしていて
家に帰るのも寝にかえるだけで
インターナショナルスクールで我が娘が何をしているのかは知らないという父親としては……
前述の歌詞のように
うちのワイフはできた人だからという
オノロケ含めて読んでトントン。
奥様側からの時系列も読んでみたい。
日本企業は
NATO(No Action Talking Only)と言われているらしく
「検討いたします。」
「上と相談します。」
組織としての体裁を気にしているだけでは
アジア諸国の人々の懐には入るには
バトミントン外交のように
一緒に汗をかく姿勢を見せなければならない。
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ブルネイに行く前にタイトルに「ブルネイ」とついていたので読み始めたが、結局、ブルネイから帰国後に読んだ。
絶対王政の現地では、王室のことになると口を濁す現地ガイドにより、語られなかったことが書いてあり、ブルネイを訪問した私としては、興味深かった。
例えば、離婚した第2夫人がブルネイ航空の国王専用の「サンタル・フライト」の元CAで、どうも王室の暮らしに馴染めず、離婚したらしいということが書かれていた。
※ 日本でも雅子妃の適応障害は有名だが、他国でも同じようなことがあるんだなと思った。
また、「世界の王族の中で一番の大富豪で推定資産は、4兆円」と書かれていたので、一応調べてみた。
2015年版のデータで「3位 スルタン・ハサナル・ボルキア(ブルネイ国王):資産200億ドル(2兆4000億円)」ということだった。
これは、2014年に出版された本なので、かつては1位だったこともあったのだろう。
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外務省を目指していた時17歳時に読みました。本人もお会いしました笑
著者のキャラクターとコミカルな展開が相まって読みやすく、外務省のお仕事の泥臭さとかもまざまざと書かれていて楽しかったです。
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ちょうどブルネイの王子のことが話題になっていたし、バドミントンも身近なので手にとってみた。
しかし、なんだか読みにくい…
エッセイのような、著者の頭の中の記憶をそのまま辿るようなスタイル。内容に対して文字が小さい印象で、読んだ量の割には入ってくるものが少ない。
きっと面白いエピソードが出てくるのだろうけど、この文体と相性が合わないようなので30ページで挫折。
またご縁があれば…
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在外公館の仕事がイメージできる本。
バトミントンを武器に、ロイヤルファミリー、大臣をはじめとしたブルネイの人との繋がり作りに奔走する日々。外交官の仕事ってなにはともあれ人脈作りなんだなあ…!!
ブルネイはイスラム教で三重県くらいのサイズの国。私も実際に行ったときに、本当に特殊な小さな国で、娯楽がない国だと感じた。日本の飲みの場のように、バトミントンが唯一のお遊びなんだろうなぁ。
作者の方の、ブルネイと、とことん付き合う姿勢が素晴らしいと感じた。当たり前のようで出来なさそう。
奥様と娘さんの苦労を考えると胸が痛むところもありました…きらびやかな駐在イメージを覆す在外公館のリアルを感じます
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「こんな夢みたいなサクセスストーリーがあるのか!」
読んでいて思わず頬が緩んでしまった。
本書は、ブルネイの日本大使館に赴任した筆者が、国技であるバドミントンを通じて外交を行い、挙句の果てには王様と友達になってしまう物語だ。
外交であっても営業であっても、人脈は不可欠である。
しかし、どこにあるかもわからないマイナーな国家――しかも国民のほとんどがイスラム教徒――に飛ばされたとしたら、果たしてどうやって「人脈づくり」を行えばいいのだろうか?
ブルネイでは、その手段が「バドミントン」であった。
この国のバドミントンにかける情熱は並大抵のものではない。七つ星ホテルの中にも、王宮の離れにも、田舎の村の公民館の中にも、どこであろうと「バドミントンコート」が鎮座している。
そこで筆者は、バドミントンでブルネイを攻略することにした。持ち前の積極性とバドミントンの腕を活かして、どんどんブルネイ政府の奥地に分け入っていく。最初は「ビジネス上のコネを作ってやろう」と考えていた筆者が、いつの間にか日本とブルネイをつなぐ架け橋になるべく、妻と子をほったらかしにして白い羽を追いかけていく。
これぞ究極の異文化コミュニケーションだ、そう感じずにはいられなかった。
異国の土地になじむ方法は、ひとえに、「その国をどういう形であれ愛する」ことに尽きるだろう。食文化、芸能、カルチャー、美術、歴史、バドミントン――その土地に脈々と根付いてきた営みを、お客様ではなく地元民として味わうことで、「外国人」から「その土地の者」にステップアップしていく。
筆者が外交に成功したのは、性格や気概以前に、「ブルネイを愛する気持ち」があったからである。基本となるのは「愛と交流」であり、それはどこの国であろうと変わることはない。
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出向でブルネイの大使館に勤務することになり、上司のパワハラのストレスを解消するために再開したバドミントンで現地のコミュニティに分け入り、とうとう王室の人脈にまで食い込んだ国家公務員の話。
執念と根性はすごいがご家族の立場になると複雑な気持ちになってしまう‥