紙の本
親しみやすい!
2015/03/20 14:27
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投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
おばちゃん語になるだけで、不思議とわかりやすく、そして親しみやすくなりました。ざっくりと、世間話をしているかのような気安さがいいのかもしれません。また、おばちゃん語ではありますが、感情的ではないのもいいなと思いました。死刑賛成、生活保護反対など、どちらかというと感情論が先行しているものも、やんわりと指摘されていて、より気づきやすいな、と思いました。
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"お年玉本"の一つとして選び、渡す前に自分が読む作戦で、カバーをかけて、あまりページを広げないようにして読む。
「大阪弁でしゃべるおばちゃんが憲法について井戸端会議でしゃべったらどないなるか?」(p.10)というコンセプトでできた本で、多少ムリを感じるところもあるが(大阪弁を書きことばにするのは結構むずかしいはず)、憲法条文の「おばちゃん語訳」は、小難しさが減った平たい表現になっている。
たとえば、19条の「思想及び良心の自由」は、おばちゃん語訳ではこうなる。
▼どんな考えもってても、どんなモン信じてても、それをとやかく言われる筋合いはありまへん。(p.63)
21条の「集会・結社・表現の自由、通信の秘密」だと、こうだ。
▼1 いろんな人と集まったり、グループ作ったり、しゃべったり、本だしたり、すべての表現の自由は保障しまっせ。 2 事前に国家とか権力が人の書いたモンをチェックしたらあきまへん。ひとさまとのやりとりも秘密やねんで。(pp.69-70)
こんな具合で条文を「おばちゃん語訳」しながら、「ここポイントやで!」と解説が続く。
19条であれば、「良心ってなんやろか?」と問いかけ、それは「人の内心の自由」全部という見方もある、具体的には沈黙の自由もあると述べ、さらに学校教育の場で日の丸・君が代がなかば強制される状況になっていることに対し、内心の自由が守られていないとの批判があることを紹介している。
▼…一人の人が歌わへんっていう沈黙の自由まで奪ってええとは、憲法からは読み取られへんのとちゃいますやろか? 何で歌われへんのかっていうことをちゃんと考えるほうが大事ちゃいますやろか? 自分が気にならへんからっていうて、誰もが気にならへんっていう理屈は、人権では成り立ちませんわな。(p.65)
21条のところでは、「ヘイトスピーチはアカン!」と小見出しを掲げ、表現の自由は精神的自由権として、憲法が保障している人権のなかでも重要度が高い、民主主義は表現の自由がなければ成り立たない、という話が書かれている。
▼民主主義の大事なところは、実は少数派の意見をちゃんと聞くことにあるんですわ。ということは、少数派が意見を言える場がなかったらあきまへんわな。多数派が、俺らは多数派やねんから俺らが正しい、多数派やから天上天下唯我独尊みたいなことになってしもたら、それは一種の独裁なわけですわ。少数意見までちゃあんと取り入れられる懐の深い民主主義がよろしな。(p.71)
とはいえ、人を傷つけるような表現の自由が無制限なわけではない、ヘイトスピーチの表現の自由がなんとかいう話があるが、ヘイトスピーチは「憎悪表現」というよりは「憎悪煽動」という日本語の方が正しいんちゃうかと師岡康子さんの見解を紹介し、言葉の暴力は実際の暴力まで起こしてしまうことがあるのだから、「これを表現の自由やっていうて守るのはどやねん? って真剣に考えてみてな」(p.73)とおばちゃんは呼びかける。
そんなこんなで、全体におもしろく読んだが、ひとつ、これは意味が逆になってるんとちゃうか?と気になったのが、「文民」���て誰やねんな?(p.137)のところ。
66条、「内閣の組織、国会に対する連帯責任」の2項にある「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」の条文について、おばちゃん語訳はこうなっている。
▼2 内閣総理大臣とその他の大臣は、文民(日本に軍人がおるかどうかって言われたら微妙なんですけどな)しかなれまへんで。(p.137)
1項、2項、3項のおばちゃん語訳のあと、「ここがポイントやで!」の箇所が、「「文民」って誰やねんな?」である。おばちゃん語訳にあったカッコ書きも分かりにくかったが、ここの書きようが、まるで文民=軍人のような具合になっている。えー、それは違うやろ~
私の理解では、「文民」とは大ざっぱに言えば"軍人でない人"を指すもので、日本国憲法ができるときにエイゴのシビリアン(civilian)に対応する語としてつくりだされた造語である(これは憲法制定関係の本で読んだことがある)。
「文民」とは誰であるのか、"軍人でない"として、その場合に現役や退役の自衛官は文民に当たるのかという解釈問題があるのだが、谷口さんの書きようでは、そもそも文民=軍人みたいに読めてしまう。
何かがすっ飛ばされていて、まるで意味が逆になってると思う。該当箇所は以下。
▼「文民」ってこれまた、わかったようなわからんような言葉ですなぁ。職業として軍人やってるお人と現役の自衛官や、かつて軍人やったことがあるとか自衛官やったことあるお人やとかいろいろ見解はわかれてますけど、もう既に戦後70年からたってますさかい、職業軍人っちゅうのはいまの日本ではあんまり意味のない規定になりつつありますわ。
せやけど、現役の自衛官か、過去に自衛官やったことがあるのかというところは大きな点ですわな。現実に、自衛隊出身のお人らが防衛庁長官とか防衛大臣になったことありますさかいな。
ちなみに、戦前と戦中の歴代29人の首相のうち、13人が職業軍人の出身でしてん。わざわざここで「文民」が出てきたんは、9条2項の「前項の目的を達するため」っちゅう芦田修正ってのがいれられたときに、極東委員会から首相や閣僚は文民でないとアカン! と強い要求がありましてん。せやさかい、9条2項と66条2項はセットでしてん。(pp.137-138)
くわえて、ここの文章では、「芦田修正」と「極東委員会」も、ちょっと説明があったほうがええんちゃうかなーと思う。
あと、28条、「勤労者の団結権、団体交渉権その他の団体行動権」のおばちゃん語訳に続く「ここがポイントやで!」のところで、「働く人」=「お給料もろて生活してる人」(p.95)となってるのは、この条文ではそういうことになるんやろうけど、「お給料もらう」かたちでなくて「働く人」のことについて、うまいこと注釈あったら、なおええなーと思った。
しかし、「文民」は気になる。"お年玉本"として、どないしよか。
(1/6了)
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【よう分からん? ほな、大阪弁で読んでみましょ!】集団的自衛権って何なん? 憲法って誰のモン? 「全日本おばちゃん党」代表代行が、抱腹絶倒の超訳。驚くほど憲法が分かる!
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タイトル通り、大阪おばちゃん語で説明される憲法入門。
「大阪の女性が学者」は普通にあることなのに、「ヒョウ柄と飴ちゃんを愛するおばちゃんが憲法を語る」だと面白く感じちゃうのが不思議。
表紙もヒョウ柄。
改憲とか護憲とかいう前にまず「知憲」でっせと、ごくごく易しく(与党と野党の説明まで)かみくだいてある。
こういうとこもちゃんと考えなさいと講義して、しかも読者にマイノリティがいる可能性を排除しない。
大学講師である著者の講義が学生の人気を集めているというのも頷ける。
憲法関係の議論は道理がひっこんだ感情論になりがちだ。
たぶんみんなが大事に思っているから冷静な話し合いを忘れてしまう。
ヒートアップした喧々囂々にツッコミをかます飄々とした鋭さがすがすがしい。
すんごく読みやすいんだけど、読むスピードがちょこっと遅くなった。
私は関西圏の人じゃないから大阪おばちゃん語を読みなれていない。
いつもと勝手が違うからもたついてしまった。
普段読む文章はほとんどみんな標準語に訳されてるんだなと改めて思う。
9条を守れというなら沖縄の人の負担(基地問題)から目をそむけてはいけない、というような部分はちょっとよくわからなかった。
護憲派と基地反対は、ほぼイコールじゃないのか?
「アメリカさんが守ってくれるから軍隊なんていらない」という主張を私は見た覚えがないんだけどあるのかな。
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改憲議論は「タイプの違う2人の男の間で揺れ動く乙女の心境」、集団的自衛権は「ヤンキーの喧嘩の理論」などなど。
ヒョウ柄と飴ちゃんを愛する生粋の大阪のおばちゃん(にして憲法を専門とする大学准教授)が日本国憲法を楽しく解説した1冊。著書は大阪大学でも教鞭をとっていて、そこではベストティーチャー賞も受賞しているそうな。「憲法が色々話題になってるけど、なんか憲法って堅苦しくて難しそう」と思っている人にぜひ手に取ってほしい。
本書は憲法の条文を大阪おばちゃん語に翻訳したものと、それぞれの条文の解説で構成されています。解説ではヘイトスピーチ、夫婦別姓、過労死など現代の様々な問題にも触れられていて、憲法が結構身近なものなんやなと感じることができます。「研究者は結婚して名字が変わると過去の実績が消えてしまったりするので、事実婚を選ぶ人も多い」など知らないこともたくさんあって、勉強になりました。
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2016年2冊目「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」読了。
こういう時代なので、やはり一度は勉強しておこうと思い手に取った一冊。非常にわかりやすい。例えば、「公共の福祉」の訳は、「人様にご迷惑おかけしない限り」だったりする。とても勉強になりました。
(以下メモ)
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憲法第12条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
・不断の努力と普段の努力
・濫用したらあかん
・ひとさまにご迷惑おかけせーへんようにつかわなアカンねんで。自分だけが大事とか言うてたらアカンねんで。
プライバシーの権利は、もともと「ほうっておいてもらう権利」といわれてたんですわ…いまの情報社会では、プライバシーっちゅうのは積極的に自分の人格に関係するような大切な情報を自分でコントロールするようという「情報コントロール権」と考えられてきてますねん。
貧困になるのは貧困になった人が悪いんでっか?本人が怠けモンやったら貧困になるんでっか?運とか間の悪いお人っていてはりまして、お勤め先のいくとこいくとこつぶれるとか、事故に遭うたりですとか、病気になったりですとか、学校行かれへんかったから学歴が低いとか、いろんな理由で貧困になる人いてはりますやろ?それ全部、自己責任なんていわれたら…冷たい世の中なんやろって思いまへんやろか。
権力持っているお人たちが、自分らの都合のええように憲法変えようとするために、そもそも憲法を改正するルールを変えようっちゅうのは、サッカーやってて点がはいらへんでイライラするから手も使ってええでって変えるみたいなモンですわ。
ある政治家が「憲法があるから、動きがとりにくい」っちゅうようなニュアンスのこと言うてましてんけど、ああ憲法がちゃんと作用しててよかったわぁって思いましたよ。
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日本国憲法を、大阪弁で大阪のおばちゃんが解説。
関西人やから、メチャ読みやすかったし分かりやすかったで!
そもそも憲法とは何で、誰が守る義務があるのか・・など、全然分ってへんかったから勉強になった。
読み進めるうちにどんどん興味が湧いてきて、最後の章の「そもそも憲法ってどうやってできたん?」は、そうそうそれが知りたいねん・・て思うタイミングで登場。
話の進め方がうまいわー。
大学で講義もしてはるみたいやけど、きっと講義も興味や疑問を湧かせる進め方で面白いんやろなと思う。聞きたいわぁ。
もう少し憲法について勉強したいと思た。
憲法について勉強したい関西人のための入門書やで。
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安保法案の問題などで話題となっている日本国憲法について、大阪のおばちゃんに説明する目線でかかれた一冊。
なんとなく学生時代に勉強した憲法について、本書を読んでなるほどと感じる箇所は多くありました。解釈も含めて全編関西弁で書かれており、関西人の自分は抵抗はありませんでした。
憲法の解釈についても、鋭いと感じる箇所があったり、憲法の守るべき義務者が国民ではないことや日本国憲法が大日本帝国憲法の改正でできたものであることなど親しみやすい文章からも勉強になる箇所も多くありました。
日本人として知っておくべき最高法規である日本国憲法について勉強になりました。本書では全文は解説されていないのでまた全文読んでみたいとも感じました。
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日本国憲法についての一般向けの本って、何年かのスパンで周期的に話題になったりして、そこそこ需要あると思う。そんな中に出てきた「大阪おばちゃん語訳」。
はじめは「キワモノ?」と思って手にしたけど、なかなかどうして、逐条解説本の構成は保ってるし、時事ネタもブレンドされて、憲法をもっとよく知りたいってニーズにはちゃんと答えてくれる内容になってるやん。
さらにエエのは、おばちゃん口調で、憲法が言わんとしてることで特に頭に入れとかなアカンこととか、なんか世間でまちがった解釈が多いなっていうところを、複雑な議論はあえてバサーってしてキモの部分だけにギューと絞ってるところ。そのギューが小難しくないから、大阪弁になじみのうても、勘さえつかんだら頭にスーって入ってくるで。
まあキモを大事にする代わりに細かい事情とか複数ある学説とか書くのをあえて省いてるから、そのトコに突っ込んでヤカラ入れとるヤツもおるみたいやけど。
オレらみたいに子どものころ大阪で育ったモンにしたら、いきなり知らんおばちゃんから「アンタそれまちがってるで!」「ホンマはこうやで!」て言われても、とりあえず「はい」言うとったけどな。
おばちゃんも別に自分のこと押しつけとんのとちゃうってわかってたし、自分が絶対に言うこときく先輩とか周りの大人とかは、おばちゃんの言うこと聞いてたしな。
それを最近は逆に「オバハンは黙ってろ」とか「なんもわかっとらんクセに」とか悪態つくアホが多なったみたいやな。そんなん心が狭いだけやんけって子どもでもわかるし、自分に跳ね返ってくるだけやで。
「この憲法が国民に保障してる自由とか権利は、みんなで普段から絶え間なく努力することで持ち続けていかなアカンねんで。ほんで、私らもこれを自分のためだけにつこたらアカンねん。ひとさまにご迷惑おかけせーへんようにつかわなアカンねんで。自分だけが大事とか言うてたらアカンねんで。(第12条)」
こんなふうにおばちゃんの口から言うてもーたら、ようわかるような感じせん?。
憲法をおばちゃんに読んでもらったら、いまの憲法がつくられたモトって「国民の権利をしっかりと守らせるため」なんやって改めて思ったわ。
この「守らせる」っていうのが大事。おばちゃんは第12条とかの個人間のことだけやなく、「日本国憲法を守らなアカン義務があるのは国民とちゃいまっせ。権力者でっせ」と第99条を引いてきて強調してる。
そやけどホンマに今の世の中はなんやかやで言うたモン勝ち、やったモン勝ちみたいなんばっかり目立つから不安になるんやけど、オレらの権利が守られてないって思うときは、すなわち憲法をちゃんと守ってないアホがおるってことやな。誰のことやとは言わんけど。
それにしても、谷口さんは「そうそう、『これは差別やない、区別や』とドヤ顔で言う人によう出くわします。そんなんドヤ顔で言われたら、口ひねったろかと思いますわ」とか書いてるけど、大学の講義もホンマにこんなふうにやってるんかいな? エエ先生やな。
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自分で考えることは、棄てたらあきまへんで。
民主主義の大事なところは、実は少数派の意見をちゃんと聞くことにある
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日本国憲法を大阪弁で解説している。
表現が平たくなる分、理解はしやすい。
だが大阪弁は、聞くと読むとでは大違いで、聞いたらわかりやすいのであろうが、読むのには骨を折る。
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日本国憲法 大阪おばちゃん語訳。谷口真由美先生の著書。日本国憲法をそのまま読んでも正直難しすぎて内容がよくかわらない人って多いと思います。でも本書は誰にでも理解できる背伸びしない表現、大阪おばちゃん語訳で日本国憲法が解説されているので、とてもわかりやすい。本書をきっかけに日本国憲法について改めて考える機会ができれば、それはとても素敵なこと。
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大阪弁での日本国憲法の前文と1条から99条までの分かりやすい解説。一番印象に残ったことは、集団的自衛権の解釈。『ヤンキーのケンカのようなもんで、仲良しのツレがやられて、「助けてやー」と言われたら、ホンマはツレの方が間違っていたかもしれんケンカとか、ツレの方が明らかにいじめている側なのにとか関係なく、「俺、あいつのツレやから」という理由でケンカに行くようなモンですわ。ツレが悪い奴やったらどうすんねん、というのはすっかり飛ばすんですな。』→これはまずいですわ、知らんかった。おっと、何故か大阪弁が出てまうね~。