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ディズニーがヒロイン像をどのようにアップデートしてきたのか,その80年の流れをネタバレ全開で描き出した快作。これは多くの人におすすめできる。
古くさい男女観と思われがちな初期の『白雪姫』『シンデレラ』も原作翻案にあたって(当時としては)大胆な改変を行っているという指摘は納得だし,「白人中心主義,受身なプリンセスと王子様,嫉妬深いビリアン」から「積極的なヒロイン,人種や身分より内面,権力欲は悪」を経て「恋愛より自由,悪役にも一分の魂」的な現在のディズニーコードに至る変遷を,多くの作品とともに丁寧にたどっていくところは読みごたえがある。プリンセス作品ではない『トイ・ストーリー』やアンチディズニーの『シュレック』にも触れていて,より深い作品理解につなげているのも良かった。
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プリンセスの時代の系譜がまとめられてた。
あ、その表現はそんなことほのめかしてたのね、とか。
あと、変化のための3度の繰り返しの法則。
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白雪姫からアナと雪の女王まで。ディズニーは映画世界でどのようにプリンセスを描いてきたのか、を考察した一冊。新書なのでスラスラ読めました。
プリンセスをその特徴からディズニーコード1.0〜ディズニーコード3.0に分類してそれぞれ分析しているのですが、「あー、確かに!」と納得の連続でした。「プリンセスが幸せになるまでを描く」という大枠を変わらなくても、その「過程」や「幸せ」はこんなにも変化しているということがよく分かりました。原作があるものについては原作とディズニー作品の違い、またそこに隠された意図についても分析されており、興味深かったです。
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知人から借りました。タイトルを見て自己啓発的なものかと思いきや、ちゃんとした批評でびっくり。三度の反復という観点が新鮮でした。ディズニーだけでなく他の映画を観るときにも使えそうです。
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ストーリーという点で白雪姫(1987年)からマレフィセント(2014年)までの変遷を探ります。作品を分析するような本をあまり読んだことがないのですが、こういう本を読むと「あのシーンにはそういう意味があったのか」と作品に対する驚きが多くて面白いですね。これまで見てきた作品を改めて見たくなりました。この本を読んでみて、ディズニー作品の魅力はシンプルなストーリーでありながらも、議論を呼ぶような緻密なストーリー設計がされていることにあるように思えます。だからこそ、子供だけでなく大人にも受け入れられるのでしょうね。
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娘がご多分に漏れずディズニープリンセスものが好きなもので、お付き合いで見ている程度の知識しかありませんが、なかなか面白い切り口の作品です。
白雪姫からアナと雪の女王、マレフィセントまでのディズニー作品とそれを取り巻く他社作品などの変遷とプリンセスの変化を追っていきます。
特定の「あるべき方向」へどう進んでいるかという視点なので、人によっては違和感を感じるかもしれませんが、社会の変化をディズニー作品を媒介として感じられるんだという見方はしたことがなかったので、実に興味深かったですね。
ただ、校正に失敗したのか、誤字が多すぎるなあ、と。これは出版社の問題ですが。