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http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-82204-4
14年前の著者と堺屋太一さんとの共著エッセイ
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-61415-1
22年前の著者のエッセイ
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100000065
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『グローバル・エリート』について、筆者の実体験や対談を交えて語った書。
弱い、できないところに目を向け、それを克服し平均的な個人を量産する日本の教育に対し、興味・関心が強く、得意で突出している部分を重点的に伸ばしていくアメリカの教育。減点主義をとる日本対し、加点主義をとるアメリカの違いからも、それは顕著に見受けられる。
両者は水と油のように正反対であり、どちらが正解というものでもない。だが、こと現在のような閉塞的な時代においては、後者のような抜きん出た個人を育成する方が重宝されると言えるだろう。
現実から目を背けず、今の自分の納得できるベストな選択を常に求め続けていく。一回きりの自分の人生だからこそ、そう考え後悔せずに日々過ごしていきたいものである。
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グローバルエリートという言葉は、切り離して考えれば、それぞれの何となくの意味が分からなくはないが、具体的にどのような人材を指すのか分かりにくい。それを、日米の教育の違いから、実際にアメリカの大学に通った(あるいは通っている)面々との対談を通じて教えてくれる。
開成高校の柳沢校長、東大卒業後日本IBMを経てマサチューセッツ工科大学で理学修士取得した林先生、開成高校卒の現役イェール大学生笠井さんとの対話。安倍内閣の内閣官房参与を務める浜田先生がインタビュアーを務める。中々、他の場面では話を聞けないメンバーであり、貴重な内容だ。このメンバーから、エリート教育における日米の違いを、実体験を通じて聞けるのだ。
日米の教育の違い。それはエリートの育成に象徴される。日本では、突出して秀でた学生がいても、その子に合わせた授業やカリキュラムは無く、クラス内で突出する事が目立たぬような、ディスカッションを重んじない護送船団方式を取る。その為に、極端にできない子というのがおらず、均質化した社会を保てるという利点もあるのだが、エリートが生まれない。日本で突出した子がいると、周りに妬まれないように謙虚さを教えるのだという。その為か、そもそも日本社会がそうだからか、日本は嫉妬の文化が強い。
この点は素直に凄いと思ったのだが、アメリカでは、エリートのように突出した存在は素直に認め、更なる競争を促すのだという。更なる競争をする事で身の程を知り、あるいは更に高みへと進む。その代わり個々の格差が大きくなる。
この本は子を持つ親や中高生に最適だろう。学歴だけが全てではないという事。多様な生き方があって良いのだという裏付けになる。
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グローバル人材の育成にあたって英語力向上や留学が推奨されているが、本当に必要なものは「何か伝えるものを持っていること」である。
そのため、日本の知識偏重型教育はそろそろ変革し、自分の意見を表明し議論できる人材を育成していかなければならない。大人しいのは日本人の良いところではあるものの、国際社会では通用しない。
とはいえ、議論のようなバトルをするのが好きな人もいれば苦手な人もおり人それぞれである。個人個人の長所を見極めて、それを伸ばすためのサポートをするのが良い教育である、というのがこの本で伝えたい主なテーマである。
本書は教育はどうあるべきかという考え方の軸を固めてくれた。自分がなんらかの形で教育に携わることになった場合に、役立つと思う。