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廃墟の零年1945 みんなのレビュー
- イアン・ブルマ (著), 三浦 元博 (訳), 軍司 泰史 (訳)
- 税込価格:3,520円(32pt)
- 出版社:白水社
- 発売日:2015/01/22
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紙の本
1980年代の水準の本
2018/11/25 00:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
パヴェリッチのクロアチア独立国軍やチェトニクなどを英軍がユーゴスラヴィアに引き渡したブライブルクについての記述が半信半疑だが、それなら何故、ユーゴスラヴィアが崩壊した時にクロアチアやボスニア・ヘルツェゴヴィナで、あんな内戦が起こったのか、説明してほしい。またドイツ軍の軍服を着たソ連出身者がみんながみんな、餓死からまぬがれようとして入隊したのか?いい例がヘルムート・フォン・パンヴィッツ将軍の第15コサック騎兵軍団に所属していた、まだヴラーソフ将軍が赤軍の英雄になる前にドイツ軍に投降したコノノフ少佐だ。彼についてはソルジェニーツィンの「収容所群島」に書かれているでしょう?
206頁のウィロビー将軍が「いたるところにユダヤ人と共産主義者の陰謀を勘ぐる傾向があった」ので「フランス大使もたまたま名前がロシア人風だったために、彼に疑いを抱かれた」と書かれているから、この「フランス大使」がジノーヴィー・ペシュコフという名前という事は知っているのかもしれない。しかしペシュコフは正教会に改宗したユダヤ人で元ボリシェヴィクであり、スヴェルドロフの弟でゴーリキーの養子になったので、作家の本名であるペシュコフと改姓したのは知らないのは確実だ。だからウィロビーの「詮索癖」の「結果」が必ずしも当たらずとも遠からずだ。ウィロビーが「最高司令官配下のニューディーラーたちより、裕仁天皇周辺の保守的な廷臣たちと良好な関係を結んだ」とあるが、照宮成子内親王の追悼集「皇女照宮」に高輪の前田侯爵邸で前田菊子や酒井美意子などと一緒に照宮と盛厚王の間に第1次世界大戦でフランス外人部隊に入隊して右腕を失ったペシュコフ将軍が略綬を佩用した軍装姿で並んで座っている写真が掲載されているが、これは著者が日本語を知っていても、知らない方が当然かも知れない。日本で出版されたフランス外人部隊ものの本でジノーヴィー・ペシュコフという日本に縁がある人物を言及した本がないようなものだ。この本の著者は別の本で広島の平和公園内に移築される前の韓国人被爆者慰霊碑について、当時盛んに言われていた「広島市が慰霊碑を平和公園内に設置するのを許可しなかった」と間違った事を書いて、それを「敗戦後論」の著者のように鵜呑みにして孫引きしていた人がいる。
本当に誰か、ジノーヴィー・ペシュコフという外人部隊出身の将軍について書いてほしいぐらいだ。彼は国民政府がヴィシー政権から自由フランスに承認する相手を変えた時に重慶に派遣されて、自由フランスは大韓民国臨時政府を承認したというから。
それなりには詳しいが、国府軍より「満」軍や汪兆銘の南京政府軍の方が「国民党軍より装備が良く、おおむね優れた兵士であった」とか呂運亨の建準が朝鮮総督府の依頼があって結成された事やドイツ民主共和国にはドイツ社会主義統一党が受け入れた元党員についてだけでなく、元党員や復員軍人などを対象としたドイツ国家民主党(NDPD)があった事が落ちている箇所もあるので、読むには要注意だ。
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