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巨匠ハインラインの短篇集。まったく知らなかったのだが、この文庫は映画化による復刊らしい。
本書の大半を占めるのは、中篇『ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業』で、表題作『輪廻の蛇』を含む5篇が短篇となる。
あまり良い読者でなかった自分が言うのも何だが、ハインライン作品の中ではややカラーが違うものが揃っているように思う。『夏への扉』のイメージが強すぎるのだろうか……。
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この物語をどう映画にするのか!?と興味わく表題作。
「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」と「かれら」
が、不安定で不気味な普通と違う人間の世界。
「象を売る男」と「わが美しき町」
が、さわやかな夢のある物語。
「輪廻の蛇」と「歪んだ家」がSF的アイディア。
(いつかは『時の門』も読んでみたい)
最初の2作を読みながらレイ・ブラッドベリ、
シオドア・スタージョンの香り?と感じていたら、
あながち間違いでもないよう。
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「輪廻の蛇」の映画化をきっかけに、久々に復刊された巨匠・ハインラインの短編集。収録作はこちら。
「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」矢野徹訳
「象を売る男」井上一夫訳
「輪廻の蛇」井上一夫訳
「かれら」福島正実訳
「わが美しき町」吉田誠一訳
「歪んだ家」吉田誠一訳
ハインラインらしくないな、というのが第一印象。ストレートなSFとして評価できる作品よりも、幻想文学寄りの作品が多いです。
半分以上の分量を占める中編「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」は、まさに幻想文学であって、SFではないと鴨は評価します。面白いか?という視点からは間違いなく面白いんですけど、SFではないなー、と。他にも、限りなくブラッドベリっぽかったりブラウンっぽかったりする作品が多くて、よくも悪くも古い作品集だなという感じです。
表題作「輪廻の蛇」は、タイム・パラドックスものSFとしては完璧な出来なんですが、そもそもどうしてこういう状況に陥った?という説明がなく、ツメがイマイチな感じ。翻訳の古臭さもちょっと気になります。新訳希望!
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2015/01/28 ハインラインの傑作集。1982年に刊行されたハヤカワ文庫SF「ハインライン傑作集② 輪廻の蛇」の新装版。品切れだったものが原作映画の公開に合わせて復刊。たぶん未読だったと思う。
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SFの巨匠ハインラインが描く6つの短編を収録した傑作集でございます。表題作である「輪廻の蛇」が、「プリデスティネーション」というタイトルで映画化されると聞いて読んでみることに。ちなみに主演はイーサン・ホークだそうです。楽しみ。
表題作は、酒場を訪れた青年がおもむろに「オレがまだ小さな娘だったころ…」と奇妙な身の上話を切り出すところから始まるタイム・パラドックスもの。最近では珍しくもないテンプレートとはいえ、その原点にして傑作であると思いますわ。
ただねぇ…圧倒的に和訳がドイヒーなのが難点。古いだけでなく、内容もかなり残念な仕上がりでして。直訳すぎるとか誤訳があるとかそういうレベルを超えて、日本語がダメなんですよ。作品が良いだけに、読みづらすぎて泣きそうでした。
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古臭と言えばそうだけれど、当時の雰囲気が全編に溢れ、読み終えた後にはノスタルジックな気分になっていました。特につむじ風のキトンが良かった。
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6話の短編集。タイトルの輪廻の蛇も含めて全く面白くなかった。買わなきゃよかった。自分で自分を追い続ける話で新鮮味もなし。他の話もイマイチ。
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I want to make the movie prefer 'the unpleasant profession of Jonathan Hoag' to 'predestination(the original title : all you zombies)'. I'm doing the rub-a-dub. the rub-a-dub means the sound made by beating a heart, like a drum.
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お久しぶりのハインライン。
ジュブナイルばっかり読んでたから、こんなにコワい話や、泣かされる話を読めるのはうれしい驚き。
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6つの中短篇を収録する本書は、表題作の映画化をきっかけに再販された模様。そんな表題作は、時間SFの名作としてしばしば関係する書籍で取り上げられているようで、それならば読まねば、と思い立ち購入。
表題作は、SFにありがちな一発ネタだなぁと思いはしましたが、だからといって、つまらないわけではありません。とかく、記憶には残る作品かと(一発ネタの作品にはよくあることかもしれませんが)。
表題作以上にびっくりしたのが、それ以外の作品で、てっきりSF作品かと思っていたのですが、どれもSFとはいい難い作品ばかり。幻想小説ちっくな作品ばかりで、ハインラインってこんな作品も出していたのかと、新鮮味がありました。
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短編集。すらすらと読めるが終わりのあたりで「ふむ?」みたいなことになる。意外性のある作品ばかり。四次元ハウスだとかタイム・パラドックスだとか人類以外の生命とかわりと今ではよくあるネタがとても面白く書かれている。
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SFはSFでもストレンジ・ファンタジーといった感じ。サイエンスを期待して読むとがっかりする。
映画で興味を持って表題作目当てで読んだが、ページ数も少なく映画版の方が面白かった。
「かれら」は前置きが長すぎるのでは感。もっと解決編を厚くしてほしかった。
「ジョナサンホーグ氏略」はこの程度の内容のくせに話が長すぎると感じた。
「象を売る男」なかなか好き。映画パプリカのような景色を想像しながら読んだ。結末は予想がついていたがそれも含めて爽やかな読後感。
ストーリーはここに https://odd-hatch.hatenablog.jp/entry/20150930/1443562465
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ハインラインの短編集。とはいえ『ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業』がこの本の半分以上を占める。これだけは中編。
すべての話が『世にも奇妙な物語』風で、SF色は薄い。私は『夏への扉』しか知らないので、期待とは違った。こういう作品も書く人だということは初めて知った。
これはこれで悪くないが、SFを期待する人には他の本を薦める。
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輪廻の蛇を読んでみたくて購入(短編集)。
それだけ読んで他の作品は未読。
当の輪廻の蛇は、すごく短くてちょっと残念。
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映画:プリデスティネーションの公開に合わせ、
久々に復刊されたハインラインの短編集。
収録作品は以下の6作品。
*ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業(中編)
*象を売った男
*輪廻の蛇 (映画:プリデスティネーション原作)
*かれら
*わが美しき町
*歪んだ家
SF と言うよりは、ハインラインらしからぬ
幻想小説めいた作品ばかりで、いささか面食らった。
このような作品も遺されていたのだなあと、
目から鱗の読後感。
何の捻りも無いストーリーではあったが、ロマンチックな
『象を売った男』が一番のお気に入りかな?
『輪廻の蛇』は輪廻転生の最短コースを開陳した作品。
自分で自分を産むというアイデアは、今でこそ陳腐だが、
この作品こそがその原点なのかもしれない。
ただ、自分で自分を産んだという結果は明示されているものの、
その原因・理由に関して全く触れられていないのが不満ではある。
好意的に解釈するならば、タイムパラドックスを避ける為に、
結果に原因を合わせたと解釈することもできなくはないが、
作品中に説明が無いのがもどかしい。
生きたつむじ風“キトン”が活躍する『わが美しき町』は
読んでいて楽しかった。