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【松井秀喜、引退後初の著書!】「監督」「二刀流」「4番打者」「ライバル」「タイトル」など約40のテーマについて松井ならではの持論が展開される斬新な野球論。
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もう少し深い話を聞いてみたい。今後新たな作品に期待したい。こういう考えをしていたのかという驚きを感じるとともに松井らしいなと感じる部分も多数。自分との違いを痛感するばかりである。
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偉大な野球人の告白。改めてとてつもなく人間が大きいことに驚き、一日本人として尊敬する。今後にも期待。
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大学の剣道部の後輩にあたる方から飲み会で
おしえてもらった本。
書店で見つけて買って読みました。
まあスポーツ選手の書いた本だからある程度の内容かな
と思ってよみましたが、松井氏の言っている
内容のうちに深くて、感銘を受ける内容があり、
読んでよかったと思いました。
野球をもっと好きな人が読むともっとおもしろいのかも
しれませんが。私は全くシロートなので。。。
でもよかったと思います。
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松井秀喜のこれまでの著書で最も野球本の色が濃い。引退して明かせることが増えたのだろう。「自信とは」など抽象的概念をどう具体化してパフォーマンスにつなげたかは面白い。「球の見極め方」「勝負における『捨てる』意識」など感覚を分かりやすく言葉にしており、指導者としての将来が楽しみになる。
ベストセラーの『不動心』が自己啓発本としての決定版なら、こちらは野球本の代表作となるのでは。一般のファンにはややマニアックな部分も。
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誰からも好かれていた野球選手、松井秀喜さんの短編コラムをまとめた一冊。
松井さんの書籍はあまり目にしたことがなく、引退後はあまりメディアに出られていなかったので興味があって読んでみました。
メジャーで成功した野手ってイチローと松井さんぐらいだもんな...やっぱり重みがあります。
次期巨人監督と勝手に騒がれているけど、そこらへんどうなんですかね?
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●試合には一つでいいからプラス材料だけを頭に入れる。:僕にとって自信を端的に説明するなら、自分に有利な材料を必ず探し出すことだ。どんなに不振でも相手が格上でも、一つでいいから自分とってのプラス材料を頭に入れて打席に向かうことを心がけてきた。
●その代り練習ではマイナス思考を持ち、自分に足りない部分を徹底的に考えた。
●一世一代の決断とは、ある日思い立って大ジャンプをすることでなく、目の前に迫った境界線を越えるため、最後の一歩を踏み出すことなのだろう。
●監督に何か言ってほしい、は甘え。選手は監督に言葉を期待すべきではないと思う。
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近かったようにみえて遠い存在、かつ、遠いようにみえて近かった存在っていう、この人に対して抱いている距離感を改めて実感する。それにしても、書き出しと最終章に「言葉の力」を持ってくるとは。
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松井のエッセイ集。
野球のことをかいているが、素人向けに簡単に分かり易い書き方に工夫されている。
本質部分にはあまり深く言及されていないのが、ファンとしては物足りなさを感じてしまう。
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序盤で語られる、松井さんをドラフト会議のくじ引きでひきあてた長嶋茂雄さんとの結びつきの強さは思っていた以上に特別で、本書を読んで「これほどまでに!」とびっくりするほどのものでした。毎日、長嶋監督とマンツーマンで素振り練習をして、元々「メジャー級」などと言われていた逸材がほんものの大打者へと築き上げられていったのです。松井さんの頑張り自体もすごいものながら、松井さんや野球界に対する長嶋さんの責任感の強さと信じる力、そしてそこからくる厳しさにびりびりとくるものがあります。長嶋さんはご自身が不世出の大スターであるにもかかわらず、松井さんを大打者にするために脇役に回って育成に励んだのです。そこには、スポーツマンとしての気概があっただろうと思います。
スポーツマンの気持ちよさって、本書を読んでいて松井さんにも随所に感じましたが、謙虚で真摯で努力家でっていうような鍛えられた人格面にあるのではないでしょうか。それは、戦術を学んだり技術を磨いたりといったことのほうがスポーツをする人にとっては成績に直結することなのでずっと大切なことではあるので、人格面を鍛えたり鍛えられたりすることは副次的なものなのかもしれません。
しかし、プロ野球でいえば、そこにはファンがいて、ファンがいるからこそ野球をやれる環境がある、と考えられますし、きちんと鍛えられた人格面には野球をやれることへの感謝のあらわれとしての要素があるように思います。ましてや、観客がいるということは、魅せるという意味があります。真剣勝負をしながら、それでいて一線を超えない人格面を最低限求められるのはわかるところですが、野球選手には、最低限どころかふつうの人々の規範になるくらいまで鍛え、考えられた人格面を身につけている人も、たとえば松井さんにもそういう感じがしますし、多くの選手にあるのかもしれません。もっとも、人の目につかないようなところでハメを外したりおちゃらけたりというのはないわけではないのでしょうけども。
本書を読んで恥ずかしながら思い改めたのは、松井選手の考える力の強さです。ちょっとなめていました。言葉というものの大切さや重みをしっかり知っていて、そのうえで慎重に(それこそ打席に立つような真剣勝負でかもしれない)執筆されている印象です。的確に伝わってくるし、文章もうまい。言語能力はかなりのものだと思います。その言語能力が鍛えられたのは自分のプレーや野球選手のとしての立場や姿勢など、さまざまなことをきちんと言葉で考えたからに違いありません。また反対に、松井さんを大選手たらしめた要因のひとつには、自らをアジャストしていく言語能力の卓越性があると思います。プレーを振り返ることで言語が鍛えられ、その鍛えられた言語がプレーを向上させていく、そういった好循環にささえられて、長く超一流のトップ選手として活躍できた選手生活があるのではないでしょうか。
そして、落合さんなどの先輩のプレーを見て、その打席での構えやバットの振り方、そしてオーダーメイドのバットそのものの構造などから、選手の考え方が大切なポイントなのだと松井さんはいつからか見抜いています。どう���う考え方でああいうバットの振り方をしているか。これは形を見ているだけではその思考に気付けないと松井さんは言います。その人の目線になってみて「考え抜かれてこうなったのだ」とわかる、と。自分を対象とする選手に置き換えて見てみることで、「どうしてだろう?」と疑問を持ったことがうまく考えられたりする。疑問を持ち、他者視点で探ってみることが大事だと松井さんは言っていますが、これはふつうの職場での同僚の間でもそうだし、お客様視点の話でもそうです。汎用性のある手法のひとつだし、意外と試せることだと思うので、あとはその質を高めていくことでしょう。
二軍の選手でも伸びる選手とそうではない選手の違いとしても、「考える力」は大きく作用するその根本にあるものだと松井さんは言っています。特に大リーグのマイナー選手は、自分で自分を育てていかなければいけない厳しい環境なのだそうです。自分で自分の課題を見つけ、苦手を見つけて対処し、長所を知って伸ばし、というようなことをしていく。いわば、自助あってこその世界。そこでは、さっきもあったように、他選手になりきるような視点でモノを考えることで、自分ならこうする、だとか、ここは参考にしようだとか、こう考えているのか、だとかという学びが得られるでしょう。
以上のことから、「考えること」はスポーツにおいてとても重要なことだとわかります。運動神経や反射神経が大事な世界ではありますし、ステレオタイプ的な見方としてそういった身体能力ばかり注目してしまいがちだと思いますが、強靭な思考力がなくては優れたプレーはできないのです。これは、どんな分野でも思考力は大事なんだから、常日頃から考えるクセをつけたほうがいい、という解につながります。
というところですが、最後にひとつ、松井さんはこういうことも考えていたかぁと思えたところを引用します。
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残念ながら苦い思い出はいつまでたっても苦い。失敗を糧に成功を収めても、悔しさは残る。悔しさという感情と、敗戦を未来に生かす論理的思考は別のものだ。忘れられない。だから人生の糧になるのだ。失敗から生まれる悔しさや恥ずかしさがあれば、人は自分を見つめることになる。そういった感情を簡単に忘れない方がいいのではないか。(p155)
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スポーツ。技術や戦術といったものをひとまず置いて眺めてみて、それで見えてくるものにだって大事だなと思えるものがある。やったほうがなおいいけれど、観戦したり解説してもらったりしただけでも大きな学びがある。スポーツよ、永遠なれ。本書を読み終えて、素直にそう思いました。