投稿元:
レビューを見る
未知の植物、珍しい植物を得るために世界各国を飛ぶその姿は大航海時代の船長みたいな仕事のようである。
植物も大陸も人が名付ける前からそこにある。
どんなにご大層な名目をつけても、たんなる利己的な目的だと思う。
けれども、それが無駄であるとか、自然保護としてやってはいけないのか……というと少し違うように思う。
人が火を使うように、地形を変えるように、美しい花を見たいと思うのは、人間の素直な欲求で有るように思うのだ。
最大限の注意を払いつつ、ルールにのっとり、プラントハンティングを行う著者はかっこいいなぁ。
だが、過去のやっちまったことを「知らなかったから」で武勇伝のように語るのはちょっと引いた。特に富士山の木を勝手にって……誰も止めなかったのか? 今の時代に下手すりゃ炎上するようなことをあっさり書くなぁと驚く。
でも、そういうことをできてしまうから、誰にでも出来ないようなことが出来るのかもしれない。
全く関係無いけれど、このレビューは、けれども、だが、しかし、などの逆説の接続詞使いすぎで読み返して笑った。
投稿元:
レビューを見る
テレビ番組で著者を一度見かけたことがあり、「プラントハンターとはどんな仕事なのか」興味を持っていました。
・新しい職業かと思ったら17世紀からあるなんて
・植物を輸出するときにどんな準備をしているのか
・検疫の大変さ
・プラントハンターのプロ意識
興味深い内容がたくさんあり楽しめました。
いままで興味なかった観葉植物の見方がこれから変わっていきそうですね(笑)
投稿元:
レビューを見る
珍しい職業の人の話は面白い。
花に対する熱い情熱が伝わってきた。
こんな風に体を動かしながら考えて仕事をしている人は自然に賢くなるような気がする。
蘇鉄は海外では人気がある植物らしい。種を大量に送った話が出て来る。海外で蘇鉄を見かけたら、日本産かもしれない。
紹介されてたイエメンの「砂漠のバラ」は確かに可愛い。
売り出したら買いたいな。
投稿元:
レビューを見る
そら植物園、という魅惑的なタグがつけられた植物を初めて目にしたのは、確か、上野の雑貨屋さんだった。部屋に飾るとちょっと素敵な雰囲気になりそうな、サボテンや多肉植物、塊根植物などをいくつか並べて売っていて、そこにつけられていたタグがそれだったのだ。
その後、そら植物園、という名前をあちこちで見るようになった。同時に、「プラントハンター」というワクワクするような肩書きと、西畠清順、という名前も目に飛び込んでくることが多くなり、長い間ずっと「気になる存在」だった。
だから、書店の店頭でこの本を見かけた時は、見知らぬ世界を覗き見出来る気がして、すごくときめいた。もう、表紙からして面白そうなんだもの!(竜血樹と著者が青空をバックに立っている写真。)
花の卸売業って、表に出てくることがないから、たぶん、華道家さんやデザイナーさんでないとあまり縁のない世界だと思う。実際、西畠さんの勤める「花宇」さんは、業界ではかなり有名な方だと思うのだが、大きなHPも持ってないし、日常でその名前を目にする機会もない。そしてそれは、「裏方として支える業界」という、暗黙の了解みたいなものが文化として根付いていたからだということがこの本を読んで分かった。その、普段はなかなか知り得ない、縁の下の力持ち的な世界を、いろんなエピソードと共に楽しむことができるのがこの本の何よりの魅力である。
私の好きなエアプランツ(ウスネオイデスとか)が、もともとはこの著者のお父さんが日本に持ち込んだということも初めて知ったし、桜や梅の枝切り・開花調整という独特のシステムがあることも初めて分かった。それから、市場に流通している植物はそれ自体が環境に優しくない、という視点も新しい感覚でハッとした。この著者は、今まで「裏方」だった世界に従事しながらも、その世界そのものの魅力を外に打ち出していける、明るくエネルギッシュなパワーに満ちている。こういう世界もあるのか、という新鮮な驚きを体感できるだけでも、一読の価値あり。
投稿元:
レビューを見る
プラントハンター。
なんてロマンのある職業なんや!
「姫を救いたくばあの崖にある一輪の花をとってくるがよい」なんてどこかで聞いたことのあるような、罰ゲームとしか思えないような、無理難題ばかりが花宇(著者の会社)には舞い込んでくるという。
いきなり樹齢1000年のオリーブを輸入するビッグな仕事のエピソードを初っ端から書いてしまって大丈夫?と思ったけど、次から次へと出てくるすごい仕事の数々。
かと思えば、枝切りという地道な仕事を淡々とする日々もあるという。
開花調整という技術、輸入の苦労など、全く知らなかった世界を垣間見た気がする。
もっと花を買って、枯らそう。
「とにかく海外で遊んでこい」って言えるお父さん素敵やなー。
投稿元:
レビューを見る
プラントハンターとしての価値観や色んな植物の話がいっぱいです。
色々印象にのこりましたが、特によかったのが、プラントハンターがどういった形で生まれたのか?
お金持ちの人が家も車もありとあらゆる物を手に入れた人が最後に欲しくなったものが植物だというのが何故か納得してしまいました。
投稿元:
レビューを見る
作者は本来は活けるための花を探すお仕事だが、高じて世界中の植物を探すに至っている。昔、ヨーロッパのプラントハンター が植物を求めて探したと同じで、冒険のようで楽しそうなお仕事。でも国立公園の盗掘の話はさすがにないわー。
投稿元:
レビューを見る
こういう仕事もあるんだと、人を幸せにするという事は、やっぱり素敵な事だと、羨ましくもありという感じでした。
やっぱり、海外というワードは、私にとっては、大切なワードのようです。
投稿元:
レビューを見る
プラントハンターとは珍しい植物を求めて世界中をかけまわる人のことである。この本は植物の卸売店「花宇」の5代目である著者が植物を求めて世界中を旅したエピソードをまとめたもの。可愛らしい名前の職業だが危険が伴う職業であることが語られている。採取した植物の写真もたくさん掲載されているので写真を見るだけでも楽しめます。
投稿元:
レビューを見る
いま、とても雑草に興味があり、雑草と対極にある植物、つまり世界のどこにもない、希少価値の高い、特徴的で主張のつよい、そういう植物がいかにして日本に輸入されているかについても、同時に興味をもった。それで手に取った本。
日本に輸入するのは、検査が厳しく、いろいろと苦労されている様子。
でも、それよりも、前半の楽しいその日暮らしの海外放浪生活の話とか、父親とのやりとりがなにか微笑ましくて。
すがすがしい性格の、芯のしっかりしたひとだから、ぶっとんだことをしても、なんとかなるんだろうなー。本を読んだというよりも、日記を読ませてもらったような。電話で話を聞かせてもらったような。そういう気持ちになる。
投稿元:
レビューを見る
日本各地のみならず、世界各地あらゆるところを駆けずり回り、依頼のあった植物をお客さまに必ず届ける。それがプラントハンターの仕事です。そもそもプラントハンターとは、17世紀から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパで活躍した人たちのこと。王族や貴族のために世界中の珍しい植物を求めて冒険をし、花の苗や種を持ち帰っていました。初めは食糧や香料などの有用植物でしたが、次第に観賞用植物へとハンティングの対象が変化してきたようです。その行動範囲はアジア、アフリカ、中南米、カリブ海にわたり、ペリーが黒船で来航したときも、二名のプラントハンターが同船し、日本で植物採集をして帰ったとも言われています。
さて現在の日本。明治元年から続く植物卸問屋「株式会社 花宇」のもとには、例えばこんな植物があります。
・パイナップル科のアルカンタレア・インペリアリス・ルブラ。葉と葉の間に深い溝があり、30ℓもの水を蓄えられる、どでかいヤツ。
・食虫植物のネペンサス。ぬらりと鈍く光るグロテスクな赤い色が、化け物の唇のように開き、その袋の中はバナナのような鮮やかな黄色。なかには消化液がたっぷりと溜まっています。
・胸が大きくなると言われているサプリメントの原料になるガオクルア
・バナナなんだけれど、見た目は全然バナナじゃなくて、ちょうどあのひと房ひと房が指だとすると、その指がぴったりくっついて、仏様を拝むときの形になっている仏芭蕉。
・銀色の葉が輝くヤシの木。
どれもなんだかアヤシイ場所にありそうな植物ばかり。
ボルネオの森では、黒い粉を全身に浴びて死にかけます。この黒い粉っていうのが実は日本の蟻よりふた回りくらい小さくて、よく見ないと蟻だとわからないくらいのヤツ。髪の毛にまで降りかかったその蟻の粒粒が動き回ってる。「気持ち悪っ」って全部払って、「ヤバかったな―」って笑ってたら、突然全身が熱くなってきて、次の瞬間には、膝から崩れ落ちていて。あかん、これはヤバイ。「蟻にかまれてここで死ぬんや」と本気で思いながら、「蟻っちゅうのがちょっとカッコ悪いな。せめて蛇だったらかっこつくのにな」なんて思ってる。
落ちたら命がないような、地元の人も近づかない断崖絶壁にはりついて、その崖にしか生えない枝をとりに行く。俺って天才やん、と思ってしまって、ああ違う、すごいのは植物やった、自分、勘違いやと戒める。
この本の作者は5代目なのですが、4代目社長の父親とのぶつかりあいもなかなかのものです。父親に説教されたことのある人は、多いと思いますが、この人もされます。
「おまえには足りないものがある」
なんやねん、いきなり。
「おまえには殺気が足りない」
――今の時代、殺気が必要な職業ってどこにあるでしょうか……この人も、エライ世界に入ってしまったものです。
読んでいるとわくわくします。この人が、本当に心から「プラントハンター」という職業に惚れこんでいるのが伝わってきます。
自分の将来をもっと広い視野で考えたいときに、読むといいかもと思う本。
投稿元:
レビューを見る
ヘビーに聞いているラジオ「安住紳一郎の日曜天国」に著者がゲスト出演しており、そのあまりに珍しい仕事に惹かれて読了。その名の通り、「植物」専門の「ハンター」を生業としているのだ。文は拙く読むのに苦労するが、巨大樹の輸送や季節外れに咲かせる桜など、驚くような話が満載で楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
彼がどういう過程を踏んで今の想いに至ったのかを表現している1冊
単発の経験談が小気味よいが、それぞれを関連づけながら、もう少し丁寧に掘り下げても良いと思う。
投稿元:
レビューを見る
植物を捕り、育て、卸す仕事についての話。
世界を駆け回って植物を取るストーリーがおもしろい。破天荒でこれアウトじゃね?っていう行動もありましたが、それ以上に植物に対する愛とリスペクトを感じました。
投稿元:
レビューを見る
「プラントハンター西畠清順人の心に植物を植える」と共に読了。再読ですが、何回読んでも刺激をもらえるし心に響く私にとってお気に入りの本。
西畠さんは卸売業をしながら世界中を飛び回り珍しい植物の調達、国内外でのイベント・商業施設のプロデュースなど多岐にわたって活動をされています。
御存知の方もいるかと思いますが 本好きの聖地『角川武蔵野ミュージアム』
その設計者である建築家・隈研吾氏とともにプロジェクトに関わり植栽を担当されました。
著書の植物に対する想い、植物の持つ可能性、プラントハンターと言われる職業の大変さ・魅力にあふれた本。
スペインからはオリーブの樹を、アルゼンチンからはパラボラッチョの樹を、初めて日本へ輸入したときの様子も綴られています。(詳細は「プラントハンター西畠清順人の心に植物を植える」にて)
海外から外来種の植物を輸入する過程やリスク、海外事情に翻弄された体験は興味深くおもしろい。トラブルもなんのその、フットワークもトークも軽快に世界を飛びまわる姿にしびれる。
そして、西畠さんが代表を務める「そら植物園」が品種登録した「オサメユキ」のエピソードが素敵。
本書をを通して伝えたかった「植物の力」だけでなく、西畠さんのエネルギッシュで親しみのある魅力的なお人柄までも伝わってきます。