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昨日、聖☆おにいさんを読んだってのもありますが(笑)、世界情勢を理解するためにも宗教に関する最低限の知識を復習してみようと、読んだ一冊。
寺巡りが趣味なので、仏教はある程度知識があったのですが、他のはさっぱりだったので、わかりやすくていい勉強になりました。
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週間子供ニュースくらいすっきりとわかりやすい。宗教や政治問題、しらないと恥ずかしいような経済の常識とかは、これから池上お父さんに聞くのがいいなあと思います。あっという間に概略がわかってよい本です
ヒンズー教とバラモン教、回教とイスラム教の違いがさらっと説明できない人にはおすすめです
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それぞれの宗教の概観を理解するのにとてもいい本。正直、本文を読まなくても、図と「まとめ」を読むだけでも十分理解できる。こういう分かり易さってすごく大事だと思う。
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既知の分野の復習感覚で読んだのですが、新たに知ることも多く、且つ簡潔に分かりやすく書かれていて非常に良かったと思います。個人的にはヒンドゥー教について知らないことが多かったので、色々と学べました。
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世界の宗教を知る事は、歴史認識も変わる。日本人の感覚とは違う生活の中に入りこむ宗教は新たな発見である。
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わかりやすく、なおかつ客観的。基礎知識の乏しい私にちょうどいい。普段、あまり宗教に興味がないけど、ある程度の知識として押さえておきたい、という方におすすめ。
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分かりやすい。おぼろげだった各宗教の全体像について捉えやすい。また、その宗教から生まれる対立も興味深く、中東問題等ニュースに直結する話はとても参考になった。
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久々に知的好奇心を刺激された一冊。やっぱり、池上さんわかりやすい!勉強になった。
第一章 イスラム教
■スンナ派とシーア派
ムハンマドの言行(スンナ)を重視するのがスンナ派、ムハンマドの血縁を重視するのがシーア派
・世界では、スンナ派85%、シーア派15%
・アラビア語で「シーア」とは党派のこと
・イランやバーレーンでは、国民の大多数がシーア派。
■イスラム教の分布
東南アジアやインド、中東、北アフリカのほか、ヨーロッパやアメリカにもイスラム教徒はいる。
・インドで2番目に多いのはイスラム教
・アメリカでは黒人がイスラム教に改宗するケースが増えている
・ウイグル族はトルコ系の民族でイスラム教徒
■経典コーラン
ムハンマドが天使ジブリールから伝えられた神の言葉
・コーランは全部で114章からなる
・旧約聖書や新薬聖書のような物語形式にはなっていない
・コーランとは声に出してよむべきものという意味
■聖地エルサレム
エルサレムは3つの宗教の聖地
・「嘆きの壁」はユダヤ教の神殿跡
・ムハンマドが触れた聖なる岩は、旧約聖書の岩とおなじ
・イエスの墓の場所に建てられたのが「聖墳墓教会」
■中東問題
イラン製のミサイルがエジプト経由でパレスチナに持ち込まれ、イスラエルを攻撃(2013年)
・(クリントン大統領が仲介役になって歴史的快挙を成し遂げたといわれる)1993年のオスロ合意は不調に終わっている
■イスラム教徒の生活
1日5回の礼拝や1年に1ヶ月の断食など、イスラム教徒に課せられた宗教行為は多い
・「六信五行」を守る
・豚肉・アルコールの摂取は禁止
・偶像崇拝の禁止
■アラブの春
チュニジアで始まり、エジプト・リビア・シリアへ飛び火。
・アラブの春は、ジャスミン革命(=チュニジアを代表する国花)から始まった
・FBやTwitterが若者たちを団結させる要因となった
・アルジェリアの人質事件は、アラブの春の影響(カダフィに雇われていた傭兵が生活難を苦に悪行に及んだ)
■イスラム原理主義
イスラムの理想に返れというのがイスラム原理主義
・もともとは欧米メディアの造語
・イスラム原理主義が形成されたのは1970年代
・「イスラム原理主義者=テロリスト」ではない
第2章 キリスト教
■キリスト教
イエスの教えを信じる宗教。ローマ帝国の分裂とともにキリスト教も独自の発展をとげる
・イエスは紀元前4年頃に生まれる
・ローマ帝国は国をまとめるためにキリスト教を利用しようとした(紀元後4世紀)
■3つの宗教の違い
イスラム教・キリスト教・ユダヤ教は、密接に関係しているが、国際紛争で対立するのは宗教的価値観以外
・キリスト教とユダヤ教の神はおなじ
・旧約聖書とはキリスト教徒側からの呼び名
・イスラム教では旧約聖書も新薬聖書もみとめられている
■アメリカのキリスト教徒
アメリカの大統領になるにはプロテスタントでなければいけない
・アメリカに最初にわたってきたのはプロテスタント
・カルヴァンの教えがピューリタンをうんだ
・アーミッシュはスイスやドイツの古い生活を受け継いでいる
■アメリカ大統領とキリスト教
アメリカをつくったのはWASPで、このWASPぬきにして大統領に就くことはできない
・大統領選では熱心なキリスト教徒であることをアピールする
・アメリカを建国したのはWASP
・オバマ大統領はアメリカ生まれ(ホノルル)
■ローマ法王
イエスの一番弟子ぺテロの後継者として位置付けられている
・世界のカトリック信者の最高指導者
・法王の選出選挙を「コンクラーベ」という
・2013年の、新法王はアルゼンチン出身のフランシスコが着任
■キリスト教原理主義
妊娠中絶反対や同性愛反対は、キリスト教原理主義者や宗教保守派が最も力をいれている問題
・聖書にかかれたことを一字一句守ろうとする
・妊娠中絶に反対する宗教保守派は多い
・同性愛・同性婚にも反対
■アメリカのキリスト教と科学
・テネシー州には進化論禁止法があった
・アメリカ南部はバイブルベルトとよばれる宗教保守派が多いエリア
・ビッグバンはかみの一撃とされている
■キリスト教のひろまり
中国ではカトリックが取り締まれており、中国も共産党教とも言える宗教国家
・カトリックを世界に広めたのはイエズス会
・アフリカ北部では戦後、イスラム教が復活した
・中国ではカトリックが禁止されている
第3章 ユダヤ教
■ユダヤ教
神はただ1つと考えるユダヤ人は、イエスを信じない
・ユダヤ教の信者をユダヤ教徒・ユダヤ人という
・アダムのあばらぼねから作り出されたのがイブ
・モーセが神から授かったのが十戒
■ユダヤ人の定義
・ユダヤ人は民族や言語ではくくれない
・母親がユダヤ人であれば、子供もユダヤ人
・ユダヤ教を信じていればユダヤ人
■ユダヤ人とアメリカ経済
金融業や映画産業、医療、法律、芸術など、アメリカでユダヤ人が活躍している分野は多い
・アメリカ国内のユダヤ人口は約1.7%
・移住当初は卑しいとされていた職業についていた
・現在は金融業(モルガン、リーマン)、映画産業(スピルバーグ、ハリソンフォード、メリル・ストリープ)、コンピューター関連(デル、コンパック、マイクロソフト)の創業者などが活躍
■ユダヤ人迫害の歴史
紀元後すぐに離散することになったユダヤ人は、20世紀に迫害や虐殺の歴史が世界の同情をかい、イスラエル建国に大きく傾いていった
・ローマ帝国に国が滅ぼされたことにより、ユダヤ人はヨーロッパ各地へ離散
・イスラエル建国への動きをシオニズムという
・アンネの日記は最初にオランダで出版された
■ユダヤ人社会と会堂
ユダヤ教徒にとって律法(トゥーラー)に書かれていることを守るのは何より大事。トゥーラーはヘブライ語で書かれている
・会堂は、壊滅されたエルサレムの神殿のかわり
・ユ��ヤ教徒は1日3回祈りをささげる
・旧約聖書の最初の5巻を「トゥーラー」という
■ユダヤ教徒の儀式
トゥーラーを規範として、人生の様々の区切りにおいて儀式をおこなっている
・男子は生まれて8日後に割札をおこなう
・男子は13歳、女子は12歳で成人となる
・ユダヤ教徒が最も重視するのが結婚
・基本的には土葬
■アメリカとイスラエル
アメリカ国内にはユダヤ人を支援する圧力団体(ロビー)が数多く存在
・政治家はユダヤ人から献金を受けている
・国連安保理でアメリカは拒否権を使い、イスラエルを支援
・大統領さえもロビー団体の影響力から免れることはできない
■イスラエルの孤立
イスラエルとパレスチナの抗争はいまだに続いており、周辺各国との関係性により、混迷の度合いが増している
・ハマスの幹部がミサイル攻撃により殺害
・エジプトのモルシ大統領は元ムスリム同胞団のメンバー
・イスラエルはイランを攻撃するのか?
第4章 仏教
■仏教
日本人は無宗教ではなく、もともと宗教意識が高い国民
・仏教とは、仏陀の教えのこと
・ブッダの本名は、ゴータマ・シッダールタ
・ブッタは35才で悟りを開き、80才で亡くなった
■輪廻
キリスト教やイスラム教には「生まれ変わる」という概念は存在しない。最後の審判を受けた人間は、天国か地獄で永遠に暮らし続ける
・輪廻はバラモン教の影響を受けて生まれた考え方
・輪廻から抜け出すことを解脱という
・キリスト教やイスラム教の「天国」に該当するのが、「極楽浄土」
■仏教の四大聖地
・ブッダの生まれた場所には論争がある
・ブッダガヤはヒンドゥ教の聖地でもある
・ブッダ最期の地はクシナガラ
■大乗仏教と上座部仏教
インドから北と南を経由してそれぞれ別ルートで伝わったことで、文化の多様性が展開
・大乗とは、大きな乗り物という意味
・上座部とは、上座の意味
・北から伝わったのは大乗仏教(中国、日本)で北伝仏教ともいわれる。南から伝わったのは上座部仏教(東南アジア)で南伝仏教といわれる
■チベット仏教
・チベットに仏教が伝わったのは8世紀ごろ
・現在のダライ・ラマは14世
・中国によるチベット支配がチベット問題
■東南アジアの仏教国
現在、最も注目されている仏教国はミャンマー
・東南アジアへはスリランカ経由で仏教が伝わる
・スリランカには上座部仏教の聖地がたくさんある
・ミャンマーは東南アジア最後のフロンティア
■ブータンとGNH
国民の大半が幸福とこたえるブータンは、国家財政の3割を日本などの外国に頼っている
・中国に取り込まれないように外交関係を結んでいない
・GNH(国民総幸福)が国の指標
・ブータンにはチベット仏教徒が多い
第5章 ヒンドゥー教
■ヒンドゥー教
ヒンドゥー教は、主にインド国内で信奉される宗教だが、隣国パキスタン(イスラム教徒)や国内(仏教)との軋轢も多い
・インド国民の8割がヒンドゥー教徒
・バ��モン教徒の輪廻思想やカースト制度も継承している
■ヒンドゥー教の神々
仏教とヒンドゥー教は兄弟のような関係
・シヴァ神とヴィシュヌ神の人気が高い
・ブッダもヒンドゥー教の神の1つ
・仏教の神様には、ヒンドゥー教起源のものがおおい
■ヒンドゥー教の聖典
ヒンドゥー教には、1つの聖典といったものはない
・4つのヴェーダ(知識)のうち、リグ・ヴェーダには1000以上の神々への讃歌がある
・マハーバーラタとラーマーヤナの叙事詩はいまでも人気が高い
■ヒンドゥー教の聖地と礼拝
・ヒンドゥー教徒にとってワーラーナシー(バラナシ)は一番の聖地
・大祭クンバ・メンラーには毎年200万人以上が訪れる
・カイラス山は信仰の山で、登山許可はおりていない
■ヒンドゥー教の一生
ヒンドゥー教には、夫に先立たれた妻が夫の跡をおって火葬の際に投身自殺する風習があり、これを「サティー」とよぶ。現在は法律上禁止されているものの、地方などの村ではいまだに続けられており、女性差別もおおい
・ヒンドゥー教徒はホロスコープで名前を決めることが多い
・ヒンドゥー教徒にとって重要なのは結婚式
・ガンジス川で荼毘にふされるのが最期ののぞみ
■カースト制度
・カーストには4つの階級がある
・カースト制度の下には不可触民がいる
・おなじカーストには同族意識がある
■インドのIT産業
・インドの経済発展は湾岸戦争以降(出稼ぎ先が減り、国内労働力が麻痺)
・シン首相により、経済発展の土台が築かれる
・英語と数学に強い国民性がIT産業における発展の理由
※新業種なのでどのカーストにも所属しない(夢がある)という理由もある
第6章 神道
■神道
日本古来の宗教
・「しんとう」とよむ
・神道は多神教
・神道では、人は死後、「黄泉の国」へ向かう
■神社神道と教派神道
神道は神社神道と教派神道に大きく分けられる
・神社を主体としたグループが神社神道(伊勢、出雲など)
・教祖をもったグループが教派神道(天理教、御岳教、扶桑教など)
・神道が国家によって認められたのは明治以降
■神道の聖典
神道には決まった聖典はなく、かわりに「神典」とよばれるものがある
・その代表作が「古事記」と「日本書紀」
・「万葉集」も神典の1つ
■八百万の神
神道ではあらゆる自然に神が宿っていると考えられているため、その数は限りない
・実際に800万の神様がいるわけではない
・「じんじゃ」とよばれるようになったのは明治以降で、それまでは「もり」や「やしろ」とよばれていた」
・剣や鏡などにも神が宿るとされ、「ご神体」としてあがめられていた
■神社の仕組み
神社は建物のみならず、はえている木や草などすべてが「神域」として神社と見なされる
・神橋は神の世界と人の世界をわけている(つなぐ)
・一般的には、拝殿をつうじて本殿を拝んでいる
■式年遷宮
・伊勢神宮の正式名称は「神宮」
・式年遷宮は20年ごと
・遷宮は、建築・意匠技術の後世への継承という意味もある
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わかりやすく勉強になった。興味はあるのに、だれもなかなか教えてくれないし、知らない宗教のこと。宗教を知ることで世界の政治経済、歴史も勉強になった。
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世界の主な宗教「キリスト教」「イスラム教」「ユダヤ教」「仏教」「ヒンドゥー教」そして「神道」の概要を説明している本。
内容としては簡潔にまとまっており、読み易い、個人的には書かれているこのとは知っていることが多かったが、政治や今の世情を絡めて説明しているのところがジャーナリストらしいと思った。
特に個人的によかったのが、アメリカとキリスト教、ユダヤ教の話とヒンドゥー教の知識が得られたところが良かった。
話しとしては聞いていたが、改めてアメリカはキリスト教(プロテスタント)の国であることがより理解できた、あとはユダヤ教の影響が大きく、ハリウッドなどの世界で活躍していることが、全然しらなかったので、興味深かった。
ヒンドゥー教については、自然発生的なもの、日本でいうところの神道に近いイメージを持った。
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宗教は人々を救うものかと思っていたけれど、宗教による対立は根深いし、様々な問題も多く生み出していると感じた。言葉や音楽と共に宗教は世界中にある文化というところがなんだか不思議。
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それぞれの宗教の違いと共通点が明確に分類されていてわかりやすい。イラストも多く読みやすい。宗教による世界の対立構造が見えてくる。それにしても…いかに日本が素晴らしい宗教観をもっているかが再認識できる。「無宗教です」なんていいながらまるで酔拳のように実は相手の急所を突いている。
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恥ずかしながら、ユダヤ教とキリスト教をかなり混同していたのがよく分かりました。「日本は自然の恵みが豊富だから多神教、イスラムは過酷な砂漠で生き残るために唯一絶対の力を持つ神が信じられた」といった考察も目から鱗。
丁寧に書いてくれている一方で、もう少し詳しく教えて、この図のことが説明されてないんだけど、なんて思うところもありますが、あとは自分でさらに学びなさいってことですね。
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宗教に疎い自覚が強くなってきたのでちょっと勉強してみようと思って読んでみました。イスラム教、キリスト教、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教、神道の6つの宗教について、世界情勢と関連づけながら基礎的な内容がわかりやすく書かれています。やっぱりニュースを見たり地理や政治経済の勉強をする上ではイスラム教とかキリスト教とかの理念を理解しておくことは必要ですね。全体的には広く浅くという傾向が強いので初学者には持ってこいだと思います。
個人的に気になったのは仏教と神道でした。やっぱり日本人には神道が合っているような感じはします。八百万の神が自然の中のあちこちにいるって、なんだかいいですよね。クールジャパンですね。そして神道に関連する熟語には意読が多いなと思いました。日本語学と一緒にこういうことを深く学ぶのも面白いかもしれません。あと仏教は何かに縋りつきたい時には当てにしたくなりそうです。生きることは苦しいことなのだなあ。
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池上さんの著書は以前から興味があり、特に私は宗教分野の話には弱いので、そのあたりの解説本を読みたいと思っていました。
読んで少しでも蓄えられるといいなと思います。